慰安婦問題について、いろんな報道: 早読み 深読み #朝鮮半島、韓国の気分は「もう、中立」 THAADで中国が仕掛け返した 罠にはまる朴槿恵、鈴置 高史・日経ビジネス

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2015年4月16日木曜日

早読み 深読み #朝鮮半島、韓国の気分は「もう、中立」 THAADで中国が仕掛け返した 罠にはまる朴槿恵、鈴置 高史・日経ビジネス

「早読み 深読み 朝鮮半島」韓国の気分は「もう、中立」
THAADで中国が仕掛け返した

罠にはまる朴槿恵
鈴置 高史 >>バックナンバー
2015年4月16日(木) 
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米国に守ってもらいながら、
中国の言う通りに動く韓国。気分は「もう、中立」だ。

2015年3月20日
鈴置:米国はこの事件をテコにして、朴槿恵(パク・クンヘ)政権の
「二股外交」や 「離米従中」をやめさせるつもりでしょう。 
3月8日にリッパート(Mark W. Lippert)大使が入院先で語った 
「これは米国への攻撃だ。米韓同盟を一層強固にすべき ...
2015年3月05日
鈴置:韓国の金融界は日本とのスワップを続けたかったのでしょう。 
でも、今の韓国社会は「日本ごときに頭を下げられない」
との空気が支配しています。 
当然、「卑日」路線の朴槿恵(パク・クンヘ)政権も
延長を要請しなかったわけです。
「3NO」でTHAAD先送り

終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)の在韓米軍への
配備の協議が先送りになりました。
鈴置:「韓国が米国の言うことを聞くのか、中国の言うことを聞くのか」で
注目を集めていた問題です(「日米の同時『格下げ宣言』に慌てる韓国」参照)。
 米韓は4月10日にソウルで開いた両国の国防相会談の後
「THAADの問題は話し合われなかった」と発表しました。
 聯合ニュースの「韓米国防長官共同記者会見……THAADは論議しなかった
(4月10日、韓国語)によると、
「米国はTHAADを配備する考えはあるのか。あるとしたらいつ頃、
結論を出すのか」との問いに
カーター(Ashton B. Carter)米国防長官は以下のように答えました。

THAADは本日の議題に含まれていない。

理由は、まだ生産段階にあるためだ。
配備の場所に関する論議もまだしていない。
時期についても生産の進行状況により決定が下されるだろう。
そしてこれに関連し、訓練と配備の可能性が議論されることになる。
全世界の誰ともまだ、配備問題を論議する段階ではな い。

星取表の判定を変更
 3月11日に青瓦台(大統領府)は

「THAAD配備に関する3NO」を宣言しました。
米国から要請されたこともないし、協議したことも、結論もない
――から「3NO」なのです。
 はっきり言えば、韓国はTHAADに関する米国との協議を拒否したのです。

さらに今回の米韓国防相会談でも、建前だけでしょうけれどそれを貫いた。
だからカーター国防長官も「議題に含まれていない」
と答えざるを得なかったのです。

これで韓国は中国の怒りを避けられましたね。
鈴置:ええ。中国は「配備を認めれば、

戦略武器――核兵器の攻撃対象にするぞ」などと脅していました
(「『核攻撃の対象』と中国に脅される朴槿恵」参照)。
確かに当分の間は、韓国は脅されにくくなるでしょう。
 これまで「早読み 深読み 朝鮮半島」に載せてきた「米中星取表」。

THAADの項目では「まだ完全には勝負がついていない」との判断から
「―」の印を付けてきました。


 しかし「3NO」と言い出すほどに韓国が露骨に「離米従中」
――同盟国たる米国の意向を無視し、中国の指令に
従うようになった以上、THAADの項目は「米国が劣勢」と判断して「▼」に、
中国は「優勢の△」に判定を変えることにしました。

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか
(○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、

△は現時点での優勢を示す。2015年4月15日現在) 

日本の集団的自衛権
の行使容認
2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の
MDへの参加
中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への
THAAD配備
青瓦台は2015年3月11日「要請もなく協議もしておらず、決定もしていない(3NO)」と事実上、米国との対話を拒否
日韓軍事情報保護協定 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習
の中断
中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの
正式参加(注1)
正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの
反米宣言支持
2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの
加盟 (注2)
米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、
米国をアジアから締め出す組織として活用。
(注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、

米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。
(注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。


米国はいつでも協議を開始
米国はTHAADの韓国配備をあきらめたのでしょうか。
鈴置:そんなことはありません。前記の聯合ニュースの記事によると、

カーター長官は会見で「THAADの生産はいつ終わるのか」との質問に対し、
以下のように答えています。

時期は未定だ。

だから、生産完了後に配備の可能性などを決めることができる。
アジア太平洋地域の米軍防御と、弾道ミサイルの危険性に関しては、
常に我々が一歩先んじるよう努力している。
最近もアラスカに地上迎撃システムを追加配備した。
そうした方法で朝鮮半島と日本のミサイル防御をも同時に行って いる。

 中国に脅される韓国の窮状に配慮して、米国は配備の協議を

一時保留したに過ぎないのです。
カーター長官の発言をよく読めば「ミサイルが完成した」
と米国が言い出せば、いつでも協議を要求できるのです。

「大統領が難物」
では、その時期はいつになるのでしょうか。
鈴置:北朝鮮が核弾頭の小型化に成功するなど「THAADが絶対に必要だ」

との方向に韓国の世論が傾くのを米国は待つ作戦と思われます。
 カーター長官も「弾道ミサイルの危険性に関しては、

常に我々が一歩先んじるよう努力する」と言っています。
THAADはすでに米国内には配備済みですし、UAEへの輸出も決めています。
米国は機会到来と判断すれば、いつでも協議に動くでしょう。

韓国軍は配備に賛成しないのですか。

鈴置:もちろん、北朝鮮の核の脅威に危機感を高める韓国軍は賛成でした。

2014年6月18日、金寛鎮(キム・グアンジン)国防相(当時)は国会で
「米軍のTHAAD配備に問題はない」と答弁しています。
 ただ、直後に韓国国防部が「国益を考慮し慎重に検討する」との答弁書を出し、

発言を修正しました。青瓦台――大統領の意向からと思われます。
5月末に米軍が韓国配備をリークすると、直ちに中国が反対していましたから。
 米国の安全保障担当者は、その頃から

「韓国軍とは意見が一致するのだが、
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が難物だ」と、日本の専門家にこぼしていました。
 ただ、いくら「親中」の朴槿恵大統領でも、

北の核兵器が実用化したとなればTHAAD配備に
NOとは言えなくなるだろう
――と米韓両軍は判断していると思われます。

韓国の国論は分裂
THAADに対する世論の風向きは?
鈴置:韓国の国論は割れました。

最も右――つまり親米かつ反北朝鮮、反中国の趙甲済
(チョ・カプチェ)ドットコムは当然、THAAD配備に賛成です。
 保守系紙の多くも、総じて賛成の方向で紙面を作っています。

理由は「経済よりも安全保障の方が重要だ」です。
 「THAAD配備に賛成すれば中国から経済的に苛められるだろう」と

韓国では考えられています。
それに対する「でも、おカネより命の方が大事だ」との主張です。

 「二股外交」をやめて「米国回帰」しようと訴える保守の大御所、

金大中(キム・デジュン)朝鮮日報顧問も
北朝鮮の核にやられたら中国が守ってくれるのか
(3月17日、韓国語版)で「THAAD配備賛成」を表明しました。
サブ見出しの1本が以下です。
国益を考えれば米国が正解

……北の攻撃に備えるにはTHAADが必要、
はっきりとした立場を中国に明かせ。
  一方、左派系紙の「ハンギョレ」は、明確に配備反対を打ち出しました。
理由は「中国と敵対すべきではない」です。
 「サード配備問題は日和見主義では解決されない

(3月18日、日本語版)や
明確な反対意思でTHAAD問題を終わらせるべきだ
(3月28日、日本語版)など、相次ぎ反対の社説を載せています。
 後者では「THAADの有効性にそもそも疑問がある」との理由で

「おカネより命」という主張に反撃しています。

露骨な中国の圧力に反感
政界は?

鈴置:興味深いことに、保守の与党が分裂しました。

「3NO」など、THAADに関し青瓦台の優柔不断とも見える姿勢がひどくなると、
セヌリ党の中の「反・朴槿恵」系議員は「THAAD配備賛成」を言い出しました。
 さらに、中国の露骨な圧力が強まって国民の反発が強まったことも、

彼らの背中を押したと思われます。
 なお、左派の野党第1党である新政治民主連合は「中国への配慮」を理由に、

与党の一部が賛成に動いたことを批判しています。

「中国の露骨な圧力」とは?
鈴置:3月16日に中国の劉建超外務次官補が「THAAD配備に憂慮」

「AIIBに参加を」と韓国に求めたのですが、
これが韓国人の反発を呼んだのです。
 それまでも中国のTHAAD反対の意向は繰り返し報じられていましたが、

訪韓した中国の高官が直接、韓国メディアに「要求」したのは初めてでした。
物言いが横柄に見えたためでしょう
「未だに宗主国のつもりか」と反感を抱いた韓国人が多かったようです。

理念よりも党派の争い
中国は失敗したのでしょうか。

鈴置:そうとは言えません。

与党の賛成派はほとんど「反・朴槿恵派」と言われています。
3年後の大統領選挙を念頭に、
脱・朴槿恵色を打ち出すのが本当の狙いでしょう。

 理念というよりも党派の争いですから、

中国が個別に圧力をかければ「配備賛成」の
旗を降ろす可能性があります。
 今は“党内野党”だからそんな主張をしているのであって、

もし、大統領になれば――大統領候補になるだけでも、
中国の顔色を見ないわけにはいかないのです。

 同様に新聞も微妙です。

さきほど「保守系紙の多くはTHAAD配備に
総じて賛成の方向で紙面を作っている」と申し上げました。
でも「THAAD配備に賛成」とはっきり書いているのは
少数の大物記者だけです。

 社説でも、賛成の臭いが伝わってくることが多いのですが、

各紙とも断定的には書かないのです。
2015年1月1日から4月2日までに、THAADに関し保守系の大手3紙は
合計8本の社説を載せています。
朝鮮日報と東亜日報が各2本、中央日報が4本です。

 うち4本が「THAADで圧力をかけてくる中国」が主なテーマでした。

それらは「THAADがだめだというなら科学的根拠を示せ」
「配備に反対するなら北の核開発を抑えてくれ」といった
中国への要望か、せいぜい反発に過ぎないのです。

 残り4本は「大統領が決めろ」「腰を据えて考えろ」などと

韓国政府に決断を求めるものでした。
結局「中国が何と言おうが米国のTHAAD配備に賛成する」との、
決然とした社論を打ち出した新聞はないのです。 

中国が怖い韓国紙
案外と弱腰なのですね。

韓国紙の日本語版を見ると連日、日本を罵倒する記事や
社説に満ちあふれているのに。
鈴置:恐ろしい中国から目を付けられたくない、ということでしょう。
「日本や米国ならどんなに悪口を書いても大丈夫だけれど、
中国は何をしてくるか分からない」とこぼす韓国の新聞人が多いのです。
 あるいは、朴槿恵政権の決断と反対方向の紙面を作りたくはないので

様子見しているのだ、と冷ややかに見る韓国人もいます。
政府が「二股外交」を展開中なので、与党系紙も
「二股紙面」になってしまう、ということでしょう。

おとなしいからといって、日本に対しては

無茶苦茶書くというのも変な話ですね。 鈴置:それが韓国です。

THAAD支持派にも「危険な臭い」
韓国を引きとめておきたいとすれば、ですが、

米国も韓国の世論形成では親米派のシニア記者が頼り、
ということですね。
保守系紙を含め「中国の顔色を見る」空気が広がっている以上は。

鈴置:そこで気になることが1つあります。

THAAD配備を支持するシニアの記者のコラムにも「危険な臭い」が
たちこめ始めたのです。日本や米国にとって、ですけれど。
 例えば、朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹が

4月9日に書いた「THAAD、中国の立場も傾聴し尊重せねば
(韓国語版)です。

 このコラムは、はっきりとTHAAD配備に賛成しています。

また、楊相勲論説主幹らしく切れ味も鋭い。
例えば以下のくだりは、浮ついた観念論を振り回す
凡庸な識者の顔を赤らめさせたでしょう。
多くの人が「中国に対してアジアインフラ投資銀行(AIIB)加盟という

贈り物をしたのだから、THAADではお返ししてもらえばいい」と言う。 
では中国が「AIIBに加盟しなくてもいいから、
THAAD配備に反対しろ」と返答してきたらどうするのか。
経済と安保は市場でのように交換できないのだ。

中国の信頼を勝ち得てこそ
 さて、楊相勲論説主幹の主張は

「THAAD配備のためには、中国との信頼関係を構築することが必須だ」
というものです。論理は以下です。
中国がTHAAD配備に反対するのは、米国の(高性能)レーダーを

恐れているからだ。また中国は、北朝鮮の体制までを犠牲にして、
その核をなくそうとは考えない。
中国が米勢力と国境で向き合うことを避けるには、
北朝鮮の存続が必要だからだ。
韓国がこのままの状態でTHAAD配備を受け入れれば、

中国は北朝鮮との軍事的関係を強化したり、
在中韓国企業に対する圧力をかけるなどのカードを切るかもしれない。
その際、韓国には「北のミサイルを完全には防げないTHAADで、
より多くのものを失った」との論議が広がるだろう。
それを防ぐには中国人に、韓国が米国の対中軍事戦略に

いたずらに追従する国ではないと信じてもらい、
韓国が米日と一緒になって中国を包囲する国ではないとの
確信を持たせ、米中の平和共存を世界で最も願っているのが
韓国であるとの認識と、統一韓国が中国の安保上の
利益になるとの期待を抱かせる必要がある。

中国に中立化を約束
筋が通った主張ですね。

鈴置:ええ、堂々たる正論でしょう、韓国としては

そしてこれが韓国の保守本流の、THAADに限らず、
外交の基本的発想を代表していると思います。

 朴槿恵大統領はともかく、外交部や軍はとりあえずは、

ですがこの線で――米国との同盟を基本にしながらも、
何とか中国を敵に回さない方向で道を探しています。

 金大中顧問も先のコラム

北朝鮮の核にやられたら中国が守ってくれるのか」の
「中国への説得部分」で似た論理を展開しています。以下です。

韓国は自らの生死がかかった北朝鮮のミサイルが関心事なのであり、

中国のミサイル探知は関心事ではないことを(中国に対し)
明らかにせねばならない。

ではなぜ、楊相勲論説主幹のコラムが「気にかかる」のでしょうか。
鈴置:よく読んで下さい。

要するに、米国に対しTHAAD配備を認める代わりに、
中国には米中間で韓国は中立を保つと約束しよう、という主張なのです。
 また、統一後は朝鮮半島から米国の軍事力をなくす

――つまり、制度的にも米韓同盟を解消することを示唆しています。

 「米中の平和共存を願う」などと言葉は美しい。

でも、そうやって中国人から理解と信頼を得ようと努力するほどに
中国は韓国を舐め、要求を強めることでしょう。
中国が「平和共存と言うなら、証しとして米韓合同軍事演習はやめよ」
と言い出したら、韓国はどうするのでしょう。  

「でも、北朝鮮からは守ってね」
確かにそうなりかねませんね。
鈴置:もう1つ、本質的な問題があります。

「米中どちらの要求を受け入れたか」という点から見れば、
韓国はすでに中国側に傾いています(「米中星取表」参照)。
このうえ、堂々と「中立」を宣言したら、状況は大きく変わります。
 米国だって韓国の二股は苦々しく思っています。

でも、建前はまだ米国側にいることになっていて、
何とか同盟が成立している。
 韓国が「米中対立の局面では米国に協力しない」と

中国に約束しているのを傍から米国人が見たら、
どういう気がするでしょうか。
さらに「だけど、北朝鮮からは守ってね」と韓国から言われるのですから。

韓国の虫のよさに米国は怒り出すでしょうね。

中国はそこまで狙って
「THAAD配備に反対せよ」と韓国に命じたのでしょうか。
鈴置:証拠はありませんが、そう思えます。

仮に韓国が「THAAD反対」に動けば米韓同盟に
ヒビを入れることができる。
 そこまでいかなくとも、悩んだ韓国が中国に

「敵対する意思はない」と理解を求めて来ればしめたものです。
「中立化」を自ら宣言させてしまえるのです。

明を裏切った朝鮮
 17世紀の明清交代期の話です。

新興勢力の後金(のちの清)は朝鮮に力を見せつけ、
明清の間での二股外交――中立政策を採用させました。

 1619年に中朝国境の中国側で、

明と朝鮮の連合軍が後金と戦いました。
サルフの戦いです。
明の形勢が悪いと見ると、朝鮮の軍は
その王が予め指示した通りにさっさと降伏します。
そして、朝鮮の将軍は後金にこう言ったのです。
我が方はあなたたちの敵ではない。

我々が互いを敵対視する理由はない。
ほかに手はなかった。我が方は意思に反して、
気乗りがしない境遇に置かれたのだ。
(秀吉が攻めてきた)壬辰倭乱の時、明は我が朝鮮を助けてくれた。
その恩義に報いる意味で(この戦いに)少しばかりの関心を
見せないわけにはいかな かったのだ。
しかし状況を見れば分かる通り、
我が方はあなたたちと和解の用意がある。

 以上は、米国のジャーナリスト、ホーマー・ハルバート

(Homer B. Hulbert)が1905年に書いた『The History of Korea』の
韓国語訳『韓国史、ドラマになる②』の108ページを翻訳したものです。

 この「明清間での中立化宣言」は、

その場しのぎには役立ちましたが、
本質的には朝鮮をさらなる苦境に追い込んでいきます。

 明との同盟を放棄した朝鮮に対し、清はますます強気に出ました。

そして明が完全に弱った後、朝鮮に反清的な王が登場したのを機に、
清は朝鮮を武力で制圧するに至ったのです。

 「歴史を鑑とする」のが大好きな中国人が、

明清交代期の朝鮮の中立化政策を思い出さないはずがないのです。

踏み絵をハメ手に
なるほど、400年前と同じ手口ですか。

鈴置:米国の「THAAD配備」の打診には、

韓国の忠誠心を確かめる意図もあったのでしょう。
サルフの戦いの前に、明が朝鮮の忠誠心に期待して
出兵を求めたのと似ています。
 でも中国はその「踏み絵」を逆手にとって

「中立化宣言」を誘導するハメ手に使おうとしている
――ということかと思います。
そして朴槿恵政権はそのハメ手に、
はまりかけているように見えるのです。

2015年2月05日
「米大使襲撃」で進退極まった韓国 「二股外交の破綻」を韓国の識者に聞く。
「慰安婦」を無視されたら打つ手がない 韓国の新思考外交を読む 鈴置 高史.
2014年12月26日
中国の掌の上で踊り出した韓国、日本の無力化狙う韓国の「衛星外交」 。 
「分水嶺の韓国」を木村幹教授と読む(3) 鈴置 高史.

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