慰安婦問題について、いろんな報道: “ルビコン川超えた”プーチン ロシアとトルコの対立、決定的に - 佐々木伸。トルコがロシアと事を構えないこれだけの理由 「帝政ロシア対オスマン帝国」の因縁も、今は昔。米国、シリア政府がISから石油購入と非難 -制裁でロシアにも圧力。ロシアはトルコによるロシア機撃墜問題をエスカレートさせる気は無い。

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2015年12月3日木曜日

“ルビコン川超えた”プーチン ロシアとトルコの対立、決定的に - 佐々木伸。トルコがロシアと事を構えないこれだけの理由 「帝政ロシア対オスマン帝国」の因縁も、今は昔。米国、シリア政府がISから石油購入と非難 -制裁でロシアにも圧力。ロシアはトルコによるロシア機撃墜問題をエスカレートさせる気は無い。

インタビューに答えるシリアのアサド大統領(10月) 
Photo: Associated Press

「ニュースを斬る」
エルドアン大統領(左)とプーチン大統領(右)。
写真:代表撮影/ロイター/アフロ
 意見をつなぐ、日本が変わる。BLOGOS
WEDGE Infinity 2015年12月03日 11:38
“ルビコン川超えた”プーチン ロシアとトルコの対立、決定的に-佐々木伸
ロシア爆撃機の撃墜で緊張高まるトルコとロシアの関係は
プーチン大統領が撃墜の理由について、
過激派組織イスラム国(IS)からの
石油密輸ルートを守るためとトルコを非難し、
抜き差しならないところまで悪化した。
両国の対立と緊張はいつまで続くのか。 

「それを言っちゃお終い」

 プーチン氏の発言は11月30日、国連の気候変動会議
「COP21」が開かれているパリの記者会見で飛び出した。
同氏は「犯罪者にロシア人パイ ロットら2人が殺された」と非難した上で、
トルコがISの支配地域から大量に石油を密輸しており、
撃墜はこの輸送経路がロシア軍機に破壊されないよう
守るためだった、と大胆に指摘した。

 トルコがISと手を組んでいると受け取れる発言に

エルドアン・トルコ大統領も「証拠があるなら見せてもらいたい。
テロ組織と商売するほどわれわれは下品ではない」と強く反発、
証明されたら自分は大統領でいられないが、
「あなたはどうだ?」とやり返した。

 プーチン氏の発言はトルコにとっては

「それを言っちゃお終い」(テロ専門家)のような意味を持つ。
ISと戦っている米欧やロシアの間には、
シリア のIS支配地域からの石油の密輸や
シリアへの戦闘員の流入が止まらないことに
トルコが本気で国境管理を行っていないという不信感が強く、
一部にはトルコと ISの闇の関係を疑う声もあるからだ。

 だからこうした国際的な不信の目を意識しているトルコにとって、

今回のプーチン氏の発言は到底容認できるものではない。
「プーチン氏は怒りにまかせてルビコン川を渡った。
両国の関係修復は難しくなった」
(ベイルート筋)という険悪化した状態だ。

 プーチン氏はエルドアン氏からの首脳会談の要請を一蹴し、

撃墜されたSU24爆撃機などに空対空ミサイルを搭載、
最新の地対空ミサイル・システム S400を
シリアのラタキアの空軍基地に配備するなど
軍事的な緊張も高めている。
ただこうしたロシアの強気の姿勢も
いつまでも続かないという見方もある。

 ロシアは11月末、チャーター便の運航停止や

農産物の輸入制限などトルコに対する経済制裁を発動したが、
取り沙汰されていた天然ガスの輸出停止や 
原発建設中止などは含まれていない。
「ロシアは原油価格の低下や
西側経済制裁で経済的に大きな打撃を受けている。
これ以上の経済の悪化は望んでいない」 (ベイルート筋)からだ。
ロシアも突っ張ってばかりはいられないというわけだ。 

なぜIS資金が枯渇しないのか
 プーチン氏が指摘した

石油密売はISの活動資金の大きなソースで、
いったんは米軍の精油所などへの空爆で激減したものの、
簡易の精油装置を導入して生産が急増。
最近では1日5万バレル、
月約50億円の密売収入を上げるようになっているという

 このため米軍がISのタンクローリーへの攻撃を強化、

ロシアも同様の攻撃を開始していた。
しかし米英紙によると、ISはすでに石油密売に
依存しな くてもいいように支配地域の住民らから
カネを搾り取る暴力的なシステムを確立、
年間約10億ドル(1200億円)もの収入を得ている

 ニューヨーク・タイムズによると、

ISのこのシステムはさまざまな徴税から不動産の家賃、電気・水道料金、
イスラム法に違反した行為への罰金まで多岐に渡っており、
米国のテロ専門家は
「彼らは朝に戦い、午後には税金を徴収している」と指摘しているほどだ。

 税金で言えば、ISは支配地域の出入り口に検問所を設け、

物資輸送のトラックなどから通行料を徴収、
イスラム国のロゴの入った受領書を発行している。
ヨルダンからアイスクリームを冷凍車でイラクに運ぶ運転手は
1カ月に3回、300ドルを支払っている。
首都であるシリアのラッカでは、「清掃税」とい う名目で
市場の各商店から月、7ドルから14ドルを納めさせている。

 住民は電気代として月、2ドル50セント、

水道料金として1ドル20セント程度を払っている。
イスラム法違反の罰金も収入源となっており、
例えば喫煙を見つかった男性は15回のむち打ちとともに、
罰金約40ドルを支払わされたという。

 ISはこうした歳入システムを作り上げることによって、

空爆などの影響を最低限にとどめており、組織の資金源を断つためには、
最終的に支配地を奪 回して住民を解放するしか方法がない。
ロシアとトルコがいがみ合い、IS包囲網に深刻な亀裂が生じている現状では、
IS壊滅は遠のくばかりだ。
トルコがロシアと事を構えないこれだけの理由
「帝政ロシア対オスマン帝国」の因縁も、今は昔

新井 春美 >>バックナンバー
2015年11月27日(金) 3
トルコ軍機が11月24日、ロシア軍機を撃墜。
ロシア・トルコ間の緊張が一挙に高まった。
パリでのテロ事件を受けて勢いをつけた、ロシアを含む対イスラム国
多国間連携にネガティブな影響を与えることが懸念されている。
ロシア・トルコ関係はどうなるのか。
トルコの内政はどう進むか。周辺諸国はどう評価するの か。
トルコ地域研究を専門する研究者、新井春美氏が分析する。

11月24日、トルコ軍機が領空侵犯を理由に
 
ロシア軍機を撃墜したというニュースが世界をかけめぐった。
撃墜されたロシア軍機はシリアに派遣されていた戦闘爆撃機。
トルコとの国境に近いシリアのラタキア付近に墜落し、
パイロットが死亡したと報道された。

 これをめぐってトルコとロシアが非難の応酬を続けている。

トルコ軍は、ロシア機がトルコ領空に侵入したため、
警告を繰り返したのちに行動に至った と表明。
一方、ロシアのプーチン大統領は領空侵犯を否認、
逆にトルコ軍機がシリア領空を侵犯したと主張している。
この事件を契機にロシア・トルコ関係が悪 化、
さらには、ロシアを含めた多国間による
「イスラム国(IS)」包囲網の形成が
ストップするのではないか、と不安視されている。

 しかしながら筆者は、今回の事件が対IS包囲網形成に

水を差すことにはならないと考える。 

NATOはトルコを支持
 トルコは今回、とりたててロシア軍機を狙ったわけでは当然ない。

トルコ軍は過去にも他国軍機を撃墜している。
2014年3月には、同じくラタキ ア周辺で、
反体制派に空爆を行っていたシリア軍機を撃墜している。
やはり「トルコの領空を侵犯したため」という理由だった。
トルコは、不安定な国家に周辺を囲まれている。
そのうえ、地理上の制約で国境の管理が困難な状況にある。
国土の防衛に神経をとがらせるのは当然であり、
領空侵犯に対し厳しい態度をとるのは自然であろう。

 北大西洋条約機構(NATO)は加盟国であるトルコへの賛同の意を示した。

NATO加盟国にとってトルコは、シリアやイラクからの難民、
あるいは 難民にまぎれて流入する過激派を防ぐ砦(とりで)である。
またISへの空爆を継続するにあたり、トルコ国内の基地が
重要な役割を果たしている。
したがって NATO加盟国がトルコを批判することは得策ではない。

 加えてNATO諸国はトルコに対して、

ロシアとの関係を難しくしないでほしいと望むであろう。
よって、トルコがロシア批判を必要以上に繰り返し、刺激することは、
NATOの手前もあり考えにくい。

歴史から見るロシア・トルコ関係
 ロシア・トルコ関係は必ず悪化する、

あるいは常に対立している、と見られがちだ。
その背景として両国間の長期にわたる戦いの歴史があげられる。
そ れは、両国の前身である帝政ロシアとオスマン帝国との
領土をめぐる争いにまでさかのぼることができる。
トルコが親日国である理由の一つは、
日露戦争で日本がロシアを破ったから、
と言われるように、トルコの反ロ感情は根深い

 最初の露土戦争と言われる戦いは16世紀だったとされ、

それ以降繰り返し、戦争が行われてきた。
18世紀には、南下政策をとるロシアがオスマン帝国に戦いを仕掛けた。
19世紀には、弱体化したオスマン帝国分割をめぐって、
ロシアと西欧列強がしのぎを削る東方問題が起きた。
このようにロシアとトルコ の関係は友好的であったとは言い難い。
冷戦期には、トルコはNATOの南翼の砦となり、
旧ソ連邦と最前線で対峙した。

 しかし両国は常に対立していたわけではない。

冷戦期においてもトルコはソ連から経済支援を受けて
工業の活発化を図るなど、うまく立ち回っていた時期がある。
また近年はエネルギーを軸に両国は緊密ともいえる関係にある。
トルコはドイツに次いで、ロシアからのガスを輸入している。
このほか年間330万人のロシア人がトルコを訪れるなど
民間レベルでの交流は活発化していると言ってよい。 

似たもの同士?の両大統領  

今回、ロシア・トルコ間の緊張が高まっているのは
ロシアのプーチン、トルコのエルドアン両大統領の強硬な発言も一因である。
両大統領はともに、 「独裁者」といわれるように、ときには強権を発動して
国内の反対派を抑え込んできた。
国際社会においても、強力なリーダーシップを発揮して
世界の主要国としての地位を
確固たるものにしようという意思や態度を明らかにしている。

 欧米諸国に追随しない姿勢も両大統領に共通する。

両大統領の性格を考えれば、自らの発言を撤回したり、
自ら謝罪の意を示したりすることは考えにくく、
売り言葉に買い言葉の状態になりやすい。

 つまり、第三者が何らかの形で仲介に入るきっかけを作らなければ、

状況を変えることが難しい。
しかし、トルコのメディアによれば、エルドアン大統領と
ダウトオール首相は、ロシアは友人であり
これ以上のエスカレートは望まないと述べており、
鎮静化へと向かう可能性が開けてきた。

 また、フランスのオランド大統領がロシアを訪問する。

同大統領の仲介が、
ロシアとトルコが歩み寄るチャンスとなるかもしれない。

外交失点を避けたいエルドアン

トルコでは、11月25日に第2次ダウトオール内閣がスタートした。
11月に行われた再選挙の受けてのスタートである。
6月の国会選挙では過半数を占める政党がなく、
連立交渉も失敗に終わった。

 エルドアン大統領は、

憲法を改正し大統領権限を一層強化することを目論んでおり、
今回、与党AKPが過半数を制したことで、その可能性が出てきた。
ここで、ロシアとの関係が悪化したり、それに伴って
シリア情勢がさらに混乱したりすることになれば、
エルドアン大統領に対する国民の反発が強まる。
できれば、外交で失点することなく、
このまま支持を維持しておきたいところである。

 シリアのアサド政権を支持するロシアと

反アサドの先頭に立つトルコは妥協点が見出しにくいように見える。
だが、9月にプーチン大統領と会談したのち、
エルドアン大統領のアサド政権に対する姿勢に微妙な変化が表れている。
「シリアの将来にアサドはいない」という点に変化はないが、
会談後は「移行プロセスにおいてはアサドの存在を認める」 
という発言になっているのである。

 トルコは反体制派への支援を通じて

アサド政権を打倒することに優先順位を置いてきた。
だが、反体制派にはさまざまな勢力が入り乱れて一致することはなく、
アサド後の有力な政治アイコンも見当たらない。

 国内治安の維持も重要課題として浮上している。

いたずらにロシアとの対立を長引かせ、
外交や政治の不安定状況を作り出すことは、
テロリストに付け 入る隙を与えかねず得策とは言えない。
例えば7月にはトルコ南東部の町スルチで自爆テロが起きた。
10月には首都アンカラで自爆テロが起き、100人前後が死亡した。
11月には、未遂に終わったものの、最大都市イスタンブールで
テロ計画が発見されている。
トルコ国内にはISの戦闘員のみならず
潜在的なシン パも多いとされる。 
 アサド政権と太いパイプを持つロシアと、
シリアの隣国として戦略的な重要性を持つトルコは、
自らの強みを十分に認識しているだろう。
ロシア・トル コの対立が米国、フランスなどが試みる
国際連携の構築の足を引っ張ることになれば、
両国への不満、不信感を招きかねない。
ロシア、トルコともに
自国の強みを生かせない状況に陥ることも考えられる。
両国はそうしたことも十分に計算に入れ、
近日中に事態を沈静化させると考えられる。
新井春美(あらい・はるみ)
ガバナンスアーキテクト機構研究員
さくら総合研究所(現・日本総合研究所)などを経て2012年より現職。

拓殖大学大学院満期退学。博士(安全保障)。
専門はトルコを中心とした中東情勢、国際関係論。

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米国、シリア政府がISから石油購入と非難
-制裁でロシアにも圧力
By JAY SOLOMON  ウオールストリートジャーナル
2015 年 11 月 26 日 12:32 JST 更新

【ワシントン】オバマ米政権は25日、 
シリア政府が過激派「イスラム国」から
石油を購入していると非難し、それを仲介したとされる
シリア系ロシア人実業家1人を制裁対象に指定した。
また米財務省は、シ リア中央銀行がロシアや
キプロスベリーズの企業網を介して
国際社会による制裁を回避するのを手助けした疑いで、
ロシアとキプロスの実業家や企業も制裁対象とした。

 指定対象者の中には、
ロシア・カルムイク共和国の
キルサン・イリュムジーノフ元大統領も含まれている。
米財務省によると、イ リュムジーノフ氏は
長らく国際チェス連盟の会長を務めている。
制裁対象となった個人や企業と米国の取引は禁止され、
これら個人や企業が
米金融システムに保有している資産も凍結される。

 米政府当局はかねて、シリアのアサド政権が
IS支配地域で産出される石油を購入し、
ISの財政強化に手を貸していると非難してきた。
今回の制裁で、
シリア政府の石油取引に初めてメスが入れられた。
距離を置くようロシアに求めている中で、
同国に対し圧力を加えるための新たな材料を手にした。
オランド仏大統領は26日にモスクワで
ロシアのプーチン大統領と会談することになっている。

  財務省によれば、シリア生まれの実業家
ジョージ・ハスワニ氏は自らが経営するダマスカスと
ロンドンにある企業を使い、
アサド政権とISとの石油取引を仲介した。
欧州連合(EU)は3月に同氏を制裁対象に指定している。
ハスワニ氏と同氏の弁護士からのコメントは得られていない。

 またイリュムジーノフ氏は、

アサド政権関係のシリア企業のほか、
ロシアの銀行と緊密に協力し、
シリア中銀が制裁を回避するのを支援したという。

 ズービン米財務次官代行(テロ・金融情報担当)は
「アサド政権がシリア国民に危害を与えられるよう
資金面で支援している個人や企業を対象とした
制裁を米国は継続する」と表明した。

訂正:第1段落の「23日」を「25日」に訂正します。
http://www.cnn.co.jp/
2015年11月25日水曜日
トルコの「譲れぬ一線」 対シリアで異なる思惑。
救出に向かったロシア軍ヘリも攻撃受け破壊。
搭乗員含む2人死亡確認  シリア沖に巡洋艦派遣、
トルコとの国防連絡も中断。
トルコ、露戦闘機を撃墜 「領空侵犯」 
シリア内戦処理に影響も。その他トルコ関連。 

2015年11月8日日曜日
シリアに軍事介入 ロシアはなぜアサド政権を守ろうとするのか?。

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