慰安婦問題について、いろんな報道: 防衛費の全額負担を日本に要求 共和党指名確実のトランプ氏。トランプ氏“日本の核保有容認はうそだ”。【ニュースの読み方】トランプはカードになるのか?[桜H28/4/6]。トランプ氏 在日米軍 日本の負担増なければ撤退も、核保有容認も。トランプ氏が在日米軍について 「なぜ日本が駐留経費を100%負担しないのか」 その他関連。

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2016年5月6日金曜日

防衛費の全額負担を日本に要求 共和党指名確実のトランプ氏。トランプ氏“日本の核保有容認はうそだ”。【ニュースの読み方】トランプはカードになるのか?[桜H28/4/6]。トランプ氏 在日米軍 日本の負担増なければ撤退も、核保有容認も。トランプ氏が在日米軍について 「なぜ日本が駐留経費を100%負担しないのか」 その他関連。


トランプ氏 米軍駐留経費の全額負担 改めて主張
5月6日 13時34分 NHKニュースウェブ
アメリカ大統領選挙の候補者選びで、
共和党の指名を獲得することが確実になったトランプ氏は、
テレビのインタビューで、日本や韓国など同盟国が
アメリカ軍の駐留経費の
全額を負担すべきだと改めて主張しました。
アメリカ大統領選挙の候補者選びで、
共和党の指名を獲得することが確実になったトランプ氏は
4日、アメリカのCNNテレビのインタビューに応じました。
この中でトランプ氏は、海外でのアメリカ軍の展開について、
「アメリカは、ドイツや日本、韓国などを守ってきたが、
多くの人はそれすら知らない。
アメリカは、彼らを守るために多くの労力や兵器、金をつぎ込んできたが、
それに見合ったものが帰ってきていない。
もう続けることはできない」と主張しました。
そのうえで、
「彼らが、われわれに十分な敬意を示さなければどうなるか。
答えは非常に単純だ。
彼らは自分たちで自分たちの国を守ることになるということだ」
と述べました。
また、韓国はアメリカ軍の駐留経費の50%を支払っていると指摘されると、
「なぜ100%ではないのか。
アメリカ軍を受け入れている国々が全額負担すべきだ。
なぜアメリカが支払わなければならないのだ」と述べました。
トランプ氏が共和党の指名獲得が確実になったあとも、
日本や韓国など同盟国がアメリカ軍の駐留経費の
全額を負担すべきだと改めて主張したことは、
国内外で波紋を広げることも予想されます。

2016.5.5 12:42 【米大統領選】 産経ニュース
防衛費の全額負担を日本に要求
米大統領選で共和党候補の指名獲得を確実にした
実業家トランプ氏(69)は4日、大統領に就任すれば、
日米安全保障条約に基づき米軍が日本防衛のために
支出している国防費の全額負担を日本に要求する考えを表明した。
CNNテレビのインタビューに答えた。
 米軍が駐留する韓国やドイツにも同様に要求する考えを示し、
応じなければ駐留米軍を撤収するとの持論も曲げなかった。
指名獲得を確実にし、
大統領に選ばれる可能性も出てきただけに一層波紋を広げそうだ。
 トランプ氏は「私は日本と非常に良い関係を持っている」と説明。
一方で、日本防衛には巨額の費用を投じているとして
「自動車産業で経済大国になった日本に
補助金を払い続けるようなことはできない」と言明した。(共同)

アメリカ大統領選挙の共和党候補者選びでトップを走る
・トランプ氏は11日、日本の核兵器保有を認めていると
報じられているのはメディアによるうそだと主張した。
 地元、ニューヨーク州での集会で、トランプ氏は
日本の核保有を
認めていると報じられていることについて、反論した。
 トランプ氏「ニューヨークタイムズやワシントンポストが、
私が日本に核を保有させたがっていると
報じたが、彼らはうそつきだ」
 その上でトランプ氏は「日本が大好きだ。
防衛してやってもいい」と強調したが、
日本は駐留米軍の費用をさらに負担すべきだとの持論も繰り返した。



トランプ氏「北が核兵器持っているなら、日本も…」
アメリカ大統領選挙の共和党の候補者選びでトップを走る
トランプ氏が「日本も核兵器を持った方がいい」と発言しました。
 共和党・トランプ氏:「北朝鮮が核兵器を持っているなら
日本も持った方がいいのではないか。
日本には防衛だけでなく
北朝鮮に対する攻撃力も持ってほしい」
 トランプ氏は29日、CNNの番組に出演し、
「自分の身は自分で守るべきだ」として、
日本も核兵器を持つ方がいいという考えを示しました。
そのうえで、アメリカは財政赤字を抱え、
他の国を守る余裕はないと強調しました。
また、今後、韓国など多くの国が核兵器を持つようになるのは
「時間の問題だ」と述べました。アメリカ政府は、
日本はアメリカの核の傘の下にいるという考え方で、
日本が核兵器を持つことは認めていません。

【ニュースの読み方】トランプはカードになるのか?
[桜H28/4/6] SakuraSoTV
2016.4.6 12:37 産経フォト
米民主、共和両党は5日、11月の大統領選に向けた
予備選を中西部ウィスコンシン州で実施した。
米主要メディアによると、共和党はクルーズ上院議員(45)が
党候補指名争いでトップの実業家トランプ氏(69)に勝利。
民主党はサンダース上院議員(74)が
最有力候補のクリントン前国務長官(68)を破った。
 クリントン、トランプ両氏が指名獲得に必要な
代議員の数で優位な構図は変わらない。
だが5日の結果は、快進撃を続けてきた
トランプ氏の勢いに陰りが出ている兆しとも取れる。
妊娠中絶手術を受けた女性に
処罰を求める発言などで最近、反発が強まっていた。
 6月まで続く候補者選びでトランプ氏が
代議員の過半数を確保する可能性は狭まった。
トランプ氏が過半数を取れなければ、
7月の党大会で候補者選びが仕切り直しになる公算が大きい。
 トランプ氏の独走阻止を狙う共和党主流派などは、
クルーズ氏の下への結集を進めている。
ウィスコンシン州のウォーカー知事もクルーズ氏を応援した。
 (ワシントン共同)

トランプ氏 在日米軍 日本の負担増なければ撤退も
3月27日 8時38分 NHKニュースウェブ
アメリカ大統領選挙に向けて
共和党から立候補しているトランプ氏は、
日本が在日アメリカ軍の駐留経費の負担を
大幅に増額しなければ撤退させると主張するとともに、
日米安全保障条約は不公平で再交渉したいと述べました。
ことし11月のアメリカ大統領選挙に向けた共和党の候補者選びで
トップを走るトランプ氏は、アメリカの有力紙
「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューに応じ、
外交政策について自説を述べました。
この中でトランプ氏は
「アメリカは強い軍事力を持った裕福な国だったが、
もはやそうではない」と述べ、大統領に当選した場合、
日本や韓国がアメリカ軍の駐留経費の負担を
大幅に増額しなければ撤退させると主張しました。
さらに日米安全保障条約について、
「アメリカが攻撃されても日本は何もしないが、
日本が攻撃されたらアメリカは駆けつけなければならず、不公平だ」
としたうえで、「再交渉したい」と述べました。
一方で、日本や韓国が北朝鮮や中国に対抗するために
核兵器を保有することは否定しない考えを示しました。
また、サウジアラビアなどのアラブ諸国が
過激派組織IS=イスラミックステートと戦うための
地上部隊を派遣しないなら、そうした国々から
石油を購入するのを取りやめることもありえると主張しました。


トランプ現象について
在米イスラエル・ロビー団体、米国イスラエル公共問題委員会
(AIPAC)の年次総会で演説する米大統領選の共和党候補、
不動産王トランプ氏=21日夕、ワシントン(加納宏幸撮影)

2016.3.22 19:20 【米大統領選】 産経ニュース
ワシントン=加納宏幸】
米大統領選の共和党候補指名争いで先行する不動産王、
ドナルド・トランプ氏(69)は21日、米紙ワシントン・ポストの
論説委員らとの会合で日本や韓国への米軍駐留が
米国の利益になるかと問われ、
「個人的にはそうは思わない」と語り、
アジア太平洋地域への関与を見直す考えを示した。
米国が以前ほど裕福ではなく、
その余裕がないとの認識を理由に挙げた。

 トランプ氏はこれまでも
日本に米軍の日本防衛の代償を払わせると主張してきた。
オバマ政権はアジア太平洋の安全保障を重視する
「リバランス(再均衡)」政策を進めてきたが、
トランプ氏が政権を取れば大きな政策転換を伴いそうだ。
 同紙が21日に公表した会議録によると、
トランプ氏は米軍駐留経費の日本側負担に関し、
「なぜ100%(の負担)ではないのか」と疑問を投げかけた。
 中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)に侵攻した場合の対応については、
「何をするかは言いたくない」と答えた。
オバマ政権下で日米は尖閣諸島に関し、
米国による日本防衛義務を定めた
日米安保条約5条の適用対象であることを重ねて確認している。
 トランプ氏は中国による南シナ海への進出について、
中国製品に高関税を課すなど貿易面での圧力で
解決を目指す考えを強調。
北大西洋条約機構(NATO)に関しても
ウクライナ問題などで欧州側の加盟国が
より多くを負担する必要があるとの認識を示した。
3月6日 17時47分 NHKニュースウェブ
アメリカ大統領選挙に向けた候補者選びは、
5日、各地で予備選挙や党員集会が行われ、
共和党は、勢いにのっているトランプ氏が
2つの州で勝利する一方、追いかけるクルーズ上院議員も
2つの州で勝利して健闘しました。
一方、民主党はサンダース上院議員が
3つの州のうち2つを制し、
リードするクリントン前国務長官に対し、食い下がった形です。
このうち共和党では、不動産王のトランプ氏が
ルイジアナ州とケンタッキー州の南部2州で勝利し、
保守強硬派のクルーズ上院議員は中西部カンザス州と
東部メーン州で勝利しました。
今月1日のスーパーチューズデーでリードを広げ、
勢いにのるトランプ氏に対して、
追いかけるクルーズ氏が今回2つの州で勝利し健闘した形です。
これによって共和党の候補者選びでは
トランプ氏が制した州の数が合わせて12、
クルーズ氏が制した州が合わせて6となり、一方、
若手のホープとされる主流派のルビオ上院議員は
これまで1つの州での勝利にとどまっています。

また、民主党では女性初の大統領を目指す
クリントン前国務長官がルイジアナ州で勝利したのに対し、
格差の是正を前面に掲げるサンダース上院議員は
カンザス州と中西部ネブラスカ州の2つの州で勝利し
クリントン氏に食い下がった形です。
これによって民主党の候補者選びでは
クリントン氏が合わせて11の州を制したのに対し、
サンダース氏が合わせて7つの州で勝利したことになります。

両党の候補者選びは、今月15日に、
大票田の南部フロリダ州など5つの州で
予備選挙が行われる次のヤマ場を迎え、
トランプ氏とクリントン氏が
指名獲得に向けてさらに前進するのか注目されます。

トランプ氏「ルビオ氏 もう撤退を」
不動産王のトランプ氏は5日、今月15日に
予備選挙が行われる南部フロリダ州で記者会見を開き、
「ルイジアナ州と
ケンタッキー州で勝利して非常にうれしい。
15日に選挙が行われるフロリダ州や
オハイオ州でも私はリードしており、
いい戦いができるだろう」と述べました。
一方で、トランプ氏は「クルーズ上院議員が
メーン州で勝ったのは祝福するが、
メーン州がカナダに近いからだろう」と述べ、
クルーズ氏がカナダ生まれであることを改めて問題視するとともに、
主流派のルビオ上院議員がこの日4つの州で
1つも勝てなかったことを取り上げ
「ルビオ氏はもう撤退したほうがいい。
私とクルーズ氏の一騎打ちで戦おうではないか」と述べました。

クルーズ氏「勢いは続いている」
カンザス州で勝利を確実にしたクルーズ上院議員は
支持者を前に演説し、
「カンザス州に神のご加護を。
候補者の絞り込みは少しずつ進んだきたが、
私にとってスーパーチューズデーはすばらしい結果となった。
その勢いはきょうも続いている」と述べ、
スーパーチューズデーで3州で勝利したのに続き、
今回カンザス州で勝利を確実にしたことに自信を示しました。
そして、クルーズ氏は、
「保守派の人々が、共和党の人々が、
そして自由と合衆国憲法を愛する人々が
私の選挙戦に結集しているのだ」と述べて、
支持基盤であるキリスト教の保守派や
共和党支持者に対してさらなる支持を呼びかけました。

サンダース氏「アメリカの労働者は日本人より働き者」

与党・民主党の候補者のサンダース上院議員は
5日中西部ミシガン州で演説し、
「一部の富裕層とその仲間が多額の金を使って
選挙を買収しようとしている。
これは民主主義ではない。
われわれはこのことに照準を合わせていく」と述べ、
クリントン前国務長官との違いを強調しました。
また、「アメリカの労働者は、家族のために
仕事を2つ3つ掛け持ちしている。
働き者の日本人よりも長く働いている」と述べ、
格差の是正に取り組むという
主張を掲げているみずからへの支持を呼びかけました。

クリントン氏「アメリカをひとつに」
民主党のクリントン前国務長官は、
今月8日に予備選挙が行われるミシガン州で支持者を前に演説し、
「もし私が幸運にも大統領候補に選ばれれば、
ミシガン州の民主党を復活させるため懸命に仕事をする」
と述べて支持を呼びかけました。
そのうえで、共和党の候補者の1人、
不動産王のトランプ氏の発言を念頭に
「壁をつくるのではなく、問題の原因となっている
障壁を取り除くべきだ。
アメリカは、偉大な国になるための歩みを
これまで止めたことはない。
アメリカを再び偉大にすることよりも
アメリカをひとつにするべきだ」と述べて、
トランプ氏との対決姿勢を強調しました。

「トランプ旋風」分析…藤崎・前駐米大使ら
2016年03月04日 23時34分 読売新聞
「決戦の火曜日」…トランプ氏、クリントン氏が制す
(2016/03/02 18:04) テレ朝ニュース
トランプ氏が7州制す…指名獲得が現実味
【ワシントン=小川聡】米大統領選の指名候補争いは
1日、10を超える予備選・党員集会が集中する
「スーパーチューズデー」が行われた。

民主党では、12州・地域で8勝を挙げた
ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が、獲得した代議員数で
バーニー・サンダース上院議員(74)に大差を付け、
指名獲得に向けて大きく前進。
共和党は不動産王ドナルド・トランプ氏(69)が
11州中7州で勝利。
政治経験ゼロのトランプ氏の指名獲得が現実味を帯びてきた。
 クリントン氏は、大票田のテキサスやジョージア、
バージニアなど南部6州で30ポイント近い大差を付けて勝利。
サンダース氏は地元バーモント州とオクラホマ、コロラド、ミネソタの
計4州で勝利したが、比例配分される代議員獲得数で大差が付き、
過去4戦と合わせると、
その差は200前後に差が広がる見通しだ。
MAX VON SCHULER-KOBAYASHI
アメリカ合衆国シカゴ生まれのドイツ系アメリカ人。
日本在住40年ちかく。ニュースコメンテーター、
結婚式牧師、ナレーション、イベントの司会の仕事をしています。
「日出処から」代表講師。著書「アメリカ人の本音」(桜の花出版)
「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本(ワック)

2016年3月1日 11:21 日テレニュース
アメリカ大統領選挙の候補者レースは
日本時間1日夜、13の州で予備選や党員集会が行われる
序盤のヤマ場「スーパーチューズデー」を迎える。
共和党の不動産王・トランプ氏の集会会場から
田口舞記者が伝える。
 ジョージア州の会場では、
集会が始まっても長蛇の列が途切れず、
中に入れない人が続出するなど、
これまで3連勝のトランプ氏の人気を象徴していた。
 そのトランプ氏、「スーパーチューズデー」前日は
予備選挙が行われる2つの州を回り、
最後の支持を訴えた。
 トランプ氏「皆、投票してくれ。
明日は大きな日になる。
ジョージアで勝って勢いをつけたい」
 「スーパーチューズデー」には、大統領選の本戦でも
カギとなる無党派層の多いマサチューセッツ州や、
政治に関心が高く高学歴の人が多いバージニア州など
重要な州が含まれる。
事前の調査では、そのどちらでもトランプ氏がリードしている。
これまでのトランプ氏の支持層は、
生活に不満を持つ高卒以下や白人労働者が中心だったが、
過激な発言を繰り返すトランプ氏への主張が
幅広い層に浸透しつつあることを表している。

 一方の民主党は、黒人やヒスパニック系住民の多い
南部を中心に、この層の支持が厚いクリントン前国務長官が
多くの州でリードしている。
 クリントン氏「明日、私に投票してください。
私は何があろうと、
誰が共和党の候補になろうと、皆のためにがんばる」
 「スーパーチューズデー」では、
割り当てられる代議員数は、
まだ指名に必要な数には至らないが、
民主党はクリントン氏、
共和党はトランプ氏が候補の座に限りなく近づけるのか、
大きな節目となる。
2016.2.28 19:57 【米大統領選】2 3 産経ニュース
ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇
「どう解釈すればよいのか…」。
米国政治研究の権威、
コロンビア大学のロバート・シャピロ教授は首をかしげる毎日だ。

 「政界有力者からの支持を多く得た候補者ほど、
大統領選を有利に展開する」。
政治学の世界には「裏書き効果」と呼ばれる
有名な法則があるのだが、
「米大統領選で、当初は泡沫(ほうまつ)候補とみられた
共和党のドナルド・トランプ氏と
民主党のバーニー・サンダース上院議員が大健闘し、
今回は法則が通用しない」(シャピロ教授)という。
 米データ解析ウェブサイトが大統領選候補の
「裏書き効果」を数値化したところ、
共和党はルビオ上院議員がトップで150点、
2位のクルーズ上院議員が34点。
民主党はクリントン前国務長官が474点で
1位になった(26日現在)。
 だが、全米世論調査の平均値では上位の顔ぶれが変わる。
共和党1位はトランプ氏の34%で、
2位のクルーズ氏を14ポイント引き離した。
民主党はクリントン氏が48%で1位だが、
サンダース氏が42%と肉薄する。
 実は、トランプ氏の裏書き効果は22点。
サンダース氏は3点しかない。
2人の「異端」が定説を覆したのだ。

共通項は「新・負け組」
右派の「暴言王」に左派の「民主社会主義者」。
イデオロギーは正反対だが、
両者の支持基盤には共通項が浮かび上がる。
ともに、最近の社会構造変化で新たな「負け組」となった層で、
怨嗟(えんさ)の声が満ちあふれているのだ。
 25日夜のマンハッタン。ダウンタウンにある居酒屋に
10人ほどの市民が集まり乾杯した。
「もう一度米国を偉大な国にしよう!」
 トランプ氏を支援する集まりで、中年の白人が目立つ。
大学勤務から自営業まで職種はさまざまだが、
典型的な中間層である。
 失業率は改善したが、豊かになったのは富裕層だけ。
賃金上昇率は鈍く、
中間層の平均所得は金融危機前の2006年から5%も減った。
「暮らしは楽になっていない」
(ニューヨーク郊外に住むベン・ローゼンシャインさん)だけに、
自分たちの仕事を奪う恐れのある移民や
マイノリティー(社会的少数派)を警戒し、
中間層には手厚い社会保障を約束する
トランプ氏の主張は耳に心地よい。

投票呼びかけのボランティア登場
一方、最近のニューヨークでは、
「バーニー(サンダース氏)のフォーンバンク」と称する
ボランティアが増えている。個人の自宅に支持者が集まり、
コールセンターのように電話を使って
同氏への投票を働きかける活動である。
 参加者の多くは1980~2000年に生まれた
ミレニアル世代だ。
その一人である33歳のブランドン・ラックダシェルさんは
大学を卒業後、映画関連の仕事に就いた。
「民主党ですら社会インフラの劣化を看過している。
大学などの無償化を訴える
サンダース氏に共感を覚える」という。
 米政府の歳出の大半は、年金や医療保険など
シニア世代向けだ。一方で大学などの学費は値上がりし、
平均的なミレニアル世代は
約1万6000ドルの教育ローンを抱えているとされる。
 瓦解(がかい)する中間層と、困窮する若者世代。
「異端2人組」は米国社会のゆがみに便乗したのだ。

2016.2.28 19:35 
【ニューヨーク=松浦肇】米国の白人至上主義者からなる
秘密結社、クークラックスクラン(KKK)の元最高幹部が
米大統領選の共和党候補指名争いでトップに立つ
ドナルド・トランプ氏の支持に回り、物議をかもしている。
トランプ氏が掲げる不法移民対策や
マイノリティーに対する差別的姿勢が注目された格好だが、
米国で悪名の高い極右組織の元幹部が
「味方」に付いたことで、トランプ氏の
今後の選挙活動に影を落とす可能性がある。
 ニューヨークの地元紙デイリー・ニュースによると、
KKKの元最高幹部で白人至上主義者として知られる
政治活動家のデイビッド・デューク氏がラジオ番組で
トランプ氏支持を呼びかけたという。
デューク氏は1980年代後半から90年代前半にかけて
米大統領選に立候補した経歴があるが、
KKKとの関係が暴かれて全米で批判された。
【米大統領選】怪物・トランプ氏を創造した共和党は
多数論証、脅迫論証、逆言法-扇動家が頼る修辞法
米大統領選の共和党候補指名争いでトップに立つ
ドナルド・トランプ氏は、
テレビ番組とお茶の間のタレントのようであり、
傲慢で怒りっぽい「扇動家」でもある。
その特徴は、国民の偏見を利用し、
理性ではなく感情に訴える手法を駆使していることだろう。
 テキサス農工大学のジェニファー・マルシエカ教授
(コミュニケーション学)は、
トランプ氏の修辞法の特徴を次のように分析する。
 それは
(1)「世論調査が示している」といった、
大衆が納得しやすい「多数論証
(2)自身への批判に対し、議論ではなく「でくの坊」「弱虫」などと
相手の人格批判で応じる
(3)「私に歯向かう者はボロボロになる」などの「脅迫論証
(4)「それについては話したくない」と、責任を回避し
話題を転換する「逆言法
-といった手法が目立っていることだ。

 扇動家はこうした修辞法に頼りがちで、
しかも「事実」には関心がなく、
誤った前提に基づき立論することが多いという。
例えば、トランプ氏はイスラム教徒について、
「ジハード(聖戦)をひたすら信じて憎悪で満ち、
人命を尊重しない-と定義している」と指摘する。
トランプ氏はまた、「米国を再び偉大な国にする」と訴え、
拍手喝采を浴びている。
だが「どのように」という具体性には乏しい。
 にもかかわらず、
支持が幅広い層に浸透しているのはなぜか-。
 世論調査結果や、既存の政治と政治家に不満を抱く
「怒れる有権者」の声からは、「『私を信じよ』という自信に満ち、
彼なら何かを変えてくれそうだと思わせる。
その方が具体性はなくても説得力がある」
(支持者の一人)という感覚が浮かび上がる。
 オバマ大統領は「変革」を掲げて登場し、
民主党の大統領候補指名を争う
バーニー・サンダース上院議員は、
「革命」という最も強い言葉を使う。
トランプ氏からは「改革」という言葉も聞かれず、
「米国を再び偉大な国にする」
などのスローガンを代用している。
 そうしたせりふに支持者が魅了されるのは、
「オバマ政権下で閉塞(へいそく)感が強まり、
生活も苦しくなり、『アメリカン・ドリーム』がなくなったと
感じているからだ」(政治アナリスト)という見方がある。
 トランプ氏も、
「悲しいことにアメリカン・ドリームは死んだ」と発言する。
大衆の意識を敏感にかぎ取る才能がある。
父親の後を継いだとはいえ、「不動産王」と
呼ばれるまでにのし上がり「でっかく考えて、
でっかく儲(もう)けろ」(邦題)といった啓発本なども
多数著している。そうしたことも支持の下地なのだろう。
 当初は「トランプ氏はテレビのショーのホストだ。
政治の世界までコメディーになった」と揶揄(やゆ)された。
 しかし今や、米有力紙ワシントン・ポストが
「思いもよらなかったことが不可避になりつつある。
トランプ氏が指名されそうだ」と危機感を示し、
共和党主流派からは「トランプ氏の阻止は手遅れか」と、
悲鳴にも近い声が漏れてくる。
 「米国は分裂している」というトランプ氏の
高笑いが聞こえてきそうだ。(ワシントン 青木伸行)

2016.2.27 19:40 2 3 【トランプ研究・上】 産経ニュース
スピーチライター不在 
「メモには従わない。先導するのは自分だ」
米大統領選の共和党候補指名争いで、
「不動産王」のドナルド・トランプ氏の勢いが止まらない。
2月の序盤4州の予備選・党員集会を3勝1敗で勝ち抜いたばかりか、
あらゆる有権者層に支持が広がるという構造的な変化を見せている。
米国社会はトランプ氏をめぐる二極化を強めており、
さらなる「トランプ研究」を迫られている。
(ワシントン 青木伸行)
 トランプ氏は連邦と州の行政、
立法府などでの政治経験がない「アウトサイダー」だが、
彼のブレーンも同様だ。
取り巻きのキーマンは2人。
選挙運動の参謀であるコーリー・ルワンダウスキー氏と、
政策顧問サム・クロービス氏である。
 ルワンダウスキー氏は2015年1月にトランプ氏に雇われるまで、
保守系財閥の大富豪であるチャールズ・コック氏、
デービッド・コック氏の兄弟が支援する財団で、
保守系草の根運動
ティー・パーティー」(茶会)の活動を後押しするなどしていた。
ルワンダウスキー氏を知る関係者は、
「彼は爆弾を投げつける。
非常に好戦的な人物だ」と評する。
いわば「類は友を呼ぶ」といった存在のルワンダウスキー氏は、
トランプ氏が保守層に食い込んでいる秘密兵器のようだ。
 一方、クロービス氏は元米空軍の大佐で、安全保障に詳しい。
広報担当はニューヨーク人脈で、
広報戦略の専門家であるヒックス・ホープ氏が担っている。
 だが、彼ら以上にトランプ氏を支えているのが、
「陰の側近」たちだ。
例えば、元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏。
市の治安を劇的に改善し、01年の米中枢同時テロ当時、
市長として復興に辣腕(らつわん)をふるったことで知られる。
 ジュリアーニ氏は
「虚心坦懐(たんかい)にアドバイスしている」とし、
同氏が“側近”の一人であることをトランプ氏も認めている。
 前国防情報局(DIA)長官のマイケル・フリン氏も
事実上のアドバイザーで、
「トランプ氏は普通ではない質問をしてくる。
恐ろしく理解力が早く、
最初に会ったときに強烈な印象を受けた」と語っている。
 トランプ氏が、大統領に就任した暁には
財務長官に起用するとした、
だが、政治家につきもののスピーチライターが見当たらない。
トランプ氏自身が「広告塔」なのだ。
こんなエピソードがある。
長らくトランプ氏の政治顧問を務め、
ニクソン、レーガン両元大統領の
選挙運動に従事したロジャー・ストーン氏をクビにしたのだ。
 ストーン氏は13ページのメモを手渡し、
「現在の経済システムは、国民を不正に操作している」
と訴えるようアドバイスした。
トランプ氏はしかし、メモを投げ捨てて言い放った。
 「メモには従わない。投票と世論を先導するのは自分だ」
 つまり、
「トランプ氏自身が戦略や
有権者へのメッセージなどすべてを管理している」(関係者)のだ。
【米大統領選】トランプ氏の暴言で米副大統領が代わりに

2016年2月26日金曜日
「トランプ氏はポーランドからの不法移民を雇っていた」
切り札は「主流派への反感」「現状への怒り」。その他関連。

現代ビジネス 渡辺将人 賢者の知恵
「サンダース旋風」で深刻化する民主党内の亀裂
〜「政党」の結束が揺らいでいる
アメリカ大統領選・現地リポート

誰がサンダースを支持しているか
アメリカ大統領選の指名獲得競争の2戦目
ニューハンプシャー州予備選は、
共和党ではドナルド・トランプ、
民主党ではバーニー・サンダースの勝利に終わった。 
政治革命(Political Revolution)」を
スローガンにするサンダースは、政治に幻滅していた
有権者の心を揺さぶり、
リベラル系の支持基盤を活性化している。
その一方で、政党の結束を困難にさせ、
本選への深刻な副作用が懸念されているのも事実だ。
言いかえれば、政党帰属意識のないサンダースのような
独立系候補が「民主党候補」として台頭することの功罪であり、
共和党側のトランプ旋風とは
また別の民主党側の「2016年問題」が存在する。
* * *
民主党ニューハンプシャー州予備選の投票者を対象にした
CNNの出口調査によれば、
投票経験が「2回目以上」が83%、「初投票」が16%だった。
この「初投票」の内訳に目を向けると、
サンダースが78%、ヒラリーは21%とかなりの差がついている。
サンダースが若年層(18〜29歳)の
83%を獲得したことが大きいが、
18歳の初投票者以外にも、
独立系候補を好む有権者の予備選初投票もうかがわせる。
「政党帰属意識」では、「民主党に帰属意識を感じる人」は
全体で58%に過ぎず、40%もの投票者が
今回「無党派」と回答している。
「無党派」の内訳は、
サンダース73%、ヒラリー25%だった
ところで「無党派」と日本語で書くと政治に無関心な人か、
リベラルや保守などの強いイデオロギー的な傾向を持たない
浮動票という印象だが、アメリカ政治用語での
インデペンデント」(independent)
厳密にはこの日本語の「無党派」とはニュアンス上の差がある。
そこには、2大政党のどちらの現状にも満足していないという
強い政治意識を持つ層も含まれ、自らがリベラル過ぎて
民主党には満足できず、自らが保守過ぎて
共和党には満足していないような層も
independent」と自称するからだ。
だから、本当は「無党派」ではなく「独立系」と訳したほうが
原意には近いのだが、
本稿では日本語としての分かりやすさと
慣習を優先して「インデペンデント」を「無党派」としておく。
上記のニューハンプシャー州の民主党予備選についての
CNN調査でも「極めてリベラル」26%、「リベラル寄り」42%、
「穏健」27%のうち、「極めてリベラル」の中での
得票内訳はサンダース67%、ヒラリー33%だ。
サンダースのフィールド事務所で、活動家や
若者と対話してみると一目瞭然だが、
彼らは日本語でいうイデオロギー色の薄い
「無党派」というよりは、アメリカの民主党の
穏健さ加減に我慢がならない急進リベラルが多い。

政党献金イベントでも戦闘姿勢
ニューハンプシャー州予備選を直前に控えた
2月5日、同州マンチェスターで民主党の
献金パーティが行われた。
その名も「マッキンタイア・シャヒーン・ディナー」。
60年代に活躍したマッキンタイア、
そして現職のシャヒーンという
2人のニューハンプシャー州選出の
連邦上院議員名を冠にした夕食会である。
サンダースとヒラリーの演説が
エールの交換のように続けて行われるとあって、
ニューハンプシャー入りしていた筆者も現場に赴いた。
基本的には州政党の献金パーティで、
予備選の直前に行うことで集金力を増す狙いがある。
他方で、プレスに取材させることで民主党の党勢をアピールし、
候補者に「空中戦」の機会を与える「メディア・イベント」でもある。
全国党大会と同じように、スポーツやコンサートを行う
屋内スタジアムを貸し切りで行い、ケーブルテレビが中継を行う。
チケットの値段であるが、一般席は25ドルと50ドルで
席の位置で価格が違う。
アリーナのテーブルでディナーを楽しめる席は
夕食代込みで
250ドル、500ドル、1000ドルの3つが用意された。
ステージから見て右側スタンドがヒラリー支持者エリア、
左側スタンドにサンダースの支持者が陣取るのは
まるで野球の応援のようだ。
ラッパや太鼓こそないが、候補者名が書かれた
長方形の厚紙(サイン)を掲げて候補者の名前を連呼し、
まるで応援合戦である。
場内を暗くして
蛍光色グッズを配布するのもコンサートと同じ趣向だ。
ニューハンプシャーの地元議員や
政党関係者が順に登壇して演説をしていく。
明らかだったのはサンダース支持者達の異常な盛り上がりだ。
2008年のオバマ支持者と2012年のロン・ポール支持者を
掛け合わせたような熱気で「バーニー!」と叫ぶ
コールが始まると司会が止めても止まない。
制御不能だ。ヒラリー支持者はその意味では行儀が良かった。
ディナーは中盤以降荒れた。
民主党全国委員会委員長のデビー・ワサーマン・シュルツ
登壇して演説した際、サンダース応援席から
「お前は最低だ!」という罵声が飛んだ。
政党の全国委員会は予備選挙の間は、
特定の候補に肩入れせず中立を保たなければならない。
しかし、シュルツはこれを破って
ヒラリー贔屓が目に余るとの批判が根強かった。
サンダース旋風が拡散しないように、
民主党予備選ディベートの数を絞り込み、
視聴率が取りにくい枠にするように
シュルツが誘導したとの疑惑も報じられていた。
シュルツと全国委員会の名誉のために記せば、
真相は明らかではない。
ただ、そうした噂が拡散するほど、
サンダース支持層には政党幹部への不満が鬱積していた。

革命(Revolution)か、
選挙登録(Registration)か
ただ、ヒラリー陣営が上記のニューハンプシャーでの
献金ディナーにおけるサンダース支持者の
演説ボイコット行為を公然と批判しにくい事情もあった。
皮肉なことにヒラリー応援団も「当事者」だったことがあるからだ。
2008年大統領選挙時、2007年の
「ジェファーソン・ジャクソン・ディナー」で
先発だったヒラリーの演説後、
オバマの演説を待たずして多くの支持者が離席した。
オバマはそれをものともせず
演説を成功させた。しかし、後味は悪かった。
礼儀を欠いたとの印象を与えることは、
候補者と陣営、ひいては民主党の団結に
水を差すだけだと学んだヒラリー支持者は、
2016年は合同イベントでサンダース支持層の群衆と対面しても、
激しいブーイングにもじっと黙って耐えている。
健気とも言えるヒラリー支持者の姿勢は、
タウンホールミーティングなどの現場でも顕著だ。
ニューハンプシャーではとりわけそうだったが、
州内各地で開催される集会の応援席にいる
ヒラリー支持者は「ヒラリーのどこか優れているか」
についてはプレス取材に対して雄弁に語るが、
「サンダースについてどう思うか」と聞いてもまず答えない。
自主的に口をつぐむ癖がついている。
プレスの取材を受けるときは暗黙のルールがある。
ヒラリーを褒めることはある程度自由裁量だが、
ライバルや共和党についてのコメントはむやみにしてはいけない。
これは組織がしっかりしたキャンペーンでは
当たり前の鉄則だが、今のところ2016年のヒラリー陣営は
引き締め方が一層しっかりしているように見える。
ボランティアでもプレスに質問を受けたら、
記者の所属と名前を確認して
リーダーに報告するように教育されている。
それに対して、サンダース支持者は
サンダースの素晴らしさを
口泡飛ばして語るのは言うまでもないが、
ヒラリーへの不満や悪口もこれでもかと吐き出す。
自由だ。陣営がそれを制止する空気はない。
支持者が勝手にそうしているのだ。
組織が何かを統制できるような空気のキャンペーンではない。
この手の空気は大きなムーブメントを
社会運動として動かすときには欠かせないが、
参加者の気まぐれな好奇心の浮き沈みも激しい上に、
運動への参加にある種の「同床異夢」も付きまとう。
サンダース支持の理由を聞いても「気候変動」
「格差是正」「移民制度改革」などバラバラだ。
それぞれが単一争点に関心のある「イシューボーター」であり、
「民主党の大統領を」という一体感はない。
この点が2008年のオバマ旋風との違いだ。
たしかにオバマも「アウトサイダー」が売りだった。
しかし、2期続いた共和党政権からホワイトハウスを奪還しよう、
アフリカ系初の大統領を出そう、という共通目的があった。
「サンダースはどの集会の演説でも
革命(Revolution)ばかり語り、
逆にヒラリーはどの集会の演説でも
選挙登録(Registration)ばかり語っている」と
民主党の地方幹部は皮肉を言う。
アメリカは選挙ごとに事前登録をしないと投票できない。
ヒラリーは「必ず投票のための登録に行ってくれ」と
民主党支持層への動員を重視して「呼びかけ」をし、
サンダースは権力奪取を目的にした選挙なのか、
キャンペーンを利用した社会運動なのか、
境界が曖昧なグレーゾーンの中で叫び続ける。

RevolutionとRegistration。
陣営のマインドを支配する2つの「R」は、
両者のキャンペーンの姿勢の違いを如実に表している。

クリントン夫妻の「神話」への挑戦
たしかにニューハンプシャー州はサンダース氏の地盤
バーモント州に近く、サンダースに有利だった。
だが、ヒラリーにとっても
ニューハンプシャー州は思い入れのある州だった。
1992年の大統領選挙で、夫のビル・クリントンは
アイオワでは3位と不振も、ニューハンプシャーで
ほぼ同着1位に近い2位に滑り込み、指名獲得の勢いを得た。
米メディアはこの見事な「復活」からクリントンに
「The Comeback Kid」(カムバック・キッド)
というニックネームを付けた。
また、2008年大統領選でヒラリーが初戦アイオワで
やはり3位の辛酸を舐めた後、
オバマを押さえ込んで
堂々1位で勝利したのもニューハンプシャーだった。
「アイオワで負けてニューハンプシャーでカムバックする」のは、
クリントン家のジンクスであり、ニューハンプシャーは
これまで、クリントン家にとって縁起のいい土地だった。
だからこそ、サンダース陣営は「カムバック」神話に挑戦して、
神話を書き換えることの
予備選全体への心理的効果にこだわった。
実質的にはニューハンプシャーを落としただけで、
ヒラリー陣営にとって、
今後のレースに致命的な悪影響を及ぼすことはない。
ネバダ州、サウスカロライナ州など、
ヒスパニック系、アフリカ系などヒラリー支持が勝る
票の支配的な州が続く。
ただ、ニューハンプシャー州での勝利は
サンダース旋風の本物度を世に示す結果となった。

そのサンダース旋風をどう理解したらいいか。
「鍵」を3つに絞れば、1つ目はニューハンプシャーと隣接する
マサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員、
2つ目はトランプ旋風との相互作用、
3つ目は「ウォール街を占拠せよ」運動だ。
次回以降に検討したい。

2016年01月25日(月) 2 3 4
現代ビジネス 渡辺将人(北海道大学) 賢者の知恵
2016大統領選「異変の構図」
予想を大きく裏切る事態
「トランプは指名は取れない。
一時のブーム。
2012年のミシェル・バックマンのように消えるはず」

2015年夏頃、筆者が面会した元オバマ陣営幹部は、
こう豪語していた。
また、共和党幹部も
「トランプには草の根組織がない」と切り捨てていた。
発言のトーンに差はあれど、共和党、民主党問わず、
アメリカの政治インサイダーに共通していたのは、
トランプ人気は一過性という見解だった。
しかし、彼ら政治インサイダーの顔つきは秋以降、
またたくまに険しくなって行った。

大統領選挙のキックオフとなるアイオワ党員集会
(2月1日)を目前にした今、トランプ人気は衰えていない。
アイオワ地元紙「デモインレジスター」の年明けの
同州世論調査では22%と2位になったものの、
テッド・クルーズ(25%)と僅差で支持率首位を争っている。

アメリカに何が起きているのか。
* * *
2016年大統領選の現時点での「異変」をひと言で表せば、
「本来は第3党候補的な人物が、
2大政党の候補として支持を集めている」という点にある。
たしかに、イスラム教徒の入国禁止やヒスパニック系移民への
厳しい措置など、ドナルド・トランプの歯に衣着せぬ放言に
注目が集まっている。
しかし、トランプのような型破りで過激な人物は、
過去のアメリカの選挙を振り返れば、
必ずしも珍しい存在ではなかった。

アラバマ州知事だったジョージ・ウォーレス
「今も人種隔離を、あすも人種隔離を、
永久に人種隔離を」と叫ぶ人種隔離主義者だった。
1968年の大統領選挙では、
公民権運動を支持し始めた民主党を離脱し、
アメリカ独立党の第3政党候補となった。

1992年と1996年の大統領選挙に共和党から出て、
後に独立系を標榜するようになったパット・ブキャナン
爆弾発言男として知られる。
反ユダヤ主義をにおわせるかのような危険な発言で批判されてきた。
何度も大統領選挙に出馬したリバタリアン(自由至上主義者)
ロン・ポールは、連邦準備制度の廃止や
大麻合法化まで主張している
(今回は息子のランド・ポールが立候補)。

ただ、いずれも2大政党内で大きな支持を得ることのない
第3党的な候補だ。
こうした人物が2大政党から出馬しても、
党内で首位の座は奪えない。
トランプも本来はそうした典型的な第3党的人物である。

トランプの確信犯的な「前科」
日本のメディアで脚光を浴びるのは初めてだが、
トランプの大統領選挙への色気は1988年に遡る。
2000年には改革党という第3政党から実際に短期間出馬した。
連日テレビに出演して、視聴率を獲得した。
その度にトランプの不動産事業の宣伝にもなった。
2004年、2012年にも「出馬するかも」騒ぎがあった。
「俺は大統領選挙に出馬を考えているんだ」
という意志を見せて、メディアに露出し尽くした挙げ句、
出なかったり、あるいは出ても
途中で離脱することを繰り返してきた、
ある種の確信犯的な「前科者」なのである。

選挙を趣味にしている金持ちの道楽か会社の宣伝目的、
というのがアメリカ政界やメディアでの過去のトランプ観で、
今回の2016年の出馬でも、
当初は政治の玄人筋は誰も真面目に相手にしなかった。

しかし、トランプは今回、
共和党の候補として立候補する道を選んだ。
ここが「異変」なのだ。これに過剰反応したのは、
共和党主流派のエスタブリッシュメントである。
アメリカは2大政党制だ。第3候補が出ると、
その候補がどちらか片方の票を奪い、
もう1つのほうが漁父の利を得るパターンが定式化してきた。
1992年には富豪のロス・ペローが出馬。
同じテキサスを地盤にする副大統領だった
ジョージ・H・W・ブッシュの票を共和党支持者から奪い、
19%近くを獲得。
民主党のクリントンは
過半数以下の43%の得票で勝利してしまった。

2000年には消費者活動家のラルフ・ネーダー
緑の党から出馬。
民主支持層の若年層やリベラル派の票を吸い取り、
副大統領アル・ゴアが敗北。
息子ブッシュ政権誕生の原因となった。

共和党のトランプ取り込み作戦
このトラウマ的な経緯は、両党と有権者の
マインドに多大な影響を与えている。
共和党は第3候補を保守側から出さないことを
2016年のホワイトハウス奪還作戦の第1目標に据えた。
トランプが第3候補として出れば、共和党を害する。
そこでトランプが
「こんな窮屈な共和党なんか」
と暴れて飛び出さないように配慮した。

トランプに激しい攻撃や苛めをせずに、
優しくして取り込んでおく戦略を採用した。
討論会でも平等に扱い、
トランプをあえてのけ者にする行為も控えた。

トランプは医療保険改革を支持したり、
保護貿易的であったり、
むしろ民主党白人ブルーカラー層に受ける素地があり、
アメリカ的な意味で本当に
「保守」なのかは疑問符が付くのだが、
その点をほじくることも当初は控えられた。

共和党主流派には、
さらにあるトラウマがあったからだ。
初期のティーパーティ運動を主導したロン・ポールが、
2008年大統領選でイラク戦争に反対を掲げ、
ネオコンとブッシュ大統領批判を強めたため、
同年の共和党大会からは閉め出された。
すると立ち入り禁止にされたことで、
余計にポール支持運動が激化し、
共和党改革運動に転化した。
ポール支持者は別の「もう1つの」党大会を
正式な共和党大会と同じ都市で開催。
息子ブッシュ路線を受け継ぐ
マケインの落選運動に火がついた。
漁父の利を得たのはオバマだった。
2012年にも共和党大会本番で、
代議員の一部がミット・ロムニーではなく
ポールに投票する「反乱」があった。
共和党エスタブリッシュメントは、
こうした内乱が起こるたびに、
党内がまとまっていることを
メディア向けに演出するのに躍起だった。
「共和党を内部から崩壊させる危険人物を封じ込めるべし。
トランプのロス・ペロー化、ロン・ポール化を阻止する」
これが共和党の第1の狙いだった。
しかし、封じ込めようとして党内に抱え込んでいるうちに、
トランプはランド・ポール支持層の
リバタリアンなども味方につけ、
党内の世論調査で首位に躍り出てしまった。
大きな誤算だったと共和党関係者はうなだれている。

民主党も同じジレンマに
民主党側も事情は同じだ。
社会民主主義者を自称する
バーニー・サンダースヒラリー・クリントンに肉薄している。
サンダースは自らを「民主党員」とは明確に名乗ったことがない。
連邦議会上院での区分も民主党寄りながら
「インデペンデント」という独立会派だ。
本来ならばネーダーと同じように
第3候補として出るような「一匹狼」の男である。
その思想はアメリカの平均的な民主党リベラル派と比べても
かなり極端な左寄りであり、
ある意味ではアナキズムに近い色彩も皆無ではない。
そのため、民主党リベラル派であれば
概ね賛成している銃規制にも反対している。
民主党から出馬することすら許されない存在だが、
2000年のネーダー現象で落選したゴアの亡霊が漂う民主党では、
リベラル側から第3候補を出さないことが至上命題となり、
サンダースを受け入れた。
だからこそヒラリーはサンダースと距離をとり、
誰が正統派の「民主党」なのかを強調して牽制してきた。
しかし、若い有権者がサンダース運動に飛びついた。
彼らは古い意味での「民主党」ではないものを試したがっている。
しかも、オバマよりもっとリベラルな存在を。

合い言葉は「革命」

2015年夏にサンダース陣営に密着した筆者は、
多い日で1日に3回も同じサンダースの演説を聞かされたが、
サンダースのほとばしるエネルギーには驚かされた。
大きな手で力強い握手をする。
いつ寝ているのかという元気ぶりで、
演説中も水も飲まずに怒鳴り続ける。
支持者の熱狂ぶりはロックコンサートのようで、
あるサンダース集会ではお揃いの「革命」Tシャツを来た夫婦が、
演説中に抱きしめ合ったまま感極まって泣き出した。
筆者には既視感があった。
2008年のオバマ選挙とも少し違う。
むしろ、2012年に密着した
ロン・ポール陣営の支持者とそっくりの空気なのだ。
「革命 Revolution」をスローガンにしたキャンペーンにしても、
若者が高齢候補者を支持している構図もそっくりだ。
サンダースの事務所は
ヒッピーの集会場のような空気に包まれている。
Tシャツ姿の中年男性がハーモニカとギターを演奏する横で、
星条旗のバンダナをした女性が太鼓を叩く。
事務所の壁には
「革命に参加せよ(Join The Revolution)」と掲げられ、
インフラ再建、気候変動、労働者共同体設立、
貿易組合運動育成、最低賃金引き上げ、男女平等賃金、
アメリカ人労働者のための通商政策(TPP反対)、
公立大無料化、反ウォール街、医療保険、
税制改革などを主要政策と謳う。
一にも二にも、反エスタブリッシュメント、
反格差で、筋は通っている。
そのためには、中国もスケープゴートになる。
「アメリカ企業は国内に投資すべきで、
中国に投資すべきではない」
「中国の受刑者数より、
今やアメリカの受刑者数が上回った」など、
適宜中国批判を滲ませる。
ちなみに日本の左派とアメリカのリベラルは似て非なるものだが、
大きな違いの1つに中国への姿勢がある。
アメリカの筋金入りの対中強硬派は、
親自由貿易で現実的な共和党ではなく、
実は民主党リベラル派に多い。
人権派、環境派、保護貿易派による
対中強硬路線はなかなか根深い。

党内「内戦」のゆくえ
筆者は2015年8月の現地調査中に
アイオワ州のカーニバル「ステート・フェア」で、
遊説中のトランプにも出くわしたが、
ゴルフカートで移動しながら人々に愛想を振りまいていた。
苦手の握手にも慣れてきたようだった。
トランプは数々の奇癖で有名だが、潔癖性で知られる。
ある共和党幹部は「トランプは外に長くいない。
いったんすぐ最寄りのトランプタワーに帰る」と言う。
自社のヘリコプターで移動するのもそのためだ。
諸説あるのだが、トランプタワー以外、
あるいはトランプが許容するホテルなどの一部の施設以外で、
化粧室に行くのを拒んでいるのではないかとの説がある。
セキュリティ目的ではなく、潔癖なので
自分以外の人間が使用するトレイを
共有したくないのではないかと。
悪い冗談のような噂だが、それが真実味を帯びてしまうのが
トランプらしい。
これではトランプタワーがない国には大統領として
外遊にも行けないことになるが、
いっそ訪問先に
トランプタワーを作ってしまえばいいとトランプなら言うのだろう。
既存のワシントンの利権にまみれた政治家、
あるいは職業政治家に飽き飽きしているものの、
第3党候補は結局は勝てないし、
へたをすれば自分の支持政党を傷つける……。
そんな積み重なるフラストレーションを感じていた有権者にとって、
第3党的候補があえて民主党、
共和党内で立候補するという展開は、
適度な現実感(2大政党内で出馬)と
アウトサイダー感
(実は第3軸候補)の絶妙のマッチングを満たしたのである。
票の流出抑止とトレードオフに、
党内「内戦」を抱え込んだ2016年選挙の2大政党。
エスタブリッシュメント系候補は
どう巻き返すのか。次回以降検討する。
次回「アメリカ人にとって「大統領」とはいかなる存在か」はこちら
渡辺将人(わたなべ まさひと)
1975年東京生まれ。北海道大学大学院准教授。
シカゴ大学大学院国際関係論修士課程修了。
早稲田大学大学院政治学研究科にて博士(政治学)取得。
ジャニス・シャコウスキー米下院議員事務所、
ヒラリー・クリントン上院選本部を経て、テレビ東京入社。
「ワールドビジネスサテライト」、政治部記者として
総理官邸・外務省担当、野党キャップ。
コロンビア大学、ジョージワシントン大学客員研究員を経て現職。
見えないアメリカ』(講談社現代新書)、
現代アメリカ選挙の変貌』(名古屋大学出版会)、
アメリカ西漸史』(東洋書林)など著書訳書多数。


Meet Hope Hicks: the woman 

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