慰安婦問題について、いろんな報道: 北朝鮮制裁決議案、2日に全会一致で採択へ。中国、北朝鮮の石炭輸入停止 制裁に「抜け道」指摘も。【対北制裁】「いつも人の物もらい…」中国空軍少将が異例の北朝鮮公然批判「対中態度許せない」。北朝鮮への制裁決議案 国連安保理が採決へ。日本人経営海運、「子会社」認定 制裁逃れ巧妙化 国連報告書。3月の朝鮮半島は一触即発! 「制裁決議案」採択後、金正恩の報復がはじまる。その他関連。

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2016年3月2日水曜日

北朝鮮制裁決議案、2日に全会一致で採択へ。中国、北朝鮮の石炭輸入停止 制裁に「抜け道」指摘も。【対北制裁】「いつも人の物もらい…」中国空軍少将が異例の北朝鮮公然批判「対中態度許せない」。北朝鮮への制裁決議案 国連安保理が採決へ。日本人経営海運、「子会社」認定 制裁逃れ巧妙化 国連報告書。3月の朝鮮半島は一触即発! 「制裁決議案」採択後、金正恩の報復がはじまる。その他関連。

12日、中国・杭州市の蝋人形館にある、
バラク・オバマ米大統領(奥)と
北朝鮮の金正恩第1書記の人形で
映画「タイタニック」の有名なシーンを再現した展示。
米国内ではオバマ氏の対北朝鮮
「戦略的忍耐」政策に対する
批判が起きている(AP)

北朝鮮による核実験や事実上のミサイル発射を受けた
制裁決議案は、一部に修正が加えられたうえ、
2日に全会一致で採択される見通しとなりました。

 先週、安保理に提示された北朝鮮に対する制裁決議案。
アメリカの要請で1日に採択されるとみられていましたが・・・。
 「安保理では月はじめの会合の後、
北朝鮮への制裁決議が採択されるとみられていましたが、
結局、実現しませんでした」(記者)
 アメリカと中国がようやく合意した決議案に、
唯一、モノを申したのが、ロシアです。
「検討に時間がかかる」と主張していましたが・・・。
 「ドキドキ感が必要でしょう?」(ロシア チュルキン国連大使)
 余裕のコメントを裏付けるように、JNNが入手した決議案には
ロシアが要求したとみられる複数の修正が加えられていました。
草案と最終案を比較すると、全面的に禁止された
北朝鮮への航空燃料の供給について、
北朝鮮国外では民間航空機への燃料供給を認めたうえ、
北朝鮮の武器輸出を担っているとされる
会社のロシア駐在の幹部が制裁対象から外されています。
 「小さい技術的な修正があっただけです」(吉川元偉国連大使)
 修正は米中中心の交渉に不満を持った
ロシアのメンツを立てた形で、制裁への影響は小さいとみられ、
安保理はおよそ2か月にわたる駆け引きを経て、
2日に全会一致で決議案を採択する見通しです。

【丹東(中国東北部)=永井央紀】
中国は1日から石炭を含む
北朝鮮産の鉱物資源の輸入禁止に着手した。
一部の港湾当局などが貿易関係者に通知した。
1月に核実験を強行した北朝鮮に対する
国連安全保障理事会の制裁決議案が含む内容で、
採択に先だって発動を開始した格好だ。
北朝鮮にとって貴重な外貨獲得手段だった
石炭貿易を遮断することで核開発を抑制する狙い。
だが「抜け道」が残されているとの指摘もあり、
制裁の実効性には不透明感も漂う。

中朝国境地帯で最大の都市である丹東の貿易関係者が
「港湾当局から輸入を禁止すると通知があった」と明らかにした。
 石炭を北朝鮮から中国に運ぶ手段は主に船舶とトラックだ。
丹東と北朝鮮の新義州を結ぶ中朝友誼橋の
中国側のたもとにある税関では
1日午前に約70台の車両が北朝鮮から入国したが、
石炭とみられる積み荷は1台も確認できなかった。
 前日の2月29日には2倍の130台の車両が税関を通過し、
複数のトラックの荷台に
鉱物が積まれているのが目視で確認できた。
税関関係者は「翌日からの禁輸措置をふまえて
多くの人が駆け込むように運び込んだようだ」と語った。
29日の中朝友誼橋ではトラックによる渋滞も発生した。
鉱物は北朝鮮の主要な輸出品で、
中国への輸出金額は石炭だけで年間10億ドル
(約1130億円)を超える。
貿易で稼いだ外貨が
核・ミサイル開発に回されているとの指摘が多く、
米中両国は今回の制裁決議案の目玉の一つとして
輸入禁止措置を盛り込んだ。
中国は国連安保理が1日午後(日本時間2日午前)に
決議案を採択する見通しであることを踏まえ、
禁輸に踏み切ったもようだ。
 ただ、貿易関係者によると
輸入禁止の通知が来たのは丹東港だけで
「山東省や河北省などの石炭貿易港からは
連絡がないので通常通り運べるようだ」という。
1日段階では全面的な禁輸ではなく、
一部の港などにおける限定的な措置にとどまっているもようだ。
だが、安保理で決議案が採択されれば、
禁輸の対象となる中国の港などが増えていくとみられている。
 安保理の制裁決議案では石炭禁輸に
「生計用を除く」との条件がついている。
何が生計用にあたるかは不明確で、
中国など輸入国側に解釈の裁量が委ねられた面がある。
外交筋の間では
「抜け道」として使われかねないとの指摘もある。
 北朝鮮に対する制裁をめぐっては、
中国の四大銀行の一つである
中国工商銀行の丹東支店が2015年末に
北朝鮮の企業などへの送金業務全般や口座開設を停止した。
13年の3回目の核実験後からとっていた措置を
銀行独自の判断で強めたとされる。
ただ、丹東の地元関係者によると
北朝鮮の貿易業者は
「銀行取引はできなくなったが
現金決済などで貿易は続けている」と語っている。
 国連安保理で採択される制裁決議が
実効性を持つかどうかは、北朝鮮の対外貿易の
約9割を占める中国の対応次第となる。
中国は東アジアに緊張をもたらす北朝鮮の
核・ミサイル開発に強く反対しながらも、
北朝鮮の市民生活に影響が出るような制裁には
反対の立場を崩していない。
体制が混乱すれば難民が
国境地帯に押し寄せると懸念するからだ。
北朝鮮の体制維持を望む中国が、
制裁をどう履行するかに国際社会の注目が集まる。

2016.3.1 17:30 【対北制裁】産経ニュース
 中国国防大学の喬良教授(空軍少将)は1日までに、
北朝鮮が経済援助を受けながら中国の意向を無視して
核実験を実施したことを念頭に
「今の中国に対する北朝鮮の態度は
絶対に容認できない」と批判した。
香港誌のインタビューで述べた。
中国軍幹部が公然と北朝鮮を批判するのは異例。
 喬氏は、中国が長年、
北朝鮮を援助してきたとした上で
「いつも人の物をもらい、人の物を食べているのに、
人が嫌がることをして不快にさせてはいけない。
そんなことは許されない」
と核実験に対するいらだちをあらわにした。
 また米国が北朝鮮の体制の安全を保証しない限り、
北朝鮮は核開発を続けるとして
「平和への鍵を握っているのは米国だ」と指摘した。(共同)

 核実験などを行った北朝鮮への制裁決議案について、
国連の安全保障理事会は日本時間2日未明にも採決する方針。
 国連安保理の制裁決議案をめぐっては、
先週、アメリカが提示した案に
ロシアが慎重姿勢を示し協議が続いていた。
複数の国連関係者によると、決議案を作成したアメリカが
日本時間2日午前5時に安保理を開き採決する方針を
各国に伝えたという。決議案は採択される見通し。
 決議案は、北朝鮮への航空燃料の輸出禁止など
これまでの制裁決議よりも厳しい内容になっている。

毎日新聞 2016年3月1日 東京夕刊
【ニューヨーク草野和彦】国連安全保障理事会決議による
対北朝鮮制裁の履行状況を監視する専門家パネルの
最新報告書が29日、公表された。
制裁対象になっている北朝鮮最大規模の海運会社の
事実上の子会社として、日本人が代表を務める
香港の会社が活動していると認定。
北朝鮮が制裁逃れを巧妙化させて
アフリカ諸国などと武器関連取引を継続し、
「制裁の効果に深刻な疑問がある」と指摘した。
 北朝鮮の海運会社
オーシャン・マリタイム・マネジメント・カンパニー
(OMM、本社・平壌)は、管理する船舶が
キューバから大量の武器を運んだことが発覚し、
2014年7月、船舶を含む資産凍結の制裁対象になった。
子会社と指摘された香港の会社は、
日本人男性(65)が07年に設立。
男性は他に八つの海運会社を経営し、
北朝鮮乗組員を使った船舶を運航している。
男性の会社との取引は
制裁逃れに手を貸すことになるとして、
報告書は注意を呼びかけた。
 また、北朝鮮の主要な武器取引業者で
12年5月に制裁対象となった青松連合は、
オーストリアの男性を代理人として
軍事用パトロール艇の部品を購入し、
アンゴラに販売。
青松連合の代表は
当時、アンゴラの北朝鮮大使館職員として
この取引を仕切っていた。
 同様に制裁対象の
朝鮮鉱業開発貿易会社(KOMID)
昨年初めまで、ナミビアでの
武器弾薬工場建設などを通じて取引を継続。
決議違反行為だが、報告書によると、決議が禁じるのは
「北朝鮮から直接、武器や関連物資を調達すること」
と解釈する加盟国もある。
こうした「理解欠如」なども制裁不履行の背景にあるとした。
 さらに、北朝鮮が外国の商業製品を購入し、
軍事転用する能力を向上させていると指摘した。

2016年02月29日 月 2 3 4 5
中国が主導した「北朝鮮制裁決議案」
「外交文書の作成というのも、
一つの芸術作品のようなものだと、今回改めて実感したよ。
まさに習近平主席がよく口にする
『山あり谷ありの荒野の中の細道を突き進む』作業だった。
だが今回は、アメリカが予想以上におとなしく、
表向きはアメリカの顔を立てたものの、
実際には終始、中国が主導する形で進めることができた」
こう明かすのは、中国の外交関係者だ。
1月6日に北朝鮮が4度目の核実験を、
2月7日には衛星『光明星4号』発射という名の
長距離弾道ミサイル実験を強行した。
それに対して、2月25日になってようやく、
アメリカが国連安全保障理事会に、
新たな北朝鮮制裁決議案を提出した。
その骨子は、以下の6点だった。

①北朝鮮に対する航空機やロケット用燃料の提供禁止
②北朝鮮からの石炭や鉄鉱石、レアアースなどの輸入禁止。
ただし国民生活に影響が及ばない範囲とする
③北朝鮮に出入港する貨物船に対する検査の義務化
④北朝鮮に対する兵器の輸出禁止
⑤北朝鮮の原子力工業省(核開発部署)と国家宇宙開発局
(ミサイル開発担当部署)など12団体、
17個人を新たに渡航禁止と資産凍結
⑥北朝鮮の銀行の新規の支店開設禁止

2月25日、ニューヨークの国連本部で会見を開いた
パワー米国連大使は、「過去20年以上のうちで
今回が一番強力な対北朝鮮制裁となる」
と自信に満ちた口調で語った。
だが、冒頭の中国外交関係者によれば、
事情は少し違ったという。
「当初のアメリカ案は、もっとレベルの高い強硬なもので、
それをそのまま実施したら、
金正恩政権の転覆に直結すると思われた。
金正恩第一書記の性格から言って、
その前に暴発するだろう。
中国としては、いまはそれを望んでいない。
そこでわれわれは、『金正恩政権の封じ込め』ではなくて、
『核とミサイル開発の封じ込め』に徹するよう
アメリカに修正を求めたのだ。
シリアの停戦問題で頭が一杯だったアメリカは、
最後は、『北朝鮮のことは中国に任せよう』と言って、
中国側が示した方針を容認する形となった」

北朝鮮の暴発リスクを軽減しつつ、ロシアにも配慮
この新たな制裁案について、
もう少し具体的に見ていこう。
まず、①の燃料の供給停止によって当面困るのは、
北朝鮮の国有航空会社、高麗航空である。
高麗航空は、北京と平壌間を月火木金土の週5回、
瀋陽と平壌間を水土の週2回往復している。
これらがストップすることになるだろう。
その際には、中国国際航空や中国東方航空などが、
平壌便を肩代わりすることになるのではないか。
そうなると、中朝の二国間問題だから、
北朝鮮が中国に恭順の意を示せば、
北朝鮮客は無料か大幅割引するなどして、
便宜を図ってやることができる。

②の禁輸措置は、上記の6点の中で、
私が中国外交に最も感心した点である。
もともと北朝鮮で石炭や鉄鉱石などの開発を始めたのは、
中国企業だった。
今世紀に入って、石炭や鉄鋼バブルに沸いた中国が、
安くて質のいい北朝鮮産鉱物に目をつけたのだ。
それに、外貨獲得を狙う金正日総書記と
張成沢党行政部長が乗った
(どちらもいまは亡きツートップだ)。
ところがここ数年、中国は国内の生産過剰に悩まされたことと、
契約上のトラブルなどから、ほとんどの中国企業が、
北朝鮮の石炭及び鉄鋼事業から撤退した。
だが北朝鮮側は、無理やり安くて質の高い鉱物を
中国市場に出してくるので、困っていたのだ。
だから今回、渡りに船とばかりに、
北朝鮮産鉱物が
中国市場に出回るのを抑え込んでしまったというわけである。
「ただし国民生活に影響が及ばない範囲とする」と、
もったいを付けたのは、二つの意味がある。
一つは北朝鮮に対して、
「これは中国の国益を優先させた勝手な行為ではなくて、
あくまでも制裁の一環として行うものだ」と示すことである。
その言外には、北朝鮮の今後の出方次第で、
中国が北朝鮮国民の生活を向上させるために
インフラ整備を施すことを示唆している。
そうすることで、北朝鮮が怒りに任せて
暴発するリスクを軽減させているのである。
もう一つの意味は、ロシアへの配慮である。
北朝鮮での石炭及び鉄鋼事業から中国が撤退した後、
それを引き取ったのはロシアだったからだ。
2011年8月、金正日総書記は最後のロシア訪問で、
メドベージェフ大統領と一つの合意に達した。
それは、北朝鮮が抱えているロシアに対する
累計110億ドルあまりの債務の9割を免除し、
残りの1割を「現物支給」で受け取るというものだった。
それが石炭及び鉄鋼事業だったのである。
ロシアからすれば、自国の極東地域のインフラ整備を行うには、
安い北朝鮮産を使うのが、最も手っ取り早かった。
加えて、中国を牽制するために、
背後の北朝鮮を取り込もうとしたのだった。
このロ朝間の合意は、
2014年4月にロシア国会が批准し、確定している。
それが今回、ウクライナやシリア問題を巡って
ロシアと敵対するアメリカの思惑も重なって
(つまり中国がアメリカに貸しを作って)、
ロシアが割を喰うような決議案を作ってしまったのである。
今回の合意案作りは、完全に米中2ヵ国だけで行われ、
6ヵ国協議のメンバーである日本、韓国、ロシアは外された。
そこで中国としてはロシアに対して、
「アメリカがものすごく強引だったが、中国の尽力で何とか、
『ただし国民生活に影響が及ばない範囲とする』
という一文を入れて、
ロシアが完全に割を喰わないように
配慮した」と言い訳したというわけだ。
だが2月25日に決議案を見せられたロシアは、蒼くなった。
ロシアからすれば、「ふざけるな!」という案文である。
そこで、「持ち帰って詳細に検討する時間が必要だ」
として、即決に難色を示したのである。

外貨獲得にストップをかけようとしたアメリカ
続いて、③の北朝鮮に出入りする貨物船に対する
検査の義務化、及び④の兵器輸出禁止は、
中国にとっては痛くもかゆくもない。
そもそも北朝鮮に対する武器輸出は行っていないからだ。
胡錦濤・金正日の「中朝蜜月時代」には、
瀋陽軍区(現在の東部戦区)で北朝鮮空軍のパイロットを
訓練させてやっていたが、習近平・金正恩の
「中朝冷戦時代」になって、それもなくなった。
今回、検査を厳しくすることで、中国としてはむしろ、
麻薬だの偽札だのといった
物騒なものが入国するのを防ぐ手立てにもなる。
最後の⑤と⑥、いわゆる金融制裁に関しては、
前述の中国外交関係者の話を聞こう。

「アメリカは当初、北朝鮮企業及び個人の銀行口座凍結や、
北朝鮮労働者の海外での雇用禁止といった
強力な内容を求めてきた。
アメリカの『成功体験』は、2005年9月に米財務省が、
マカオのバンコ・デルタ・アジアにあった
金正日総書記の隠し資産
52口座2,500万ドルを凍結したことだった。
それによって北朝鮮はパニックに陥り、
同時期に北朝鮮が
6ヵ国協議で保証した核凍結合意も反故にしてしまった。
アメリカは今回それを、大幅に拡大しようとしたのだ。
また、昨今の北朝鮮最大の『輸出品』である
労働者を帰還させることで、
外貨獲得にストップをかけようとした。
だが銀行口座の凍結や労働者の帰還を強制すれば、
金正恩政権の転覆に直結することになり、
金正恩第一書記の暴発を招いて、
北東アジアが大混乱に陥る。
そこで、『核とミサイル開発の封じ込め』
に徹するよう押し戻した」
アメリカのケリー国務長官と中国の王毅外相は、
1月27日に北京で、2月12日にミュンヘンで、
そして2月23日にはワシントンでと、
計3度にわたって米中外相会談を開き、
対北朝鮮制裁の詳細を詰めたのだった。
これは換言すれば、アメリカ側の素案を100とすれば、
それを90、80・・・と引き下げる作業だったのである。
前回2013年3月の時と異なり、
ここまで時間がかかったのは、
現在の米中が微妙な関係にあるからに他ならない。

「米中関係指数」は下降トレンドにある
1979年の国交正常化から現在までの米中関係は、
極めて複雑な大国関係である。
あまりに複雑かつ時々刻々変化していくので、
分析するのは容易ではない。
そこで私は、まずざっくりと、ベクトルで見るようにしている。
つまりその時々の米中関係が、良好の方向に向かっているか、
悪化の方向に向かっているかという「波動」を見るのである。
いわば株価の変動のような
大まかなバイオリズムを捉えるのだ。
その点、現在の「米中関係指数」は、
明らかに下降トレンドにある。
原因は、先週のこのコラム
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47993)で記したように、
アメリカの韓国へのTHAAD
(終末高高度防衛ミサイル)配備計画と、
南シナ海における米中の攻防である。
アメリカも中国も、今回の北朝鮮の「暴発」を、
朝鮮半島北側の局所的なものではなく、
もっとグローバルな問題と捉えている。
つまり、「第一列島線」と呼ばれる
カムチャッカ半島から、日本列島、台湾、フィリピン、
大スンダ列島へと下る南北のラインを、
アメリカが死守するか、それとも中国が奪還するか、
という攻防の一環として捉えているのだ。
米中は、あたかも西太平洋という
「碁盤」で碁を指している敵対手のようなものだ。
中国は南シナ海の岩礁埋め立てという「布石」を打った。
それに対してアメ リカは、「航行の自由作戦」を展開し、
「止め石」を打つと同時に、北側にTHAAD配備という
大きな「布石」を打とうとしている。
今回の制裁案を受けて、日本のある防衛関係者に、
こうした視点から聞いてみたところ、次のように述べた。
「アメリカ軍からすれば、北朝鮮はいわば街のチンピラで、
中国は広域暴力団のようなもの。
片やドスを振り回し、片や大量の拳銃を所持している。
規模の大小はあっても、どちらも脅威だ。
そこでチンピラを取り締まると同時に、
広域暴力団も取り締まろうというわけだ。
その意味で、THAADが北朝鮮対策ではなくて
中国対策だという中国の主張は、外れていない。
東シナ海でアメリカ軍が一番注視しているのは、
人民解放軍の北部艦隊の本拠地である青島軍港と、
新たな国産空母を建造中の大連軍港だ。
THAADを配備することは、
この二つの軍港に対する強力な抑止力となる。
アメリカは、今回の北朝鮮の核実験を口実に、
F22ステルス戦闘機を14機も、横田基地に配備した。
北朝鮮への抑止力だけが目的なら、数機で済むはずだ。
これが、青島軍港や大連軍港、
南シナ海の偵察目的であることは、言わずもがなだ」
こうしたアメリカ軍の動きは、
中国側ももちろん、重々承知している。
だから今回は、アメリカ側の強硬な北朝鮮制裁案に、
おいそれと乗るわけにはいかなかったのである。
匕首は北朝鮮を向いていながら、同時に中国をも向いていたため、
その匕首の先を曲げて、北朝鮮にだけ向くようにしたというわけだ。

北朝鮮はどのような「報復」に出るか
ともあれ、今週中にも国連安保理で、計5回目となる
新たな北朝鮮制裁決議案が採択される見込みとなった。
今後の焦点は、
北朝鮮がどのような「報復措置」に出るかである。
北朝鮮が報復行為に出た場合、
最も直接的な被害を受ける周辺国は、言うまでもなく
38度線で対峙する韓国である。
韓国はその防衛策として、3月7日から4月30日まで、
アメリカ軍と組んで、
史上最大規模の米韓合同軍事演習を行う予定だ。
そこには、そのまま北朝鮮に送り込める
特殊部隊の訓練も含まれる。
その辺りの事情を、韓国政府関係者に聞くと、
次のように答えた。
「朴槿恵大統領は今回、
開城工業団地からの撤退という決断を下した。
2000年6月の歴史的な南北首脳会談の成果である
この事業から撤退するというのは、
あれほど南北関係が悪化していた
李明博政権も行わなかった大変重い決断だ。
その理由として表向きは、
『核ミサイル開発に転用される外貨を
北朝鮮に渡すことはできないから』と説明している。
ところが本当の理由は、開城駐在の大量の韓国人が、
そのまま北朝鮮の人質となることを恐れたからなのだ」
北朝鮮が長距離弾道ミサイル実験を強行した
3日後の2月10日、洪容杓(ホン・ヨンピョ)統一部長官が
突如、開城工業団地の全面的中断を発表した。
その際、洪長官は次のように説明した。
「いままで開城工業団地を通じて、
北側に6,160億ウォンの現金が渡り、
昨年だけで1,320億ウォンが渡った。
また、韓国政府と民間企業合わせて
計1兆190億ウォンの投資が行われた。
だがこれらの資金は、北側の核兵器と
長距離ミサイルを高度化するのに転用されたため、
撤退せざるを得ない。
開城工業団地の全面的中断は、
毎年1億ドルに上る
これらの資金源を遮断する効果がある」
この洪長官の発表を受けて、直ちに韓国企業の撤退が始まり、
翌11日までに、開城にいた
韓国人280人が全員、韓国側に戻った。
同日、北朝鮮の祖国平和統一委員会は声明を発表し、
韓国の入居企業124社の全資産を凍結し、
開城市人民委員会の管理下に置くとした。
今後は軍事基地にするという。

韓国政府関係者が続ける。
「昨年末の12月30日、北朝鮮は、
長年韓国担当の書記だった金養建統一戦線部長が、
前日の早朝に交通事故で死去したと発表した。
金養建は開城工業団地の北朝鮮側の責任者でもあり、
決して有能とは言えないが、話の分かる人物だった。
おそらく金正恩は、こうなる展開を見越して、
金養建を殺してしまったのだろう。
あるいは金養建が、
このような展開に異議を唱えて殺されたかだ。
われわれとしては金養建が粛清された時点で、
開城工業団地が閉鎖に遭うかもしれないと覚悟していた。
今後、朴槿恵政権としては、この124社への
多額の補償問題などを抱えるが、
それでも北朝鮮に大量の『人間の盾』を取られるよりは、
ずっとマシだ。
そんなことになったら、4月の総選挙はもたないし、
朴槿恵政権崩壊の危機となる」

米韓合同軍事演習 vs 北朝鮮サイバーテロ部隊
韓国では、近く北朝鮮からの「報復攻撃」があると見て、
最大限の警戒を敷いている。
韓国が警戒しているのは、主に次の4点だ。

①延辺島を始めとする西海(黄海)5島への砲撃
②東海(日本海)を南下して、
江原道への工作員の上陸及びテロ
③38度線の板門店付近への陸上攻撃。
特に接収した開城工業団地からの砲撃
④ソウルや釜山など、大都市へのサイバーテロ

このうち、私は個人的に最も可能性が高いのは、
④のサイバーテロだと見ている。
それは次の4つの理由による。
第一に、北朝鮮のサイバーテロ部隊(偵察総局)は、
金正恩第一書記自身が2009年に創設した部隊だからだ。
第二に、米韓軍と圧倒的な力の差がある
陸海空の伝統的戦力と比較すると、
相対的に戦力の差が少ない。
第三に、2011年4月に韓国の農協のサーバーを襲撃して以来、
北朝鮮のサイバーテロは何度も成功体験がある。
そして第四に、犯人が特定されにくいため、
米韓軍の報復を受けにくいからである。
韓国政府の調査によれば、北朝鮮のサイバーテロ部隊は、
全国の小学生の中から理系の天才児をピックアップして、
平壌の金星中学校に集め、徹底したコンピュータ教育を施す。
その中から厳選して、朝鮮人民軍総参謀部傘下の
自動化大学(美林大学)でハッカーの英才教育を受けさせ、
偵察総局に送り込むというわけだ。
サイバーテロ部隊は、
すでに1000人以上の規模に膨れ上がっているという。
ともあれ、国連安保理の北朝鮮制裁決議を受けて、
実戦さながらの米韓合同軍事演習と、
北朝鮮精鋭のサイバーテロ部隊が対峙する。
3月の朝鮮半島は、一触即発の事態を迎える。

2016年02月29日(月) 
米国のサマンサ・パワー国連大使
航空燃料輸出禁止など柱 北制裁決議案提出 TV Nippon News

北朝鮮を出入りする全貨物の検査の義務化や
北朝鮮産の石炭などの輸入禁止など、
過去最も厳しい措置を盛り込んでいる。
採択されれば、核・ミサイル関連物資・資金の流入を阻止し、
金正恩政権による
大量破壊兵器の開発を遅らせる効果などが期待される。
北朝鮮に隣接する各国の思惑を探った。

 ●韓国は評価
 聯合ニュースによると、韓国外務省の当局者は
26日、「前例のない強力で包括的な制裁だ」とし、
「決議が履行されれば北朝鮮の核開発は困難になる」と指摘。
韓国メディアも
「北朝鮮を“封鎖”する事実上の禁輸措置だ」
(文化日報)などと評価している。
 同決議案の特徴は国連加盟国に対し、
自国の空港や港などを通る北朝鮮がらみの
全貨物の検査を義務づけた点だ。
従来は禁輸物資を積載した疑いのある船舶が検査対象だった。
 また、航空機・ロケット燃料の北朝鮮への輸出を禁止した。
北朝鮮の軍用機の運用や
ミサイル発射に影響を与えるとみられている。
 石炭や鉄鉱石などの北朝鮮産鉱物資源の
輸入禁止も初めての措置だ。
特に石炭は北朝鮮の対中輸出額(昨年)の4割を超える。
「北朝鮮の外貨収入に相当な支障を来す」
(韓国統一省)と見込まれている。

 ●中国「核に限定すべき」
 中国外務省の洪磊報道官は26日の定例会見で、
北朝鮮に対する制裁決議案について、
「中国は制裁が北朝鮮による
核・ミサイル開発能力の抑止に着眼すべきだと考えている」と述べ、
対北支援の継続に含みを持たせた。
 中国は決議案に盛り込まれた北朝鮮からの石炭輸入を、
3月から停止する方針とされる。
しかし、洪報道官は「制裁は明確な方向性を備えるべきで、
北朝鮮の正常な国民生活に影響を与えるべきではない」と主張。
制裁の目的が核開発の抑止に限定されるべきとの考えを示した。
 中国の国際情報紙、環球時報は
26日付の社説で
「友好関係にある中国が
北朝鮮の核開発を尊重すべきだと願っているならば、
現実的ではない」と警告した。
核の矛先がいつ自国に向かわないともかぎらないという疑念が、
中国にはある
核開発の抑止という面では今回、中国は「本気」だ。
 ただ中国としては、北朝鮮を追い詰めることも避けたい。
社説は「北朝鮮は自己反省が必要だ」と迫る一方、
「米国、韓国、日本は、
中国が彼らの主導権に従うと期待すべきではない」とし、
経済や体制の崩壊を思い描く日米韓との距離を強調した。
 洪報道官は「中国は一貫して安保理決議を履行し、
国際的責務を引き受けてきた」と訴えたが、
中国はこれまで、結局は北朝鮮に手を差し伸べてきた。
強い制裁で「本気」を装いながら、
北朝鮮に態度の変化を促す意図がうかがえる。

 ●ロシアは慎重
 一方、ロシア外務省のザハロワ報道官は
25日、露側は制裁決議案を受け取ったばかりであり、
関係省庁間の調整を行うため
内容を精査する時間が必要との姿勢を示した。
ロシアの国連代表部幹部は、
決議採択は来週との見通しを示した。
 今回の決議案には北朝鮮産の鉱物資源の輸入を
禁止する項目が盛り込まれている。
ロシアは2014年、北朝鮮の鉄道網整備を請け負う代わりに
同国の鉱物資源を獲得する権限を得たとされており、
それが決議案に対する
ロシア側の姿勢を慎重にさせている可能性もありそうだ。
(ソウル 藤本欣也、北京 川越一、モスクワ 黒川信雄)

2016.2.26 08:54 産経ニュース
国連安保理に北朝鮮制裁案提出、
【ニューヨーク=松浦肇】米国は25日、核実験を実施した
北朝鮮に対する制裁決議案を
国連安全保障理事会(非公開)に提出した。
制裁案には北朝鮮に出入りする全ての貨物に対する
強制検査などを盛り込んだおり、米国のパワー国連大使は、
「過去20年間で最も強力な安保理制裁となる」と強調した。
 パワー国連大使が国連内で記者団に語ったところによると、
制裁案の中身は、北朝鮮に出入りする貨物検査の義務化、
小火器や通常兵器の北朝鮮への輸出禁止、
北朝鮮の銀行に対する金融制裁、
核やミサイルなどに利用される可能性がある
物資の取り引き禁止が柱になる。
北朝鮮に対する航空機燃料の輸出禁止や
北朝鮮からの鉱物資源の一部輸入禁止も求めた。
 北朝鮮は1月6日に4回目となる核実験を実施し、
2月7日には事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行した。
対応して、国連安全保障理事会は2月7日に緊急会合を開催し、
米中は水面下で制裁案を詰める交渉を進め、
ライス大統領補佐官と中国の王毅外相が24日に合意した。
 安保理では過去に4回、
北朝鮮に対する制裁決議が採択されてきた。
「今回の制裁案はかつてなく厳しい内容で、
核の拡散を認めないメッセージとなる」(パワー国連大使)といい、
米国は安保理の理事国に対して、
決議の早期採択に理解を求めている。
 今回の制裁案に関しては、北朝鮮との関係が深い
ロシアなどとも最終的な調整が行われている。
早ければ、来週にも安保理で公式会合が開かれ、
決議が採択される可能性がある。
【北朝鮮核実験】制裁案で米中が合意、近く安保理決議採択へ
米の北朝鮮制裁強化 中国の銀行も対象となる可能性


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