慰安婦問題について、いろんな報道: 唯一慰安婦記述の中学歴史教科書「学び舎」、 30校超で採択 灘中など大半が理由非公表。これは一体どこの国の教科書なのか …新参入『学び舎』歴史教科書、検定前“凄まじき中身”と“素性”。

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2016年3月19日土曜日

唯一慰安婦記述の中学歴史教科書「学び舎」、 30校超で採択 灘中など大半が理由非公表。これは一体どこの国の教科書なのか …新参入『学び舎』歴史教科書、検定前“凄まじき中身”と“素性”。

朝日新聞デジタル>2015年4月8日16時30分
届けたい、面白い歴史教科書 教員らの「学び舎」、検定合格
中学校教科書検定の結果が公開され、
慰安婦問題について記載された教科書(大西正純撮影)

2016.3.19 05:00 2 3 4 産経ニュース
唯一慰安婦記述の中学歴史教科書「学び舎」、
4月から全国の中学校で使用される歴史教科書のうち
唯一、慰安婦に関する記述を採用した「学び舎」(東京)の教科書が、
筑波大付属駒場中や灘中など最難関校と呼ばれる学校を含め、
少なくとも30以上の国立、私立中で採択されていたことが
18日、分かった。
国立と私立中では採択権が教育委員会ではなく学校長にあり、
関係法令に基づき採択理由を公表する努力義務もあるが、
取材した学校の大半が採択理由を非公表とした。

 同社の歴史教科書は平成16年度検定以降、
中学校教科書で各社が一切採用しなかった慰安婦に言及し
河野談話も取り上げた。
当初、申請した教科書では強制連行を
強くにじませながら大きく取り上げたが、
不合格とされた後、再申請の際に大幅に修正した。
南京事件では中国人の証言を採用するなど
手厚く記述する一方、北朝鮮による日本人拉致事件では
各社が特集などで記述を盛り込む中、
年表で「北朝鮮から拉致事件被害者の一部が帰国する」
とだけ記述している。
 文部科学省によると、同社の歴史教科書の採択数は
全国で約5700冊(占有率0・5%)。業界では
「参入組にとって障壁が特に高い教科書業界では異例の部数」
(教科書関係者)と受け止められ、「
執筆者らの人的ネットワークで採択が広がった」
(業界関係者)との見方もある。

 採択したのは少なくとも国立5校、私立30校以上。
国立は筑波大付属駒場中のほか、
東京学芸大付属世田谷中
▽同国際中等教育学校
▽東大付属中等教育学校
▽奈良教育大付属中。
私立では灘中、麻布中など。
採択理由について、奈良教育大付属中の担当者は、
「物語風に書かれ、内容も詳しい。
慰安婦の記述などで話題になったが、
検定を通っており、
許容される内容だと考える」としている。
 一方、義務教育の教科書を配布するための
教科書無償措置法では、採択理由を公表する努力義務が
市町村教委や都道府県教委と同様に
国立中や私立中の校長にもあるが、
奈良教育大付属中以外は「取材を受けない」などと回答。
私立では灘中が「検定を通っている教科書であり、
理由を公表する必要はないと考えている」。
麻布中は「回答を控える」とした上で
「慰安婦の記述で選んだということは全くない」とした。
 学び舎は産経新聞の取材に対し、
「難関校を対象とした編集方針はまったくありません」とし、
教科書の執筆者と採択校との関係についても
「執筆者の個人情報に関することはお答えできません」と回答した。
執筆者の中には、安保法制の廃止を求める
声明を出すなどしている「歴史教育者協議会
(東京)に所属する元教師らもいるとされる。

 ■学び舎 平成28年度から中学で使用される教科書
「ともに学ぶ人間の歴史」の発行会社。
26年度の中学校教科書検定から参入した。
当初、申請した教科書がいったん不合格とされた後、
大幅に修正して再申請し合格した。
「つづきを読んでみたくなる」教科書を目指すとして、
全国の現職や元職の教員約30人が執筆し、
歴史研究者らの支援を受けている。
中学では唯一、慰安婦の記述がある。

【主張】高校教科書 根強く残る偏向に呆れる
【教科書検定】日本の領土記述が1・6倍 小中高で正常化へ、

2015.5.7 07:00 2 3 4 5 6 
来春から中学校で使われる
教科書の検定結果が4月6日に公表された。
今回の検定では安倍政権の教科書改革が奏功し、
自国の過去をことさら悪く描く自虐史観の傾向がやや改善された。
だが、そんな流れに逆行するかのような教科書が新たに登場した。
「学び舎」の歴史教科書である。
現行教科書には一切記述がない慰安婦問題を取り上げ、
アジアでの旧日本軍の加害行為を強調する-。
その中身を検証する。

「大勢の兵士の相手をさせられた」
 「突然、日本兵が現れて、いっしょにいた3人とともに、
軍の駐屯地に連行されました。
かやぶきの小屋に別々に入れられ、
日本兵たちの暴行を受けました。
少しでも抵抗すると、なぐられたり蹴られたり、
たばこの火を押しつけられたりしました。
その後も、島内各地の駐屯地で、
大勢の兵士の相手をさせられました」
 これは日本軍が占領した
中国の海南島で暮らす19歳の女性の話だという。
まるで慰安婦の強制連行があったかのような印象を受けるが、
学び舎の教科書では当初、現代史を扱う章で
「問い直される戦後」と題し、本文で、こう記述した。
 だが検定は「話題の選択が具体の事項に偏っている」
と指摘したほか、暴行の表現についても
「健全な情操の育成について必要な配慮を欠いている」と断じた。
「情操育成」の検定基準が適用されたのは、
中学社会科では初めてという。
 そして「海南島には、4カ所以上の軍の『慰安所』がつくられ、
多くの女性が入れられていました」と続けたため、
「激しい暴行が4カ所以上の慰安所でも行われたかのように
誤解する恐れがある」と指摘された。
検定では、わずか14行の本文すべてを対象に、
計3カ所もの欠陥が指摘される結果となった。
 さらに元韓国人慰安婦の金学順氏の証言を紹介した。
金氏については、平成3年8月に
朝日新聞が元慰安婦の初証言とし、
「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、
日本軍人相手に売春行為を強いられた
『朝鮮人従軍慰安婦』」のうちの一人として取り上げたが、
金氏が同年12月に起こした賠償訴訟の訴状には
「養父に連れられて中国へ渡った」と記載。
金氏は別のインタビューなどでは
「母に40円でキーセン
(朝鮮半島の芸妓)に売られた」とも語っている。
にもかかわらず、教科書では、日本政府が国会質問で
「慰安婦は民間業者が連れ歩いたものだ」と答えたことに対し、
「これを知った金学順(当時67歳)は、
『生き証人がここにいる』と名乗り出て、
軍の『慰安婦』にされていたことを明らかにしました」と書いた。
関連資料として、「連れていかれる」と題した
元韓国人慰安婦が描いたとされる絵と、
慰安所が設置された場所を示す地図を合わせて掲載し、
ここでも強制連行を強くにじませた。
 さらに慰安婦問題をめぐり旧日本軍の関与と
強制性を認めた平成5年の「河野洋平官房長官談話」を
「日本政府見解」として、一部要約してこう掲載した。
「調査の結果、長期に、広い地域に、慰安所が設けられ、
数多くの慰安婦が存在したことが認められる。
軍の関与の下で、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた。
政府は、苦痛を受け、心身に癒やすことのできない傷を負った
すべての方々に対し、
心からお詫(わ)びと反省の気持ちを申し上げる」
 だが、検定は金学順氏の証言に対し、
「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような
資料は発見されていない」との
日本政府の見解に基づく記述がないと指摘した。

不合格受け、慰安婦記述を大幅修正 

学び舎の教科書は、検定でこうした欠陥を指摘され、
昨年12月に不合格とされた。
その後、今年2月に再申請した
教科書で大幅に修正を図って合格した。
 本文では慰安婦に関する記述を全て削除し、
中国残留日本人孤児の話などに変更。
金学順氏については
「問い直される人権の侵害」とのコラムの中で
「韓国の金学順の証言をきっかけとして、
日本政府は、戦時下の女性への暴力と
人権侵害についての調査を行った。
そして、1993年にお詫びと反省の気持ちをしめす
政府見解を発表した」と記述し、
「慰安婦」の言葉は使わなかった。
結局、そのまま残した河野談話と、注釈として
「強制連行を直接示すような資料は発見されていない」
との政府見解を記述する際に
「慰安婦」「慰安所」の言葉が使われることになった。
学び舎は修正理由を「戦後の曽祖父母や
祖父母の時代を正面から考える
入り口となる教材をと考えて素材を選び直した」と説明する。
 慰安婦問題はいうまでもなく、
朝日新聞の報道が火を付けた。
昭和57年に「若い朝鮮人女性を『狩り出した』」
などとする自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長、
吉田清治氏の講演記事を掲載し、
その後、この「吉田証言」を少なくとも16回掲載するなどの
キャンペーン報道を展開したことから、
慰安婦の強制連行説は国内外に広がった。
 先の金学順氏の証言なども含めた朝日報道を受け、
韓国メディアも集中的に報道し、慰安婦問題は
政治・外交問題に発展。日本政府は平成5年、
強制連行説には立たないものの、
「慰安婦の募集、移送などは、総じて本人たちの
意思に反して行われた」などの表現で
強制性を認めた河野談話を出さざるを得なくなった。
 これを契機に、7年度検定の中学歴史教科書では、
7社全てが一斉に「慰安婦」「従軍慰安婦」「慰安施設」
などの表現で慰安婦問題を記述した。
その後、義務教育段階で慰安婦を教えることへの
是非などが議論となって記述する教科書は徐々に減少。
16年度検定では「慰安婦」という言葉は全社から消え、
22年度検定では「慰安施設」もなくなり、
慰安婦を扱う教科書はなくなっていた。
だが学び舎の参入で11年ぶりに
中学校の教科書に「慰安婦」が登場することになる。

朝鮮人の被害だけ「話題の選択が偏っている」
 不合格となった教科書では、
「長崎の原爆被害と朝鮮人の被害を学ぶ」
と題して戦争遺跡や資料館の見学を促す項目で、
1ページを割いて2つの施設を紹介しているが、
いずれも朝鮮人の被害だけが書かれており、
検定で「話題の選択が偏っている」と指摘された。
 一つは「三菱兵器住吉トンネル工場跡」で、
原爆投下時、「5号・6号トンネル内外では、
強制連行された約800人の朝鮮人が
トンネル掘りの作業をさせられていました」と説明。
17歳のときに長崎に連行されたとされる韓国人男性が、
このトンネル掘りのきつい労働をさせられたことや
原爆で手足にやけどを負ったことなどを書いた。

もう一つは「岡まさはる記念長崎平和資料館」。

長崎の朝鮮人被爆者の調査に取り組んだ
岡正治氏の調査資料を集めた施設で、
「朝鮮半島や中国からの強制連行、
韓国・朝鮮人被爆者の問題、
南京事件などの資料を展示しています」と紹介した。
この項目は、
再申請した教科書ではすべて削除された。

教員有志ら「中学生が読みたくなる教科書を」
 学び舎の教科書は、どんな人たちが書いたのか。
学び舎の所在地は東京都立川市のマンションの一室にある。
学び舎によると、平成21年、東京を中心とした
社会科教員有志の授業研究サークルで
「今の教科書は使いづらい。
現場の教員で子供たちのための歴史教科書をつくろう」
という声が出たのがきっかけだった。
 有志らは共産党と友好関係にあるとされる
「歴史教育者協議会」(歴教協)の元中学教員、
安井俊夫氏(80)に相談を持ちかけ、
翌年、「子どもと学ぶ歴史教科書の会」(学ぶ会)を設立。
安井氏が代表となった。
執筆者は全国の20代から
70代までの現役と元職の社会科の中学教員。
 コンセプトは「中学生が読みたくなる教科書」。
これまでの歴史教科書は、
出来事などの重要語句を太字にし、
暗記させるスタイルが主流だった。
だが「これでは生徒は乗ってこない」として、
「生徒たちが
次のページもめくってみたくなる教科書」を目指した。
 単元の始まりは
出来事の具体的な場面やエピソードから始まる。
例えば、「日本列島の旧石器時代」の書き出しは
「長野県北部の野尻湖の岸辺で、
1948年、不思議な化石が見つかりました。
長さ30センチをこえる、
湯たんぽのような形のものでした」。
 多くの教科書が書き出しから意味や目的を
淡々と記述する中、独特である。
編集担当者は「歴史の具体的場面は、
生徒に驚きや発見を呼び起こし、疑問が生まれ、
さらに調べてみたくなる」と狙いを話す。
暗記中心の歴史学習にならないよう
重要語句をあえて太字にしなかった。
 4年半もの時間をかけて書き上げたのが
今回の「ともに学ぶ人間の歴史」だ。
平成25年に学ぶ会のメンバー約20人が
退職金などを持ち寄り、教科書発行のための
出版社として学び舎を設立し、検定に臨んだ。
 確かに説明調の記述が中心となっている
従来型の歴史教科書とは大きく異なり、
エピソード中心で興味深く読める部分も数多い。

「祖父母はピストルで、姉は暴行されて殺されました」

だが、やはり問題なのは、
修正前の慰安婦の記述でもみられたように、
戦時下の日本軍の加害行為について、
関連資料を用いて手厚く記述している点だ。
 日中戦争時に旧日本軍の南京占領下で起きたとされながら、
存否でも議論がある南京事件については、
本文で「国際法に反して大量の捕虜を殺害し、
老人・女性・子どもをふくむ
多数の市民を暴行・殺害しました」と記述。
 さらに関連資料で、書籍から引用した
「南京市に住んでいた夏淑琴(当時8歳)の話」として、
「昼近くに銃剣を持った日本兵が家に侵入してきました。
逃げようとした父は撃たれ、
母と乳飲み児だった妹も殺されました。
祖父と祖母はピストルで、15歳と13歳だった姉は
暴行されて殺されました。
私と4歳の妹は、こわくて泣き叫びました。
銃剣で3カ所刺されて、私は気を失いました。
気がついたとき、妹は母を呼びながら泣いていました。
家族が殺されてしまった家で、
何日間も妹と二人で過ごしました」と掲載した。
 今回の検定では、自由社が
「中国共産党によるプロパガンダで
事件自体が存在しないため」として、
南京事件を平成以降の中学歴史教科書で
初めて記述しなかったほか、
ほかの社も「殺害」を「死傷者を出した」に、
「南京虐殺事件」を「南京事件」に変えたり、
「国際的な非難」を削除したりするなど
、トーンを弱めているのとは対照的だ。

朝日新聞が応援、第2次歴史教科書戦争勃発
 学び舎の教科書は、日本教職員組合(日教組)や
全日本教職員組合(全教)などの
組織的支援を受けていないというが、
平成以降の中学歴史教科書を舞台にした
自虐史観記述をめぐる
イデオロギー論争と無縁とは言い切れない。
 昭和57年、高校教科書検定で、中国華北への
日本の「侵略」を「進出」に書き換えさせたとの
マスコミ各社の誤報を機に、中国や韓国が反発し、
近現代史の記述で近隣アジア諸国への配慮を求めた
近隣諸国条項が検定基準に導入された。
これ以降、教科書に自虐史観記述が横行してきた。
その最たる事例が、平成7年度の中学教科書検定で、
7社全てが慰安婦問題を取り上げたことだ。
これを受け、保守勢力の間で自虐史観記述を改めようという
機運が高まり、「新しい歴史教科書をつくる会」が結成された。
子供たちが自国に誇りを持てるような教科書づくりを目指し、
12年度検定で、つくる会のメンバーが執筆に加わった
扶桑社の教科書が参入した。
その後、扶桑社教科書は、
育鵬社自由社に分かれたが、シェアを広げている。
 13年2月、扶桑社教科書が新参入を目指して
検定を受けている際、朝日新聞は
「中韓懸念の『つくる会』教科書」「政府『政治介入せず』」
「中韓など反発必至」との見出しで批判的に報道。
採択直前の同年6月には、
「『つくる会』教科書」「56の『誤り』指摘」
「21の学会」「『ミス・わい曲両方』」と
見出しがついた記事を掲載した。
21の学会が扶桑社の歴史教科書だけを取り上げ、
56カ所を誤りだとして列挙し、
全国の市町村教育委員会に不採択を要求したとの内容だが、
21の学会の一つは、
学ぶ会の代表を務める安井氏が所属する歴教協だった。
 朝日新聞は今年4月8日付夕刊で、
学び舎の教科書について、
さっそく「届けたい面白い歴史教科書」
「ダメ出し400件 6年越し挑戦」と好意的に報じた。
今夏に各教育委員会で実施される採択では、
朝日新聞が“援護射撃”する学び舎の参入で
激しい戦いが予想される。
すでに「第2次中学歴史教科書戦争」は始まっている。

コナンは「アニメの旗掲げた犯罪の教科書」? 

朝日新聞デジタル>2015年4月8日16時30分
届けたい、面白い歴史教科書 教員らの「学び舎」、検定合格
生徒が「これ、何」「なんで」と身を乗り出す教科書を。
そう考えた現役教員やOB・OG30人余りが
中学の歴史教科書をつくり、検定に合格した。
途中、ダメ出しされたのは400件近く。
現場の先生から見た教科書とは。
初めての検定はどうだったのか。

 ■子どものため、OBやOGも
 「ほっとしました」「やった」。
合格の報を受け、執筆した教員らから笑みがこぼれた。
6年越しの努力が実った瞬間だった。
 現場の教員で教科書をつくる。
そんな話し合いが、
都内の社会科教員有志の
研究サークルで始まったのは2009年秋だった。
 これまでの教科書は、重要な語句を太字にし
暗記させるスタイルだ。
「それでは生徒が乗ってこない」
「子どもがページをめくり、
次も読みたくなる本がぜひほしい」。
話が膨らんだ。
「教えやすい教科書ではなく、
子どものための本をつくる。それが出発点だった」。
会の代表で元中学校教員の安井俊夫さん(80)は振り返る。

 翌年、「子どもと学ぶ歴史教科書の会」を18人で結成。
よその地域や
他の研究会の教員にも声をかけ、書き始めた。
 普通の本なら書いて出版すればいい。
だが教科書は違う。
国が定める学習指導要領に則し、
教科書検定をパスしなければならない。
 それぞれが手応えのある授業をもとに原稿を書き、
検討会で吟味。お金を出し合って出版社もつくり、
「学び舎(しゃ)」と名付けた。
教科書を文部科学省に提出したのは、昨年5月だった。

 ■産業革命記述、7歳の目線で
 例えば産業革命。
これまで多くの教科書は技術が開発され
工業社会が成立したこと、
労働問題が発生したことを淡々と記述する。
 一方、「学び舎」の本は英国の綿糸工場で働く
7歳の男の子、ブリンコウ君の一日から始まる。
目の前で10歳の女の子が
エプロンを機械に巻き込まれ、片足を失う。
彼女には見舞金も支払われなかった。
そんな説明から産業革命を考える。
 各テーマには、子どもや若者の資料をちりばめた。
イラク戦争の被害にあった子どもの絵や
「アンネの日記」の写真などがある。
 意見が分かれるテーマも
「生徒が今を考えるうえで必要」と積極的に扱った。
慰安婦の河野談話をコラムで載せ、
南京事件も具体的な証言を紹介した。
 ところがその本は
昨年末いったん不合格になった。
 戦争の時代の子どもの動きを追うために
8月15日の終戦の日で章を区切らず、戦争孤児や
6・3制まで含めて扱っていた。
だが、指導要領通りの時代区分を求められ、できなくなった。
 ブリンコウ君の事例は、
辞典に出てこず生徒が調べられないと、
本文からコラム扱いとなった。
 教員らは検定をどう感じたのか。
「教科書の書き方が指導要領に
ここまで限定されていたとは」と安井さん。
それでも教科書として出したかったのは
「授業で使ってほしいから」と言う。
 「指摘は内容より形が中心だった。
子どものための教科書という魂は守れたと思う」
と元中学校教員の山田麗子さん(62)は話す。
 「個別事例を大切にし、読んで面白い。
そんな新しい教科書が生まれた意味は
歴史教育にとって大きい」。
執筆の相談に乗ってきた
東京大学付属図書館・前図書館長の
古田元夫さんは語る。

 学び舎は今後、教科書を市販する予定だという。
(編集委員・氏岡真弓
その他の社会面掲載記事
正統保守の敵「つくる会」一部首脳を追撃します

歴史教科書について話す「子どもと学ぶ歴史教科書の会」の
(左から)山田麗子副代表、安井俊夫代表、不破修さん
=東京都立川市の学び舎で(佐藤哲紀撮影)

中学歴史 具体的場面に力 先生が「脱暗記」教科書
東京新聞 2014年1月7日 朝刊
中学校で長年、歴史を教えてきた元教師や
現役の教師三十人が執筆した中学歴史教科書が、
二〇一四年度の教科書検定で初めて申請される。
「教師が教え込み、覚えさせる教科書では、
子どもに歴史を学ぶ楽しさは伝わらない。
新しい教科書をつくりたい」という熱意が、
元教師たちを動かしている。 (加藤文)
 申請するのは「子どもと学ぶ歴史教科書の会(学ぶ会)」
(東京都清瀬市)。
昨年一月に教科書出版社「学び舎(しゃ)」を設立し、
五月の申請に向け、編集作業は大詰めを迎えている。
 従来の歴史教科書でも執筆陣には
教師が名を連ねているが、大半は研究者が執筆している。
学ぶ会の教科書は全編にわたって
元教師らが執筆。教壇の経験を踏まえた工夫を盛り込む。
 最も力を入れたのが歴史の具体的な場面。
例えば日露戦争では、これまでの教科書は
時系列の概要の説明にとどまるが、学ぶ会の教科書は
概要説明の前に、日露戦争の戦場となった中国
(当時は清)の民衆の姿から説明を始める。
「日本とロシアの戦争なのに、なぜ清の人が苦しむの?」
といった疑問を生徒に抱かせ、
授業で意見を交わすのを想定している。
一年生が学ぶ原始古代と三年生が学ぶ近現代とでは、
テーマの設定のほか、
漢字や表現の難易度も変える予定という。
 検定に合格し、教育委員会が採択すれば、
一六年度から中学生に学ぶ会の教科書が届く。
千葉県で長く中学教師を務めた学ぶ会代表の
安井俊夫さん(78)は「時系列の教科書では、
試験が終われば子どもは忘れてしまう。
具体的な場面から始めることで、
子どもにその時代のイメージを残したい」と話している。

◆現場の知恵庶民も登場
 歴史といえば、年号や人物、出来事といった
教科書の重要語句を必死に暗記し、
試験が終われば忘れてしまいがちだ。
そんな現状を変えたいと、元教師ら
十数人が集まったのは〇九年九月だった。
昨年設立した出版社の資本金一千万円も、
元教師らが退職金などを出し合って集めた。
 執筆を担当した元教師らは、
何度も現地に足を運んで学芸員から話を聞き、
教科書で取り上げる資料を集めた。
優れた先行研究があれば目を通し、
考古学から現代史までの
八人の専門家のアドバイスを受けながら、
これまで六十回を超す検討会を重ねてきた。
 登場人物にもこだわった。
帯や扇を販売する権利を持ち室町時代に活躍し
た女性や油商人、戦国時代の村人を取り上げる予定だ。
元中学教師で学ぶ会副代表の山田麗子さん(60)は
「英雄だけでなく、地域で生産にいそしむ人たちが登場すれば、
子どもたちに歴史を身近に感じてもらえるのでは」と期待を込める。
 従来の歴史教科書は、重要語句が太文字で記されているが、
学ぶ会の教科書には一カ所もない。
元中学教師の不破修さん(65)は
「今の教科書は、テスト前に重要語句を確認するための
台本になっている。太文字を暗記させるだけでは、
子どもが歴史を考えるきっかけにはならない」と指摘する。
もちろん、公立高校の入試に
よく出題される分野は網羅しているという。
 学ぶ会が申請する一四年度の中学教科書検定からは、
通説的な見解がない近現代の事象について、
政府見解の記載を教科書会社側に求めるなど
検定手続きが厳格化される。
だが、学ぶ会には
「歴史はこのようにとらえるべきだ」との発想は一切ない。
 不破さんは「教科書でこれを書け、ということ自体、
非常に問題だ」と指摘する。
一方で「この教科書を子どもがどう受け止め、
教師がどう生かしてくれるかが
私たちの一番の勝負。何としても検定を通したい」と力を込めた。

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2016年3月8日火曜日
【髙池勝彦】教科書謝礼問題・10社を贈賄罪で告発! [桜H28/3/8]。

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