慰安婦問題について、いろんな報道: 日本を駄目にした財務省の罪 ~消費増税を主張し続けた麻生大臣の真意は =三橋貴明。日本の借金は減っているか 鍵は日銀による「貨幣化」。消費増税再延期、S&P「格付けに影響せず」 ムーディーズは「財政再建目標は困難」。自民が参院選公約決定、消費増税先送りも 「赤字国債に頼らない」と明記。日本の政府債務残高、実は世界最速ペースで減少-実効ベース。その他関連。

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2016年6月4日土曜日

日本を駄目にした財務省の罪 ~消費増税を主張し続けた麻生大臣の真意は =三橋貴明。日本の借金は減っているか 鍵は日銀による「貨幣化」。消費増税再延期、S&P「格付けに影響せず」 ムーディーズは「財政再建目標は困難」。自民が参院選公約決定、消費増税先送りも 「赤字国債に頼らない」と明記。日本の政府債務残高、実は世界最速ペースで減少-実効ベース。その他関連。

参院選の公約を発表する自民党の稲田朋美政調会長
=3日午後、東京・永田町の自民党本部(斎藤良雄撮影)
4月15日、ワシントンで開かれた世界銀行と国際通貨基金(IMF)の
春季会合での記者会見後、退席する麻生太郎財務相(右)と
日銀の黒田東彦総裁。世界最大の政府債務の貨幣化は可能か(AP)
日本国債の格付け引き下げを発表するムーディーズの
日本国債担当アナリストのトーマス・バーン氏
=東京都千代田区(コラージュ)2014.12.17

日本を駄目にした財務省の罪
=三橋貴明 2016年6月4日 2 3 MONEY VOICE
今回の消費増税再延期をきっかけに、
「財務省がこの国をだめにしてきた」という真実が
国民に広まるか、否か。
これが、今後の我が国の行く末に
決定的な影響を与えることになります。(三橋貴明)
記事提供:『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2016年6月3日号より
※本記事のタイトル・本文見出し・太字は
MONEY VOICE編集部によるものです
バブル崩壊後に緊縮財政を強行した財務省(旧大蔵省)の罪
消費増税再延期でいよいよ始まった「6月1日以降」


17年4月の消費税再増税が延期され、財政出動が拡大される
(可能性が高まった)という「正しい判断」の波紋が広がっています。
早速、毎日新聞が「財政さらに悪化 巨額債務の削減困難」と、
「嘘の財政破綻論」に基づく頭の悪い記事を報じています。
また、榊原経団連会長は、「経済成長とデフレ脱却が最優先だ」
「停滞打開に向け、
政府に財政出動を含めた経済政策を働き掛けていく」と、
ええっ!となってしまうほどにまともな発言をするなど、
「6月1日以降」が始まりました。

「財務省がこの国をだめにしてきた」

産経新聞が、今回の
「6月1日」の舞台裏を報じていましたので、ご紹介。
「財務省がこの国をだめにしてきた」
ある政府高官は最近、
かつては「最強」と呼ばれた官庁をこう切り捨てた。
優れた政策立案能力と永田町の隅々にまで
築き上げた情報網を恐れられ、時の政権ですら
直接対峙することを避けてきた財務省。
しかし、平成24年に第2次安倍晋三政権が発足して以降は、
重要な政策決定の過程で蚊帳の外に置かれる場面が目立つ。
今回の消費税増税の再延期議論でも、
為す術なく、首相の決断を受け入れるしかなかった。
財務省は、首相が増税再延期の本格検討に入ってからも、
「予定通りに消費税率を10%引き上げなければ財源不足が生じ、
社会保障の充実策は難しい」と官邸サイドに訴えていた。
だが、約3年半のアベノミクス効果で
税収は国と地方で計約21兆円増えている。
各報道機関の世論調査でも、
再増税反対が一貫して過半を占めていた。
に参院選を控えた政権にとって増税が逆風なのは明白だ。
官邸は財務省に増税再延期を想定した財源確保の検討を指示したが、
増税を悲願とする財務省は
「アベノミクスによる税収増は
財源にならないと繰り返すだけだった」(首相周辺)。
官邸サイドには日に日に財務省への不信感が募っていった。
そもそも、デフレ脱却の成否を左右する個人消費は、
26年4月の消費税率5%から8%への引き上げ以降、
低迷が続く。8%への増税による消費低迷は
一時的だとした財務省は完全に見通しを誤っていた。<後略>
出典:「戦力外通告」の財務省、最後まで蚊帳の外

後略部で産経新聞が面白いことを書いているのですが、
麻生太郎財務相は5月、首相に「3度目の失敗は許されない」と進言。
9年の消費税率3%から5%に引き上げ、
26年の5%から8%への増税後、ともに経済が失速したのを踏まえ、
増税回避を首相に示唆している。
表向き、麻生氏が増税を主張し続けたのは
「財務省職員への配慮」(官邸関係者)にほかならない。
とのことでございます。
本当かいな? と、思ってしまったわけですが、
近い将来、お会いする機会もあるでしょうから、
ご本人に直接聞いてみたいと思います。

日本を駄目にした1997年の消費増税
麻生財務大臣の進言通り、日本国をデフレに叩き込んだのは、
97年(平成9年)の橋本政権の消費増税強行でした。
週刊アサヒ芸能の連載『三橋貴明の列島丸わかり報告書』
で書いているのですが、財務省は大蔵省時代から
主流派経済学的、新自由主義的な「財政均衡主義」に固執し、
大蔵省が財務省に変わった際に、財務省設置法に
「任務(略)健全な財政の確保」を突っ込みました。
財務省は、中央省庁等改革基本法を根拠法として、
2001年1月6日に大蔵省が改編される形で発足しました。
中央省庁等改革基本法は、1997年12月3日の
行政改革会議の最終報告の趣旨に則り、
制定されたものになります。
行政改革会議は、1996年11月21日から98年6月30日まで
総理府に設置された会議です。
目的は、ずばり中央省庁再編です。
行政改革会議の資料を見ると、97年5月14日、21日に
大蔵省が提出した資料の中に、以下の記述がありました。
(1)財政構造改革 財政構造の改革は、
行政のスリム化・効率化を推進するという観点では、
行政改革と方向性を同じくするものと考える。
現在、我が国財政は主要先進国中最悪といえる状況となっており、
高齢化社会の下で現在の財政構造を放置し、
財政赤字の拡大を招けば、
国民経済自体の破綻を招く可能性が高い。
今後の高齢化の一層の進展を見据え、
21世紀の活力ある豊かな国民生活を実現するとともに、
次世代に対する責任を果たすために、
財政健全化目標を定めるとともに、
徹底した歳出全体の見直しを行うなど、
財政構造改革を強力に推進しているところである。
何のことはない。財務省設置法の財務省の任務に
「健全な財政の確保」を追加するべく働きかけたのは、
大蔵省自身なのです。
当時の大蔵省は、橋本政権が推進する行政改革を「利用」し、
新生財務省の任務に「財政健全化」を加えたのです。

緊縮財政を強行した財務省(旧大蔵省)の罪
彼ら、アメリカで主流派経済学の
「財政均衡主義」の教育を受けた大蔵官僚たちが、
武村正義に代表されるポピュリズム的な
「公共事業否定派」と連携し、
我が国に存在しない財政破綻論が広まっていきます。
ちなみに、武村正義(当時は大蔵大臣)が中央公論に、
『このままでは国が滅ぶ-私の財政再建論-』
なる刺激的なタイトルの寄稿をしたのは、1996年のことです。
その前年、95年11月国会において、
武村正義は大蔵大臣として「財政破綻宣言」をしています。
日本で急速に「財政破綻論」が広まっていきます。
最終的には、97年の消費税増税、公共投資削減という
バブル崩壊後には決してやってはならない緊縮財政が強行され、
我が国はデフレに突っ込みました。

マスコミを黙らせてきた
財務省の記者クラブ「財政研究会」
今回の「6月1日」を切っ掛けに、
「財務省がこの国をだめにしてきた」という真実が
国民に広まるか、否か。これが、今後の我が国の行く末に
決定的な影響を与えることになります。
それにしても、産経新聞は上記の記事を書いた結果、
財政研究会(財務省の記者クラブ)から
パージされたりはしないのでしょうか。
財務省は「財政研究会」という記者クラブを活用し、
マスコミに対する影響力を確保しているのです。
産経新聞がパージされたら、それはそれで
「財務省がこの国をだめにしてきた」という話の
信ぴょう性が高まることになりますが、
いずれにせよ注目してみたいと思います。

日本の借金は減っているか
日本は国内総生産(GDP)比で世界最大の
政府債務残高を抱える国として長年知られてきた。
しかし、実効ベースで見た場合、公的借り入れ負担は
年間にGDPの15ポイントに相当するペースで
急減しているとの推計もある。
仮にそうだとすれば日本の債務残高は
一段と管理可能な水準に向かっていることになる。
 この謎を解く鍵は、日本銀行による先例のない
日本国債買い入れにある。
一部エコノミストはこれを政府債務の
「マネタイゼーション(貨幣化)」と呼ぶ。
政府のバランスシートに国債の負債は残るにしても、
もはや民間部門が保有するわけでなく、
実効ベースで無関係というのが一部識者の見方だ。
 富士通総研のシニアエコノミスト、
マルティン・シュルツ氏は
「日本は民間保有の公的債務が
どこよりも急速に減っている国だ」と指摘した。
 日本の政府債務残高はグロスベースで
現在、GDPの2倍余りと推計される。
しかし、日銀統計を使ったシュルツ氏の算定では、
銀行や家計など民間部門から
日銀に保有が移行しつつあることで大きな影響が生じている。
同氏の推計によれば、政府債務残高のうち、
民間保有分は2012年末の
第2次安倍晋三内閣発足直前のGDP比177%から、
向こう2~3年で同100%程度に低下する見通しだ。
 しかし、日本が借り入れを減らしているわけではない。
安倍政権はさらなる財政刺激策を準備中で、
その資金は国債発行で賄われる。
安倍首相は1日には、
17年4月に予定していた消費増税の再延期を発表した。
 日銀保有の政府債務の少なくとも一部が償却されるということが
明確になれば、家計のセンチメントを向上させる一因になるだろう。
消費者がグロスベースの政府債務全てを負担するわけではないと
理解すれば、ムードは改善する可能性がある。
 英金融サービス機構
(FSA、英金融行動監視機構=FCA=の前身)
の元長官で、現在は新経済思考研究所の会長を務める
アデア・ターナー氏は「日本の政府債務が通常の意味で
返済されるとの信頼できるシナリオはないと確信する」とコメント。
「公的債務の一部は日銀によって恒久的にマネタイズされるため、
全ての返済は不要だと
日本の国民に明確にするのが有益だろう」と語った。
現状で政策当局者が完全な財政の貨幣化に
一歩近づく用意があるとの兆候は見られない。
JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、
財政規律を重視する財務省で財務官を務めた
黒田東彦日銀総裁がそうした構想を
支持することは決してないだろうとみる。
 菅野氏は、明示的なマネタイゼーションは
外国人投資家による円相場押し下げを促し、
インフレ高進につながる可能性があると分析。
 ただ、それが最終段階で
どのような効果をもたらすかが大きな懸念材料だとして、
自殺行為に等しい政策だとの考えを示した。
(ブルームバーグ Enda Curran、James Mayger)

日本国債、S&P、ムーディーズとも「格下げなし」
2016/6/ 3 13:06 J-CASTニュース
安倍晋三首相が消費増税の再延期を表明したことを受けて、
米格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)と
ムーディーズ・インベスターズ・サービスがそれぞれ見解を公表した。
いずれも、日本国債の格付けについては変更しないとしている。
S&Pは2016年6月1日付で、
「(日本国債の)格付け評価への影響はないと判断している」
との見解を公表した。
日本国債の格付けは現在、上から5番目の「Aプラス」で、
中期的な見通しは「安定的」としている。
一方、ムーディーズは6月2日付で、
「(消費増税の再延期は)信用評価上ネガティブ」との見解を公表。
「増税延期と財政出動の組み合わせは、
財政再建目標の達成に対する疑念をさらに強める」としている。
格付けや見通しについては変更していない。
同社の日本国債の格付けは、21段階で上から5番目の「A1」。

2016.6.3 12:27 【2016参院選】産経ニュース
自民が参院選公約決定、消費増税先送りも
自民党は3日、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」による
経済再生や1億総活躍社会の実現などを柱とした
参院選公約を決定した。
来年4月の消費税率10%への引き上げを2年半再延期する一方、
子育てや介護の支援を充実。
増税延期で懸念される財源不足については
「赤字国債に頼ることなく、安定財源を確保する」とした。
 1億総活躍社会の実現に向け、同一労働同一賃金の推進や
長時間労働の是正、高齢者雇用の促進などに取り組むことを明記。
女性リーダーの育成や起業を支援し、大学生らを対象とした
返済不要の給付型奨学金の創設を目指す。
 また、消費税率が引き上げられる平成31年10月に、
食料品などの税率を低く抑える軽減税率も導入。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の早期発効を見据え、
農林水産物の「2020年に輸出額1兆円」という目標を前倒しし、
輸出を「新たな稼ぎの柱」と位置付けた。
 党是の憲法改正は「国民の合意形成に努め、
憲法改正を目指す」との表現にとどめた。
参院選挙制度については、改選ごとに各都道府県から
少なくとも1人を選出できるよう「憲法改正を含め、
そのあり方を検討する」とした。
 おおさか維新の会も3日、公約を発表。
消費税増税再延期を踏まえた「身を切る改革」による財源確保のほか、
教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設置を柱とした憲法改正、
大阪を副首都とする法整備、
衆参の被選挙権年齢の18歳への引き下げなどを掲げた。

「2020年までに基礎的財政収支を均衡させるという
長期目標の達成に関して、不確実性が増した」とバーン氏 
(撮影:尾形文繁)

2016.6.2 20:19 産経ニュース
消費増税再延期、S&P「格付けに影響せず」
米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は1日付で、
安倍晋三首相が消費税率10%への増税の再延期を正式表明したことを受け、
日本国債に関し
「格付け評価への影響はないと判断している」との見解を公表した。
 一方、米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは2日付で、
「信用評価上ネガティブ」との見解を示した。
再増税延期と財政出動との組み合わせで
「財政再建目標の達成はさらに困難になった」とした。
【消費増税再延期正式表明】年収300万円世帯は3・3万円お得に

日本の政府債務残高、実は世界最速ペースで減少-実効ベース
Bloomberg 6月2日(木)15時27分配信 2 ヤフーニュース
【記者:Enda Curran、ジェームズ・メーガ】
日本は国内総生産(GDP)比で

世界最大の政府債務残高を抱える国として
長年知られてきた。
しかし、実情は変わりつつある。
実効ベースで見た場合、公的借り入れ負担は
年間にGDPの15ポイントに相当するペースで
急減しているとの推計もあるためで、そうだとすれば
一段と管理可能な水準に向かっていることになる。
変貌の謎を解く鍵は
日本銀行による先例のない日本国債買い入れだ。
一部エコノミストはこれを政府債務の
「マネタイゼーション(貨幣化)」と呼ぶ。
政府のバランスシートに国債の負債は残るが、
もはや民間部門が保有するわけではないため、
実効ベースでは関係ないというのが、一部識者の見方だ。
富士通総研のシニアエコノミスト、マルティン・シュルツ氏は
「日本は民間保有の公的債務が
どこよりも急速に減っている国だ」と指摘した。
日本の政府債務残高はグロスベースで
現在、GDPの2倍余りと推計されるが、
日銀統計を使ったシュルツ氏の算定では、
銀行や家計など民間部門から日銀に保有が
移行しつつあることで大きな影響が生じている。
同氏の推計によれば、政府債務残高のうち、
民間保有分は2012年末の第2次安倍晋三内閣発足直前の
GDP比177%から、
向こう2-3年で同100%程度に低下する見通しだ。
日本が借り入れを減らしている訳ではない。
安倍政権はさらなる財政刺激策を準備中で、
その資金は国債発行で賄われる。安倍首相は1日には、
17年4月に予定していた消費増税の再延期を発表した。
日銀保有の政府債務の少なくとも一部が償却されるということが
明確になれば、家計のセンチメントを向上させる一因になるだろう。
日本の消費者がグロスベースの
政府債務全てを負担するわけではないと
理解することにより、ムードは改善する可能性がある。
英金融サービス機構(FSA、英金融行動監視機構
 =FCA=の前身)の元長官で、
現在は新経済思考研究所の会長を務めるアデア・ターナー氏は、
「日本の政府債務が通常の意味で返済されるとの
信頼できるシナリオはないと確信する」とコメント。
「公的債務の一部は日銀によって恒久的にマネタイズされるため、
全ての返済は不要だと
日本の国民に明確にするのが有益だろう」と語った。
現状では、政策当局者が完全な財政の貨幣化に
一歩近づく用意があるとの兆候は見られない。
JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、
財政規律を重視する財務省で財務官を務めた
黒田東彦日銀総裁がそのような構想を
支持することは決してないだろうとみる。
菅野氏は、明示的なマネタイゼーションは
外国人投資家による円相場押し下げを促し、
インフレ高進につながる可能性があると分析。
ただ、それが最終段階でどのような効果をもたらすかが
大きな懸念材料だとして、
自殺行為に等しい政策だとの考えを示した。
具体的には、日本政府と日銀の信認を意図的に損ねることで、
当局者は借り入れコストの急上昇を招く危険を冒すことになり、
特にインフレ目標が達成され、
日銀が引き締め策に転じる場合には
そのようなリスクが高まると菅野氏は指摘した。
原題:Japan’s Debt Burden Is Quietly Falling the Most in the World (1)(抜粋)


2014.12.17 06:00 2 3 4 経済インサイド】 産経ニュース
日本国債格付け「中韓より下」の摩訶不思議
10月末の日銀による追加の金融緩和、
11月の消費税再増税の延期…。
今冬、日本の金融市場はサプライズ・イベントに翻弄された。
12月1日には、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、
日本国債を中国や韓国より下位に格下げした。
ネット上では「かつて日本をアフリカの途上国より下に格付けした
ムーディーズは信用できない」との批判も渦巻くが…。

韓国「何とも痛快」
 「韓国よりも国債の信用力が下位だとは。
何とも痛快」「アベノミクスもこれで終わり」
 ムーディーズが、日本国債の格付けを「Aa3」から「A1」に
1段階格下げしたと報じられた12月上旬、韓国のネット上では、
日本を揶揄(やゆ)するコメントがつづられた。
 格付けは、各国が発行する国債に対する信用力を示し、
国債に投資したお金が
将来きちんと返ってくるかを格付け会社が評価している。
 A1は21段階ある格付けの上から5番目で、
Aa3の中国や韓国より下位。イスラエルやチェコ、
オマーンと同レベルと位置づけられた。
ちなみに、最上位の「Aaa」は米国やドイツ、カナダなど。
2番目の「Aa1」は英国、フランスなど…となっている。

ネックは天文学的な国の借金
 ムーディーズは格下げ翌日の2日、自社のホームページで、
日本国債の詳しい格下げ理由を公表した。
 同社は、各国の国債を
(1)経済力(2)制度の頑健性(3)財政力(4)リスクなどの感応性
(対応力)-の4項目でそれぞれ15段階評価。
日本は(1)、(2)、(4)については
すべて上から4番目までに収まっている。
とくに(2)の制度面に対しては「法の支配が非常に強く、
有効な政府を持ち、腐敗の抑制が非常に強い」と大絶賛している。
 ところが、(3)の財政力は上から8番目(中位)。
最上位の韓国やチェコ、
上から4番目のイスラエルを大幅に下回っている。
 日本の一般政府債務は1100兆円超という天文学的な数字だ。
対国内総生産(GDP)比は平成25年度で243%。
韓国の36%やチェコの46%とは桁違いに大きい。
 格付けを担当したムーディーズの日本国債担当アナリスト、
トーマス・バーン氏は「消費税再増税は財政再建の主要な手段。
それが延期されたことは格下げの重要なポイントだ」と語る。
 広報担当者も
「『日本は借金を返せるのか』という疑念は年々膨らんでいた。
そんな時に再増税が延期されれば格下げもやむを得ない」と説明する。

エコノミスト「妥当」
 経済や市場の専門家からは
「今回の格下げは妥当」との意見が支配的だ。
 日銀が追加緩和に踏み切ったことで、
新規発行と同規模の国債を買い入れる状況になった。
これに対し、“身内”の日銀審議委員ですら
「(政府の借金を穴埋めする)
財政ファイナンスとみられかねない」と批判した。
 追加緩和から20日もたたずに、
政府が再増税の1年半先送りを決めたことも
財政ファイナンス懸念に拍車を掛けた。
 JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは
「約束した再増税を予定通りやらなかったことに対する1つの意見」
と説明する。大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストも
「格下げの理由は『痛いところ』を突いている」と分析する。
 市場関係者からは
「世界最悪の巨額の政府債務を抱えているにもかかわらず、
投資適格の『A1』にとどまっているのが奇跡」
という声すら上がっている。

影響はゼロ!?
 しかし、A1は、主要7カ国(G7)では「Baa2」
(上から9番目)のイタリアに次いで低く、
今回の格下げが腑に落ちない人も多いようだ。
 たとえば、韓国は、アジア通貨危機のあおりで
1997年から2001年まで国際通貨基金(IMF)の管理下に置かれた。
大半の韓国の大手銀行が英米銀の傘下に入っているのは、その名残だ。

ネット上では「中国、韓国より下。
新興国並みか」という批判も続出した。
 ムーディーズは平成14年5月、
日本国債の格付けを一気に2段階引き下げ、
上から6番目の「A2」とした。
アフリカの途上国ボツワナ(当時A1)を下回る評価だったため、
財務省は「経済のファンダメンタルズ
(基礎的な条件)を考慮すべきだ」と反論した。
 また、日銀の資金循環統計によると、
日本国債の今年6月末残高(1013兆円)の
91.5%を保有するのは銀行や保険会社などの国内聞係者で、
投機的な売買は非常に少ない。
これに対し、欧米国債の自国内での保有比率は
40~70%程度にとどまる。
 三菱東京UFJ銀行の石丸康宏・経済調査室次長は
「単純にデフォルト(債務不履行)リスクの面からみれば
、A1は低すぎる気がする」と疑問を投げかける。

 格下げされると国債の信用力が低下し、国債が売られて
金利が急騰(価格は急落)してしまう危険が生じる。
 だが、今回の格下げ翌日、国債市場では
長期金利が低下(価格は上昇)するなど大きな影響はなかった。
日銀が大規模な金融緩和で国債を大量に買っており、
市場で国債の品薄感が強まっているためだ。

 「格付けの信頼性はその程度。
市場では重要視されていない」
 嘉悦大の高橋洋一教授(財政・金融政策)はこう言い切った。
【経済インサイド】日中「金融緩和」で韓国「家計債務パンク」

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