慰安婦問題について、いろんな報道: 米とポーランド、対露で軍事協力強化 米軍基地新設も協議「実現すればフォート・トランプに」。重要なことは、米国が「世界の警察官を辞める」ことは、前任のバラク・オバマ大統領の時代に決められたということ。スプートニク日本、在独米軍の撤退が検討される、米国防総省は、在独米軍の撤退ないし ポーランドへの移転費用を算出した。 ワシントン・ポスト紙が報じた。「独自の核保有はあり得ない」とドイツ国防相が 完全否定した理由とは──確実に進むアメリカと欧州の離反。米軍再編(べいぐんさいへん、 Transformation of the United States Army、 トランスフォーメーション)とは?

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2018年9月19日水曜日

米とポーランド、対露で軍事協力強化 米軍基地新設も協議「実現すればフォート・トランプに」。重要なことは、米国が「世界の警察官を辞める」ことは、前任のバラク・オバマ大統領の時代に決められたということ。スプートニク日本、在独米軍の撤退が検討される、米国防総省は、在独米軍の撤退ないし ポーランドへの移転費用を算出した。 ワシントン・ポスト紙が報じた。「独自の核保有はあり得ない」とドイツ国防相が 完全否定した理由とは──確実に進むアメリカと欧州の離反。米軍再編(べいぐんさいへん、 Transformation of the United States Army、 トランスフォーメーション)とは?

ポーランドのドゥダ大統領と会談し、
ポーランドの隣国であるロシアの脅威をにらんで
両国が軍事協力を強化することで合意した。

 トランプ氏は会談後の共同記者会見で
「両首脳は国防分野での強固な結びつきを
増進させることで合意した。
軍事や情報収集、ミサイル防衛などの分野で
協力を強化する」と表明した。
 同氏はまた、会談でドゥダ氏から
米軍基地をポーランド国内に
設置することを要請されたのを受け、
同要請を「真剣に検討している」と明らかにした。
 ドゥダ氏は記者会見で、基地開設が実現すれば
「フォート・トランプ」と命名したいと持ちかけ、
「米軍基地はロシアの脅威に対する防波堤となる」と強調。
また、基地の設置に向けてポーランドが20億ドル
(約2245億円)を拠出する用意があると表明した。
 米軍は現在、4千人規模の部隊を
ポーランド軍の基地内にローテーション駐留させているが、
恒常的な米軍基地は置いていない。
ポーランドは過去にも繰り返し米軍基地を誘致してきたが、
国防総省は基地自体に加えて米兵の家族のための住宅や
福利厚生施設などに多額の費用がかかるとして
慎重姿勢を示してきた。
 ポーランドが20億ドルの負担を申し出たことで
基地開設に弾みが付く可能性がある一方、
北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に
懸念を示してきたロシアが反発するのは必至だ。


ドイツ南部のラムシュタイン米空軍基地の入り口
(c)AFP PHOTO / DANIEL ROLAND
NATO首脳会議で演説したトランプ。
欧州諸国の分担金負担が足りないと説教して不興を買った
(2017年5月、ブリュッセルにて) 
Jonathan Ernst-REUTERS
ミリタリーブログ 在欧米空軍の司令部がある
ドイツのラムシュタイン空軍基地は、
前線で航空・攻撃支援などをおこなう
地上戦闘員「TACP (Tactical Air Control Party) 」
が参加した訓練映像を公開した。
ドイツ中南部、フィゼックの米空軍第2航空支援作戦中隊
 (2 ASOS: 2d Air Support Operations Squadron) では
「Strike With Fury」をモットーとしている。
在独米軍の撤退が検討される
CC BY 2.0 / U.S. ARMY PHOTO 
BY VISUAL INFORMATION SPECIALIST MARKUS RAUCHENBERGER / 

在独米軍の撤退が検討される
米国防総省は、在独米軍の撤退ないし
ポーランドへの移転費用を算出した。
ワシントン・ポスト紙が報じた。
スプートニク日本 2018年07月01日 07:55
同紙によると、この検討はトランプ米大統領と
メルケル独首相のあいだで
緊張が高まっていることを受けたもの。
トランプ氏は、ドイツに約3万5000人の米軍が
駐留していることを知り驚いたと同紙は説明。
トランプ氏は、同盟国が全体の安全保障のために
あるべき貢献をしていないと述べた。
同紙は、米国防総省の検討を知った欧州高官が
懸念していると付け加えた。

ブリュッセルで7月11日、
12日に開催される北大西洋条約機構(NATO)で、

アメリカ軍が、ドイツから撤退する意向
情報筋が、アメリカ国防総省がドイツに駐留する
3万5000人のアメリカ軍の全て、
或いはその一部を撤退させることを明らかにしました。

ドイツ国際放送ドイチェベレの情報サイトによりますと、
アメリカ国防総省がドイツ駐留のアメリカ軍の
撤退にかかる費用やその結果について
検討するための調査を実施している、
という報告が最近なされているということです。

アメリカの新聞ワシントンポストは初めて、
このニュースを発表し、
「アメリカ国防総省のこの措置は、
最近になって同国のトランプ大統領と
ドイツのメルケル首相の間に
軋轢が生じていることによるものだ」
と報じました。

また、ある情報筋の話として、
「アメリカ国防総省の関係者は、
ドイツに駐留しているアメリカ軍3万5000人全員、
あるいはその一部の撤退と、その本国召還或いは
ポーランドへの移転にかかる費用を調査中だ」としています。

複数の報告によりますと、トランプ大統領は今年の初めに、
ホワイトハウスでの会見で、
ドイツ駐留アメリカ軍の兵士数を確認した後、
これらのアメリカ軍の移転の意向を強調したとされています。

在独米軍の移転・撤退、国防総省が検討か 米紙報道
2018年6月30日 16:46 ロイター
発信地:ワシントンD.C./米国
【6月30日 AFP】米紙ワシントン・ポスト
Washington Post)は29日、米国防総省が
ドイツに駐留する米軍の移転もしくは
撤退にかかる費用について検討していると報じた。

 海外に駐留する米軍の中で最大水準の規模を誇る
在独米軍の移転などについて、
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は
すでに軍当局者らと話し合いを行っており、
北大西洋条約機構(NATO)諸国に不安が広がっているという。

 同紙は匿名の情報筋の話として、
現時点では米政府内でいくつかの選択肢が
検討されているにすぎないと強調しつつ、
在独米軍約3万5000人の現役兵のうち
相当部分の米国への帰還や、在独米軍の一部
または全部のポーランドへの
移転などが検討されていると伝えた。

 しかし米国家安全保障会議(NSC)の
ある報道官は報道内容を否定。
国防総省のエリック・ペイホン(Eric Pahon)報道官も
在独米軍の撤退計画は一切存在しないと述べた。

 トランプ氏は来月11、12日に
ベルギー・ブリュッセルで開かれる
NATO首脳会議に出席する予定。
同氏はNATO加盟国が2024年までの達成で
合意した目標計画に従って、
NATO各国に国内総生産(GDP)の
少なくとも2%を防衛費に充てるよう
圧力をかけるとみられている。
このところ米国との関係が緊張しているドイツは
その目標達成は難しいと示唆している。
一方、ポーランドはすでにその目標を達成済みだ。

 第2次世界大戦(World War II)後から
米軍が駐留しているドイツは、アフリカと
中東における米軍の任務の拠点となっている。(c)AFP

在ドイツ米軍“撤退影響”国防総省が分析か
2018年6月30日 12:37 日テレニュース
アメリカ国防総省がトランプ大統領の意向に沿い、
ドイツに駐留するアメリカ軍を撤退などさせた場合の
影響を分析していると、29日、
「ワシントン・ポスト」の電子版が報じた。

アメリカ国防総省がトランプ大統領の意向に沿い、
ドイツに駐留するアメリカ軍を撤退などさせた場合の
影響を分析していると、29日、有力紙が報じた。

「ワシントン・ポスト」の電子版によると、
国防総省はドイツ駐留のアメリカ軍を撤退や
移転させた場合の経費や影響を分析している。
今年初めにトランプ大統領が関心を示したことに沿った
取り組みだという。

トランプ大統領は、これまでもNATO
(=北大西洋条約機構)に対する
アメリカの負担が大きすぎると主張していて、
29日も記者団に対し
「ドイツはもっと負担しなくていけない」
と不満を示している。

トランプ大統領は来月中旬に
NATOの首脳会議に出席する予定で、
ヨーロッパの当局者はトランプ大統領の出方に
警戒を強めているという。

「独自の核保有はあり得ない」とドイツ国防相が
[ロンドン発]
ドイツのウルズラ・フォンデアライエン国防相(59)が
2月28日、母校の
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で講演した。
イギリスのEU離脱(ブレグジット)交渉が本格化する中、
フォンデアライエンは
「残念だけど、ブレグジットは止められそうにないわね」と言って、
イギリスの学生や欧州大陸からの留学生を苦笑いさせた。
第二次大戦後、軽武装・経済外交を柱にした日本の
吉田ドクトリンと異なり、冷戦の最前線に立たされた西ドイツは、
イギリスやフランスと同レベルの国防支出を強いられた。
しかし、冷戦が終結すると、ドイツは国防費を劇的に削減させた。

EUの単一市場と単一通貨ユーロをフルに活用して
貿易黒字を積み上げたため、ドイツの国防費は
対国内総生産(GDP)比で1.22%にとどまり、
イギリスの2.14%、フランスの1.79%に比べて著しく低下した。

トランプのアメリカはあてにできない

軍事や安全保障への積極的なかかわりを避けてきたドイツは
大きな転換点を迎えている。
「北大西洋条約機構(NATO)は時代遅れ。
欧州加盟国はもっと負担を」とアメリカのトランプ政権から
突き上げられ、イギリスのEU離脱が避けられなくなってきたからだ。

LSEで講演するフォンデアライエン国防相(筆者撮影)


かつてはアンゲラ・メルケル独首相の有力後継者と
取り沙汰されたフォンデアライエンは7児の母親としても知られる。

講演では真っ先に、ナチス・ドイツを撃破した
ウィンストン・チャーチル英首相が1946年、
チューリッヒ大学で
「私たちは欧州合衆国を築き上げなければならない。
フランスとドイツのパートナーシップがその第一歩になる」
と宣言した有名な演説を引用した。

メルケル首相は
「私たちが他国に完全に頼れる時代はある程度、終わった。
欧州は真に自らの運命を私たちの手に取り戻さなければならない」
と欧州の自立を唱えている。
EUが、兵器の共同開発・調達、域外派兵や訓練を通じて
防衛協力を強化する新機構「常設軍事協力枠組み」
(PESCO)を設けたのもその流れの中にある。

ドイツ国内ではアメリカ軍の戦術核
(地理的に使用範囲が限られている核兵器)に頼るのではなく、
独自の核抑止力を保有すべきだという過激な意見も
飛び出すようになった。
トランプのアメリカはもうあてにはできないというわけだ。

フォンデアライエンは会場からの質問に、
ドイツが独自の核兵器を開発・保有するという選択肢を
「あり得ない」と完全に否定した。
ドイツの外交・安全保障政策は
フランス・ドイツ関係に軸足を置くか、
アメリカとの同盟関係を優先するかの間で常に揺れてきた。
ドイツが独自核を追求すれば、欧州に対する
アメリカのコミットメントは完全に後退する。
PESCOにしてもNATOを補完するものなら良いが、
アメリカと利害が対立するようになれば有害でしかない。
そんなものを作るぐらいなら
NATOへの貢献度を増すのが先決というのが
アメリカの本音だろう。
アメリカ軍と戦術核のプレゼンスは
今も欧州の外交・安全保障の根幹をなしているが、
欧州とアメリカの距離は確実に開いている。

フォンデアライエンは
「欧州は声を一つにして迅速に危機に対応するため、
おそらく多数決方式に向かっていると考えています」
「一つの国が欧州の総意を妨げようとしても
邪魔立てできません」とEUの意思決定を
迅速化させる重要性を強調した。

その一方で「軍を近代化するには数年かかります。
ドイツだけではなく他の欧州諸国でも」と、
急激な国防費増大にブレーキをかけた。
ドイツは今年387億5,000万ユーロの国防費を
2021年に426億5,000万ユーロに増やすが、
それでも対GDP比の国防費はNATO目標の2%どころか
1.5%にも届かない。

ドイツとフランスが結束を強めてEUの純化を図れば図るほど、
ブレグジットは不幸な結末を迎え、
アメリカのドナルド・トランプ大統領の
フラストレーションはピークに達する恐れがある。
アメリカの有力シンクタンク、ブルッキングス研究所の
ブルース・ジョーンズ副所長によると、
トランプ大統領の「メルケル嫌い」はすでに相当なものらしい。

ニュークリア・シェアリング(Nuclear Sharing)とは、
核兵器の共有」という北大西洋条約機構(NATO)の
核抑止における政策上の概念である。

NATOが核兵器を行使する際、独自の核兵器をもたない
加盟国が計画に参加すること、および、
特に、加盟国が自国内において核兵器を使用するために
自国の軍隊を提供することが含まれている。
ニュークリア・シェアリングの参加国は、
核兵器に関する政策に対して決定力をもち、
核兵器搭載可能な軍用機などの技術・装備を保持し、
核兵器を自国領土内に備蓄するもの。
ソ連やその衛星国に配備された核兵器に対応するために
ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダは自国内に
アメリカが所有する核を置いている。
4カ国共各国の政府がそれぞれ使用権限を持っている[1]

第3空軍 (アメリカ軍)
第3空軍(Third Air Force) は
アメリカ空軍・在欧州アメリカ空軍傘下の航空軍。
司令部はドイツ・ラムシュタイン空軍基地。
人員は約25,000名で、司令官職は中将をもって
充てるポストとされている。

在欧アメリカ空軍
在欧アメリカ空軍
 (United States Air Forces in Europe, USAFE) は、
アメリカ空軍における主要軍団
(Major Command, 略称:MAJCOM)の1つ。
部隊管理上は空軍参謀本部に直属し、作戦指揮上は
アメリカ欧州軍の指示を受ける。
ドイツのラムシュタイン空軍基地に司令部を置き、
現在は大将(4つ星)が司令官を務めている。

上久保 誠人(かみくぼ まさと、1968年5月30日- )は、
日本の政治学者。立命館大学政策科学部教授。
Ph.D. (University of Warwick)。
専門は政策科学、政治学、国際政治経済学、現代日本政治論。

エルサレム首都承認は起きた
2017.12.19 2 3 4 5
ドナルド・トランプ米大統領が、エルサレムを
イスラエルの首都として正式に承認すると宣言した。
1995年制定の米連邦法は、大使館を
「分裂していないエルサレム」に置く必要があるとしているが、
米大統領が半年ごとに移転先送りを指示することが認められ、
歴代大統領は、外交戦略上の影響を懸念して先送りしてきた。
トランプ大統領は、米国の外交政策の歴史的大転換を行った。

 トランプ大統領の「宣言」には、イスラム圏から欧州まで、
国際社会から「中東和平を遠のかせる暴挙」であると
一斉に批判が起こった。
日本では、「ドナルド・シンゾー関係」を
「過去最高の日米関係」だと誇ってきた
安倍晋三政権は沈黙しているが、様々な識者が
「面子を捨て、恥も外聞もなく、権力の限りを
「自分ファースト」のために活用して、
トランプの俺流に徹している」(嶋矢志郎
総じて厳しい論調である。

 しかし、本稿はトランプ大統領の「宣言」は
過激ではあるが、決して「自分ファースト」ではなく、
「アメリカ第一主義(アメリカファースト)」という
米国の党派を超えた新しい国家戦略の枠内の決断だと考える
本連載第170回)。
「シェール革命」で中東の石油が必要なくなりつつある米国は、
「エルサレム首都承認問題」についても、
アラブに気を遣う必要がなくなった。
換言すれば、トランプ大統領の「宣言」で
「中東和平が遠のいた」というが、
そもそも米国は中東和平に関心がなくなったということだ。

「世界の警察官を辞める」ことも
国際社会の不安定化も米国の意思
 この連載では、「シェール革命」が米国の国家戦略を
根本的に変化させ、それが国際社会の構図を
劇的に変えつつあることを指摘してきた
第170回・P4)。
「シェール革命」とは、主に米国で生産される
シェール石油・ガスによって、米国が石油の輸入国から
輸出国に変わることによって起こる
米国内と国際社会の劇的な変化のことである。
米国は、2011年にロシアを上回り世界最大の産ガス国になり、
2013年にはサウジアラビアを上回り、世界最大の産油国となった。
米国は、エネルギー自給を達成することで、
国内で「ものづくり」が次第に復活し、
新たな雇用が生まれつつある。
独りでやっていけるということになり、
「世界の警察官」として、産油国が多数ある中東など
国際社会の安全を保障することに
関心を失い始めているのである。

重要なことは、米国が
「世界の警察官を少しずつやめていく」ことは、
前任のバラク・オバマ大統領の時代に決められたということだ。
オバマ前大統領は、
2013年9月に対シリア内戦への軍事不介入声明を発表した際、
「もはやアメリカは世界の警察官ではない」と宣言した。
そして、中東からの米軍撤退、
将来の韓国からの米軍撤退(公表)、
2020年から2026年の間に沖縄から海兵隊を含む
全米軍撤退(非公式)、NATO(北大西洋条約機構)
の閉鎖又は欧州中央軍への統合、
中南米、アフリカ地域からの米軍撤退等々を打ち出してきた。
要するに、「世界の警察官」を辞める
「アメリカファースト」は、トランプ大統領の
個人的な思い付きではない。
米国内で党派を超えたコンセンサスなのだ(第145回)。
 オバマ大統領の「宣言」以降、中東においては、
ウラジーミル・プーチン大統領によって
「大国復活」を目指すロシアが関与を強めている(第149回)。
また、サウジアラビアとイランが断交した。
明らかに、中東における勢力均衡のバランスが崩れた。
また、アジアにおいては、中国の海洋進出が活発化し、
南シナ海の実効支配が着々と進行している。
これらは、米国の弱体化による国際社会における
影響力の低下と見なされることが多い。

 だが、「世界の警察官」を辞めることが
米国の明確な意思であり、その背景にエネルギー自給の
達成による米国経済の「復活」があるならば、
ロシアや中国の国際社会における勢力拡大や、
サウジ・イランの対立による中東などの不安定化も、
米国の意思によるものと言えるのではないだろうか。

「シェール革命」で米国と
中東産油国の力関係は逆転した


 このように考えると、トランプ大統領の
「エルサレム首都承認」の宣言が国際社会を混乱に陥れていても、
中東の石油を必要とせず、「世界の警察官」を辞めた米国にとって、
痛くもかゆくもないことだとわかる。
トランプ大統領が気にすることがあるとすれば、
米国内のユダヤロビーの支持を得ることだけなのかもしれない。

 もっと突き詰めて考えてみると、
トランプ大統領は、国際社会に
それほど大きな混乱は起きないと考えているのかもしれない。
確かに、サウジアラビア、トルコ、イランなど
中東諸国は、トランプ大統領を一斉に非難した。
だが、トルコを除いて、イスラエルとの国交断絶を
示唆した国は今のところない。
また、かつての「石油ショック」の時のような、
米国や親米・親イスラエルの国々に対して
一致団結して石油禁輸を行おうとする動きは出てこない。

ここにも、「シェール革命」による、
米国と中東産油国の力関係の逆転が
示されているのではないだろうか。
特に、米軍に守ってもらう代わりに
石油の安定供給を約束してきたサウジは、
米国にとって戦略的に重要な国ではなくなった。
一方、米国との緊密な関係を基に、
中東で圧倒的な影響力を誇ってきた
サウジの弱体化は顕著となった。
米国はサウジに対して、
圧倒的に強気に出られる立場となっている。

 現在、サウジは米国を激しく批判しているが、
結局は米国に頼らざるを得ない。
同様に、エジプト、ヨルダンなど
他の親米と見なされてきた中東諸国も同様だ。
単純な反米・反イスラエルに舵を切ることはできず、
微妙な立場に追い込まれているように見える。

中東諸国は「米国に石油を売る」から
「米国から武器を買う」へ

 もちろん、米国は国際社会で何が起こっても
無関心を決め込むというわけではない。
例えば、この連載でも取り上げてきた、
「北朝鮮のミサイル開発」である。
北朝鮮がミサイル実験を繰り返しても、
無関心を決め込んでいた米国が動きだしたのは、
北朝鮮の大陸間弾道弾(ICBM)の開発が進み、
米本土が攻撃される危機が現実となってきた時であった
第155回)。要は、米国は「世界の警察官」を辞めても、
「アメリカファースト」のために立ち上がることはある、
ということだ。

「エルサレム首都承認」が、
「アメリカファースト」に触れて、
米国を動かすことがあるとすれば、どのような場合であろうか。
まず考えられるのが、テロのリスクである。
イスラム過激派が「インティファーダ(蜂起)」を呼びかけ、
反米蜂起を訴えている。
復活を狙うIS(イスラム国)の残党たちが
勢力を拡大する恐れもあるかもしれない。
米国は、国内でテロの危険性が高まれば、
テロ組織の拠点となっている地域、
テロ支援国家に対して、北朝鮮に対するように
軍事力を展開して圧力をかけることが考えられる。

 また、中東で主に「スンニ派」の親米国の影響力が落ちれば、
非アラブの「シーア派」で、
反米派のイランの勢力が増すことになる。
前述のように、米国の中東でのプレゼンス低下で
既に崩れているサウジ・イランのパワーバランスが
さらに崩壊することになれば、
欧米との核合意を反故にしてでも
イランが再び核開発に動き出すかもしれない。

米国は、ユダヤロビーの意を受けて、
イスラエルを守るために中東に米軍を展開し、
イランに圧力をかけることになる。
イスラエルに加えて、
おそらく米側に着くであろうサウジ、
エジプト、ヨルダンなどとともに、
強力なイラン包囲網を敷くだろう。
日本に対して「核武装」を
進めたこともあるトランプ大統領のことだ。
これら親米国に対して、「米国の武器を買うべきだ」
「核武装すべきだ」と圧力をかけることは十分に考えられる。

 換言すれば、「米国に石油を売ってきた中東諸国が、
米国から武器を買う」ことになるのだ。
このようにシンプルにまとめて考えてみると、
どれほど「アメリカファースト」による国際社会の変化が、
劇的で大きなものかわかるだろう。

日本が「アメリカファースト」に
振り回され孤立するリスク

 今年の国際社会は、トランプ大統領の
「アメリカファースト」に振り回され続けた一年だったと
言えるだろう。この連載も、国際関係の論考は、
「アメリカファースト」をどう考えるかを
議論するものばかりだった
第149回第150回第155回第166回第170回)。

 トランプ大統領の「アメリカファースト」の特徴は、
端的にいえば、一見「思いつき」で「行き当たりばったり」で
「過去に積み上げてきた努力を踏みにじり
(あるいは、そもそも過去の経緯を知らない)」、
「面子」を捨てて、「恥も外聞もなく」権力をすべて
「自分ファースト」に使うものと思われがちだ。

 だが、繰り返すが、「アメリカファースト」は
党派を超えた米国の国家戦略だ。
トランプ大統領の言葉は品格に欠けるが、
内容的にはオバマ前大統領とそう変わるものではない。
トランプ大統領の実際の行動は、
「アメリカファースト」で一貫性があり、
決して「自分ファースト」という感情的なものではなく、
冷徹な計算に基づいていると考えるべきである。

 日本は、「アメリカファースト」に対して、
どう対応すべきであろうか。
この連載は、「アメリカファースト」に象徴される
世界の「ブロック化」の流れの中では、
日本は東洋の一小国の地位に落ちる
危険性があると指摘してきた(第149回)。

 そもそも、日本の戦後の発展は、
東西冷戦期の米国の国家戦略において、
共産主義ブロックと対峙するフロントラインの日本が
最重要拠点となったことで、
米国に「守ってもらい」「食べさせてもらう」ことが
できたからである(第170回)。
この、奇跡的で幸運な状況がなければ、日本は資源もなく、
工業化もできず、
最貧国の地位にとどまっていたかもしれないのだ。

岸信介元首相の孫である安倍晋三首相は、
実はこの現実を祖父から教わり、
よく理解しているのかもしれない。
トランプ大統領の「アメリカファースト」に対して、
「超対米従属」に徹する姿勢を示し、
過去最高の日米関係と評される
「ドナルド・シンゾー関係」を築いてきた。
これは、極めて適切な対応だと思う。

 だが、相手に手の内を見せず、
突如大胆な行動に出るトランプ大統領が、
今後どのように動くかは読めない。
例えば、「北朝鮮ミサイル開発」について、
レックス・ティラーソン国務長官が
「前提なしで北朝鮮と対話する用意がある」
という主旨の発言をした。
これは、従来の「北朝鮮の核保有を認めず、
非核化を実現する」という、
日米が堅持してきた方針の転換を示唆するものである。

 この連載は、「北朝鮮ミサイル開発」について、
戦争の可能性よりも、その前の外交交渉が重要だと指摘してきた。
米国が「アメリカファースト」に基づいて、
北朝鮮が米国に核を向けなければいいというディールを行い、
日本にだけ核ミサイルが向いた状態で事態を終結させる。
そして、トランプ大統領は
「シンゾー、大丈夫だ。米国から武器を買って守ればいい」
と言い、「米国は常に、同盟国・日本とともにある」と、
安倍首相の肩を叩く(第166回)。
ティラーソン国務長官の発言は、
日本がアメリカファーストに振り回され、
結局孤立するリスクを示すものといえるだろう。

「米国に食べさせてもらう」同盟国から
「米国を食べさせる」同盟国へ

 それでは、日本はただ「超対米従属」に
徹することしかできないのだろうか。
筆者は日本にも攻め手はあると考える。
米国は、今でも同盟国の存在を必要としているからである。
これまで米国の同盟国とは、
米国が安全保障上の戦略拠点とするために、
米国が軍事力を展開して安全を保障し、
米国市場への自由な輸出を認めることで
経済成長させてきた国々であった。
いわば、日本に象徴されるように
「米国に守られ」「米国に食べさせてもらった」
のが同盟国であった。

 トランプ大統領は、これらの同盟国に対して
米国製品の購入を要求している。
いわば、「米国を食べさせろ」と言っているのだ。
シェール革命によって米国「ものづくり」が復活しているが、
儲けるためには輸出先が必要になってくる。
つまり、米国は今後も同盟国を必要としている。
ただし、それは米国が「食べさせてやる」同盟国ではなく、
米国を「食べさせる」同盟国である。

 トランプ大統領が、同盟国・日本を重視してきた理由は、
究極的には「米国を食べさせることができる」経済力を
持っているからなのではないだろうか。
日本の活路は、ここにある。資源のない日本は、
貿易立国として国際経済の
ネットワークを築いて生きていくしかない。
ナショナリズムは百害あって一利ない。
(↑※ここは私は疑問符があります)
グローバリゼーションの中で稼ぐ力をつけて、
米国を食べさせる続けることである。
その意味で、「TPP11」を推進する安倍政権は正しい。

「世界の警察」からアメリカはどう撤収していくのか
(ささき としなお、1961年12月5日 - )は、
日本のジャーナリスト・評論家。
妻はイラストレーターの松尾たいこ。

「フォリンアフェアーズリポート」日本語版の今月号
(2016年7月号)に、リアリスト政治学の大家
ミアシャイマー・シカゴ大教授が
「アメリカはグローバルな軍事関与を控えよ」
という原稿を書いていて、たいへん面白かった。
アメリカは冷戦終了の後、世界の各地に積極的に介入して
覇権国家に対処するグローバルエンゲージメント、
つまり「リベラルな覇権」戦略をとってきたけれど、
これが膨大な軍事費を必要とし、
さらに占領地における拒否反応とそれに伴うテロを引き起こして、
アメリカ国民を疲弊させる結果となった。
だから「リベラルな覇権」戦略はそろそろ変更せざるをえない。
かといってトランプが言うような孤立政策をとるのではなく、
アメリカはかつてのオフショアバランシング戦略へ回帰せよ、
というのがミアシャイマーの主張。
「世界の警察官を務めるのではなく、
台頭するパワーを牽制する役割は地域諸国にゆだね、
必要な場合にだけ介入する」ということ。
歴史を見ると、たとえば中東ではアメリカは
長くオフショアバランシング戦略をとってきた。
油田地帯で特定の国が覇権確立するのを防止する役目は
イギリスにゆだね、しかし1968年にイギリスが撤退を表明すると、
今度はイランのパーレビ国王とサウジ王室に
地域バランサーの役割をゆだねた。
パーレビ体制が1979年のイラン革命で崩壊すると、
アメリカは緊急展開部隊を整備して、
イランイラク戦争でもイラクを支援するなど
後方で立ち回ったけれど、軍事介入はしなかった。
最終的に軍事介入をしたのは、イラクがクウェートを侵略し、
サウジなど湾岸諸国を脅かしはじめてから。
これが湾岸戦争。
ミアシャイマーは、アメリカは湾岸戦争のあとは
中東とは距離を置いて、イランとイラクの
相互牽制にゆだねればよかったのだ、と指摘してる。
ヨーロッパへの介入も同じで、ソ連が崩壊して
覇権がなくなった後は、ヨーロッパでの軍事を削減して、
ロシアとの関係を改善して
あとはヨーロッパ人に安全保障をゆだねればよかったのだ、と。
リアリズムは「世界を平和に」といったお題目ではなく、
みずからの国の利益を現実的にどう守るかということを
軸にするので、アメリカの見方にたてば
オフショアバランシングは当然の方向になっていくのかも。
特にトランプやバーニーサンダースが登場してきて、
「アメリカ政府は世界の警察官から撤退し、
国内の問題に目を向けて欲しい」という
国民の声がきわめて大きくなっていることを
あからさまにしてしまった以上、
今後だれが大統領になるにしても、
現在のグローバルエンゲージメント戦略は
縮小の方向に行かざるをえないんじゃないかなと思う。
そうなってくると日本政府は、日米安保による
安心・安全だけじゃなく、東南アジアや
韓国なども含めた周辺国とともに覇権を牽制し、
東アジアの安定を維持していかざるをえなくなる。
「安保法制で安倍政権はアメリカと一緒に
遠隔地の戦地に兵を送ろうとしている」論は、
この事態になったときにどうするのかという問題。
というか、安保法制はそもそもこういう
予測されている未来を織り込んで
議論されるべきだったはずなんだけど......。
ただミアシャイマーは、「欧州と中東からは撤退し、
しかしアジアには今後も関与を」とも主張している。
「中国封じ込めを地域国家にゆだねるのが理想的だが、
それだけではうまく機能しない。
中国は近隣諸国よりもはるかにパワフルなだけでなく、
地域諸国が地理的に点在しているために
中国への対抗バランスに向けた
連帯や同盟を組織するのはむずかしい」。
だから日本や東南アジアなどの地域諸国のこころみをうまく調整し、
背後から支える必要がある、と。
なるほどね。だいぶ理解が深まりました。


米軍再編(べいぐんさいへん、
Transformation of the United States Army
トランスフォーメーション)とは、
世界の安全保障環境とアメリカ合衆国の安全保障に対応した
世界戦略の転換に応じるために行なわれる、
アメリカ軍の変革である。
その変革は、戦闘の4領域、すなわち、物理的領域、情報的領域、
認知的領域、社会的領域のすべてにまたがる、
極めて抜本的なものである。
目次 1沿革 1.1再編前夜 1.1.1国際情勢の変化
1.1.2RMAの進行 1.2NCWの創案 

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