いろんな報道: 【平成30年北海道胆振東部地震 道内初の震度7、全道ブラックアウトから泊原発再稼働への道のり】「北電ブラックアウト」は人災だったと言えるこれだけの理由、川口マーン恵美氏。官房長官会見、泊原発「直ちに再稼働せず」。北電の対応「おろそかになっていたのでは」 全道停電、道議会で苦言相次ぐ。【GEPR】北海道の電力供給体制の今後と泊原発。池田信夫、【GEPR】冬までに泊原発を再稼動して命を守れ。澤田哲生、北海道地震、未曽有の大停電は菅直人にも責任がある。原発ってどこにある?今、動いてる?。第619回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合 (平成30年08月31日)。北海道電力株式会社 泊発電所、審査状況 | 原子力規制委員会。【GEPR】原子力規制委員会と法治主義。

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【平成30年北海道胆振東部地震 道内初の震度7、全道ブラックアウトから泊原発再稼働への道のり】「北電ブラックアウト」は人災だったと言えるこれだけの理由、川口マーン恵美氏。官房長官会見、泊原発「直ちに再稼働せず」。北電の対応「おろそかになっていたのでは」 全道停電、道議会で苦言相次ぐ。【GEPR】北海道の電力供給体制の今後と泊原発。池田信夫、【GEPR】冬までに泊原発を再稼動して命を守れ。澤田哲生、北海道地震、未曽有の大停電は菅直人にも責任がある。原発ってどこにある?今、動いてる?。第619回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合 (平成30年08月31日)。北海道電力株式会社 泊発電所、審査状況 | 原子力規制委員会。【GEPR】原子力規制委員会と法治主義。

北海道地震 もし泊原発が動いていたら停電しなかった?!
ブラックアウトで顕在化した致命的リスク!【上念司】
voicerepo 2018/09/09
平成30年北海道胆振東部地震に関して「上念司」氏が語った。
ソース:おはよう寺ちゃん活動中!(2018年9月10日)
寺島尚正(文化放送アナウンサー)上念司(経済評論家)
2018年9月6日午後、停電で明かりが少ない
札幌市中心部の大通公園付近。手前中央に
さっぽろテレビ塔がある(共同通信社ヘリから)

「北電ブラックアウト」は人災だったと言える
心よりお見舞いを申し上げます。

台風による被害が収束しないうちにやってきた大地震。
北海道は、台風や地震とはそれほど縁のない土地だ。
だから地震のショックはもとより、
余震の中での電気のない生活は
どれほど辛かったか想像に余りある。

電気は貯められない。
しかも、多すぎても少なすぎても停電になるので、
常に需要に供給量を合わせていかなければならない。
読売オンラインは、
「電力会社は、発電する量と消費する量が
おおむね一致するように調整している」と
サラッと書き流していたが、それがどれだけ難しいことか。

電気需要は、まず、季節によって大きく変動するし、
寒波や猛暑、高気圧の居座りなど、中期的変動もある。
平日と週末でも変わる。
1日の中でも、巨大ビルが目覚め、工場が稼働し始めると、
それに合わせて各発電所が出力を上げていく。
W杯やオリンピックの自国戦があれば、
休日や夜間でも、突然、電気の需要はコブのように盛り上がる。
さらに昨今は、そこにお天気まかせの再エネが入ってくるので、
調整はさらに複雑になった。

今回のブラックアウトは、地震発生当時、
全電力需要の半分を発電していた苫東厚真火力が
停止してしまったので、他の発電所も発電機の故障を防ぐため、
次々に自動停止して起こった。
電力会社の社員は、停電をさせてはならないという
DNAを持っているので、その瞬間から寝ずの復旧作業が始まった。
他の電力会社からも救援のため、
同じDNAを持った人たちが発電車両を駆って北海道に向かった。

ブラックアウトの原因
需要と供給を合わせるのが難しいと書いたが、

今では多くをコンピューターがやってくれる。
しかし、ブラックアウトが起こったあと、
一つ一つ発電所を復活させていくのは、
誰も経験したことのない、まさに未知の領域だ。

今まで知らなかったが、一度止まってしまった発電機を
稼働させるには、種火となる電気が要るそうだ。
ところが、今回は北海道全体が停電していた。
そんな場合、電気なしに発電を再開できるのは、
水力しかない。だから北電では、水力発電所で作った電気を、
まさに貴重な火種として、まず、砂川火力発電所を立ち上げた。

ただ、送電したその瞬間にどれぐらいの需要があるかは、
やってみなければわからない。
家で心細い思いをしていた人々は、
冷蔵庫がブーンと唸り出したのを聞いて、
「わー、電気、付いた、付いた!」と喜べば済むが、
そこで需要と供給のバランスが大きく食い違ったら、
また、自動停止となり、元の木阿弥だ。

そこで、一定の範囲に限って慎重に送電し、
バランスが上手く取れたとわかったら、
発電量と送電の範囲を少しずつ広げていく。
針の穴を通すような、緊張の時間だったに違いない。
こうして、あの広い北海道で、8日の夜には、
ほぼ全域で電気が回復した。まさに神業だった。

なのに、巷には、その北電を非難する声がある。
ブラックアウトが起こったのは、
北電が、発電を苫東厚真の火力に
一極集中していたのが悪いそうだ。

苫東厚真の一極集中は当たっている。
それがブラックアウトの直接の原因であったことも確かだ。
しかし、北電がそれを望んでやっていたかというと、
そうではない。泊原発を動かせないから、
一局集中してしまったのだ。

東日本大震災の前、泊原発は北海道の電気の44%を担っていた。
それが停止したら、当然、電気が逼迫する。だからといって、
火力発電所をすぐに新設できるわけはない。
仕方なしに、廃止するはずの老朽火力まで動員して、
この6年間、必死でやりくりしてきた。
老朽火力はトラブルが多いのに、よくもまあ、
今まで大停電も起こさずに頑張ってきたものだと思う。

泊原発は東日本大震災の影響を受けなかったので、
福島原発の事故の後も、その翌年の
ゴールデンウィークまで稼働した。
つまり、日本で最後まで頑張った原発だ。
それ以来、再稼働を目指し、新規制基準に対応するよう
鋭意努力を続けてきた。
現在の日本の原発の安全基準は、世界一厳しい。
何が起こっても大丈夫なようにと、電源、ポンプ、
燃料、水は、これでもかというほど、何重にも確保した。

地震対策も万全だ。泊原発の最大加速度については、
今のところ620ガルに耐えられるようにと、
必要な補強工事が進められている
(ガルというのは、物理学における揺れの激しさを示す単位)。

ちなみに、東日本大震災のときの福島第一原発では
最大で550ガルの揺れ。先週の地震の泊の揺れは、
1号機、2号機、4号機が、それぞれ6ガル、
7ガル、6ガルだった(3号機はすでに廃止)。
原子炉建屋など重要な建物は、強固な岩盤に
直接くっつけて建設してあるので、
泊原発はほとんど揺れなかったと言ってよい。

この原発が稼働していれば、苫東の一極集中もなかったし、
ブラックアウトも起こらなかっただろう。

泊原発の再稼働が認可されない理由
ところが、とんでもないデマが飛び交っている。

朝日新聞系列のAERAdot.の9日付の記事では、
「2011年の東京電力福島第一原発事故による大きな教訓は、
大規模災害が起きても『絶対に電源を切らさないこと』
だったはずだ。それがなぜ、わずか震度2で電源喪失寸前まで
追い込まれたのか」と書く。
タイトルは、「震度2で電源喪失寸前だった北海道・泊原発
『経産省と北電の災害対策はお粗末』地震学者」。

繰り返すようだが、泊の原子力発電所は6年間動いていない。
3基ある原発には、使用済みとこれから使う燃料棒を
保管してある水槽がある。圧力容器ではなく、普通の水槽だ。
ここが停電になっても、突然、水が沸騰し、蒸発し、
むき出しになった核燃料が爆発の危険に晒される
というようなものでは決してない。

普段、核燃棒の冷却には普通の電気が使われている。
ところが、北海道全土が停電になってしまったので、
当然、電気が来なくなった。僭越ながら、
外部電源喪失というのは停電のことだ。

だから、燃料棒の冷却のため、予備の非常電源を使った。
そのどこに問題があるのか? 
私は理系の人間ではないが、それでも、福島第一や
第二の電源喪失と、泊のそれの違いぐらいはわかる。

ところが、太田某という女性弁護士は、この記事を読んで、
「震度2で電源喪失寸前ってどれだけ危ういのか。
お粗末という言葉でも足りない。
原発持てる国土じゃないって認めようよ」と発信しているので、
わからない人もいるらしい。
日本が原発を持てる国じゃなければ、
どの国が持てるのだろう?

これだけ厳重に安全対策が敷かれている泊原発の再稼働が
未だに認可されない理由は、原発の近隣の海岸の地形が、
新潟の佐渡島の小木半島、および青森県大戸瀬周辺に
似ているからだというのである。
この両者は、地震の隆起でできた地形であり、
泊も似ているから、ひょっとすると原発の近辺、
あるいは真下に活断層があるかもしれないというのが、
原子力規制委員会の見解。

発電所敷地内の断層については、北電が念入りに調査したが、
いずれも後期更新世(12万6000年前から1万1700万年前まで)
以降の活動は認められていない。
しかし、原子力規制委員会は2017年3月、
北電の提出したデータを認めなかった。
規制委というのは、原発を稼働させないことが
自分たちの使命だと固く信じている人たちの集まりだ。

資源貧国の生きる道
規制委の不思議な生い立ちを、
東京工業大学先導原子力研究所助教授の
澤田哲生氏が下記のように説明する。

「規制委は(略)強大な権限を持つ『3条委員会』
(府省の大臣などからの指揮や監督を受けず、
独立して権限を行使することができる機関・著者注)
として発足した。(略)そのことを菅氏は
2013年4月30日付の北海道新聞に臆面もなく吐露している。
(略)『トントントンと元に戻るかといえば、戻りません。
10基も20基も再稼働するなんてあり得ない。
そう簡単に戻らない仕組みを民主党は残した。
その象徴が原子力安全・保安院をつぶして
原子力規制委員会をつくったことです』」
(『北海道地震、未曾有の大停電は菅直人にも責任がある』
iRONNA9月7日付)

規制委が菅直人の負の遺産と言われる所以だ。

北電の発表では、泊発電所の安全対策工事費の総額見通しは、
「20億円台半ば程度」。
これだけしても、規制委がある限り、
いつ再稼働できるやらさっぱりわからない。

ただ、幸いなことに、福島第一の事故以前から、
つまり、泊が稼働していた時から、
北電は石狩湾新港発電所の新設計画を進めていた。
完成予定は来年の3月。

元々は、老朽化した石炭火力を止めて、
CO2排出の比較的少ないLNG(液化天然ガス)で
置き換えるつもりだったが、いまのところ、
老朽火力の廃止はあり得ない。
そんなことをしたら、たちまち電気が足りなくなる。

私は、今回のブラックアウトは人災だったと思っている。
現在の北海道の状態は、元気な主力選手をベンチに引っ込めて、
二流選手に発破をかけ、人数が足りないので
とっくに引退した選手まで引っ張り出し、
挙げ句の果てに、試合に負けたからと叱責しているようなものだ。

日本のように資源貧国が原子力を使わなければ、
徒らに国力を弱める。日本が戦後、平和で、
しかも豊かな国になれたのは、決して偶然ではない。
その貴重な宝物を、私たちが壊してしまっては、
先人にも子孫にも申し訳が立たない。
原子力規制委は、一刻も早く菅直人氏の呪いを振り切り、
国民の生活を守るためにも、
安全な原発の再稼働に踏み切ってほしいと願う。

北電 エネルギー・電力設備 1
川口マーン惠美氏によるご視察

胆振東部地震による道内全域での停電を巡り、
10日の道議会産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会で、
北海道電力の姿勢を問題視する意見が出た。


 自民党・道民会議の村田憲俊氏(後志管内)は
「苫東(厚真火力発電所)はかなり古く、
対応しなければならないことは分かっていた話だ。
おろそかになっていた懸念がある」と指摘し、
「北電は企業の社会的責任をうたっているが、
意志が見えない」と批判。道に指導力の発揮を求めた。

 同会派の笠井龍司氏(釧路市)も
「大変な事態を引き起こした当事者として、
しっかり説明責任を果たさなければならない」と注文した。
道の倉本博史経済部長は
「まずは関係者一丸で電力の完全復旧に全力を尽くす。
その上でしかるべき時期にしっかり検証したい」と語った。

(佐藤陽介)

【GEPR】北海道大停電の責任は安倍政権にもある
2018年09月11日 12:00 池田 信夫 アゴラ
今回の大停電では、マスコミの劣化が激しい。
ワイドショーは「泊原発で外部電源が喪失した!」
と騒いでいるが、これは単なる停電のことだ。
泊が運転していれば、もともと外部電源は必要ない。
泊は緊急停止すると断定している記事もあるが、
泊は震度2で、苫東とは送電系統が別なので緊急停止しない。

原発は出力を調整できないベースロード電源なので、
24時間フル稼働する。泊の207万kWが動いていたら、
深夜3時の消費電力300万kWを供給するには、
あと約100万kWあればいい。
実際のオペレーションがどうなっていたかはわからないが、
次の表のように北電の火力は406万kWあるので、
その1/4の出力を各発電所に分散して
運転することはむずかしくないだろう。
苫東が落ちた原因は、北海道全体の消費電力の55%を
3基の発電所で供給し、ぎりぎりの状態で運転していたからだ。
泊が動いていれば出力に余裕があるので、
3基すべて落ちることは考えにくい。
もし落ちたとしても、残りの火力は241万kWある。
深夜なのですべて動いているわけではないが、
出力に2倍以上の余裕があれば、
稼働率を上げて苫東の負荷を吸収できただろう。
安倍首相と原発政策を所管する世耕経産相
(官邸サイトより:編集部)

要するに問題は、北海道の発電能力780万kWのうち
200万kWが欠け、残り580万kWの発電所で電力を
供給しているということだ
(これ以外にも新電力の太陽光・風力があるが、
大停電では役に立たない)。
北海道の2017年冬の最大消費電力は525万kWだったから、
すべての火力をフル稼働しても余裕は55万kWしかない。
また苫東4号機(70万kW)のような
大きな火力が落ちたら大停電だ。

これを防ぐ有効な方法は、泊の再稼働である。
それですべてが解決するとはいわないが、
それをやらないで小さな発電所を増設しても役に立たない。
北電も電力自由化時代に、そんな投資をするわけには行かない。
泊が稼働したら、大幅な過剰設備になってしまうからだ。

このような変則的な状態を6年も続けているのは異常だ。
原子炉等規制法では新規制基準の適合性は運転と並行して
審査することになっており、これを「田中私案」という
個人的メモで無期限に止めている規制委員会の運用は違法である。
こういう状態を作り出したのは民主党政権だが、
法的根拠のない「活断層」問題で暴走する規制委員会を
止められない安倍政権にも大停電の責任がある。

9月6日午前3時8分ごろに発生した北海道胆振東部地震は
最大震度7を計測し、直接被害のみならず、
苫東厚真発電所の緊急停止を契機とした
北海道全土の停電を通した二次被害を招くことになり、
我が国全土に衝撃を与えた。
本稿では東日本大震災以後の北海道電力の
経営環境の変化を簡単に見ていくことで、
今回北海道エリア全域で停電が生じた背景を探るとともに、
今後の北海道の電力供給体制をめぐる論点を考えていきたい。

北海道の電力供給の主軸を担うのは北電こと
北海道電力であることは今更言うまでもないことであるが、
東日本大震災以後、北電の経営環境は

① 新規制基準に適応するための原子力発電の長期停止、
② 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(以下「FIT」)の開始、
③ 電力自由化による新規プレイヤーの参入、

という3つの意味で大きな変化を迎えることになった。
この結果、北電の電力供給体制にどのような変化が生まれたかを
簡単にまとめたのが以下の表である。
上の表は東日本大震災が止まる以前の2年間(2009fy、2010fy)と、
直近2年間(2016fy,2017fy)の北電の電力供給基礎データの
平均を比較したものである。
詳細な説明は省くが北海道エリアの全発電量に対する
北電の電源別のシェア、および、その変化をまとめた
D、H、Gの列を見れば、北電の電力供給体制には
2つの変化が生まれていることがわかる。
一つ目は、原子力発電が止まった結果、火力発電の
供給シェアが急伸(27.99%増)し、
全体の65.83%を占めるまでに拡大したことだ。
もう一つは北電の北海道エリア全体に占めるシェアが、
98.06%から91.86%ヘと6.2%ほど下落したことだ。

前者に関してはある意味当たり前のことなのだが、
後者に関しては若干解説がいる。
北電の発電シェアが下落した理由は大きく二つの要因がある。
一つはFITによる再生可能エネルギーの導入拡大の影響である。
2018年5月11日 北海道電力株式会社 会社説明会資料

FITの開始により、北電エリアでは太陽光および風力発電の
開発が進んだ。特に太陽光発電の伸びは著しく、
2011年度の6万kW規模から、2017年度には133万kWと
20倍以上に増加している。風力発電に関しては
29万kWから39万kWと太陽光に比べれば伸びが弱いが、
今後は導入が強化される見込みで、北電は最終的な導入量を
太陽光発電は223万kW、風力発電は144万kWと想定している。

北電がファクトブックで公表している値から計算すると、
2011年度時点の再エネの発電シェアは2.13%に過ぎなかったが、
筆者が北電の公開データから計算したところ、
2017年度時点の水力発電を除く再エネの発電シェアは
7.89%程度と5.76%も上昇している。
ただ、そもそもファクトブックで発表している資料での
数値の定義が明らかになっていないため、
筆者の計算は正確なものとはいえないのだが、
それにしてもFITの対象となる再エネのシェアが
5%程度は伸びていることは確実であると言えよう。

続いて、もう一つの要因である電力自由化の影響についてだが、
こちらは北海道管内では、主として北海道ガス
新電力として低圧分野のシェアを伸ばしており、
この影響などでシェアが低下したと考えられる。
北海道ガスは、今月にも78MWの石狩LNG発電所
稼働する見込みで、これは北海道ガスのシェア増加という
意味にとどまらず、北海道エリアの電力需給逼迫を
緩和させる意味でも大きな役割を果たすことになるだろう。
なお石狩エリアでは北電も2019年2月に、
同じくLNG火力発電所である
その後順次2号機、3号機を建設し170万kW規模まで
拡大させる予定としている。
この石狩湾新港発電所1号機は、老朽火力である奈井江、
音別火力発電所を廃止し、代わりに新設する、
いわゆる「スクラップ&ビルト」で
進められるものと位置付けられている。

その意味で今回の胆振東部地震は、
「原発が休止している、老朽火力の廃止準備が進む、
新設火力がまだ稼働準備中」という
最悪のタイミングが重なった故に起きた事態と言えよう。
石狩地域の新LNG火力発電群が立ち上がっていれば、
おそらく全道停電は起きなかったか、
もしくは短い時間で止まったと考えられる。
その意味では現在の北海道エリアでの
電力需給の逼迫は2019年2月までの短期的な問題とも言えるが、
より長期的な視点で見れば他の問題も浮き上がる。
北海道電力株式会社

北電の電源開発計画として現在着工中のものは、
前述の石狩湾新港発電所1号機のみで、
今後は老朽火力・水力発電の廃止が進められ、
供給力は弱まっていくことになる。
上の表は北電の汽力発電所の概要をまとめたものだが、
すでに前述したように奈井江発電所の廃止は決まっており、
その後順次、苫小牧、伊達、苫東厚真1号機、知内1号機、
といった発電所が廃止していくことが見込まれる。

そもそも老朽化しているのはもちろん、
なおかつ石油発電については太陽光発電・風力発電に
代替されていくことになるからだ。
これはCO2削減という観点ではめでたい話だが、
太陽光発電・風力発電は需要に合わせて発電を調整できないため、
調整力がない電源が、調整力のある電源を塗り替える、
という意味で、系統の脆弱性を高める要因にもなっている。

ここで重要となるのは、調整電源としての性能の高い
LNG火力発電所の新設である。
その意味で石狩湾新港発電所の2号機、3号機の建設が
着実に遂行されることは北海道全体の電力系統の調整力を
高める上で非常に重要なことであるが、そのためには
北電がこの大規模投資に見合った経営体力を有することが
必要不可欠となる。

ここで忘れてはならないのは、2020年度には
北電の発電部門は、電気事業法改正の経過措置期間を終え、
電力の供給義務から解放されることだ。
北電の発電部門は純粋に経営のみを考えればよくなり、
石狩湾新港発電所の2号機、3号機の建設が行われない可能性も
十分にあることを我々は真剣に捉える必要がある。

現在マスコミでは「北電は経営のみを考えて、
危機対策が不十分だった」との指摘がなされているが、
2020年には北電の発電部門は実際経営だけを
考えればいい状況が生まれることになるし、
またそのような状況を作った主因は
他ならぬ東日本大震災後の
マスコミの報道姿勢だということを忘れてはならない。

ここでようやく泊原発の議論になるわけだが、
石狩湾新港発電所1号機さえ稼働すれば、
短期的には泊原発が稼働しなかったところで
電力供給の面で大きな問題が起きることはないだろう。
ただ問題は、今後、長期的には苫東厚真の採算性が
落ちていくことが確実なことである。
石炭火力は稼働率が低いと採算性が
大きく落ちるという特性がある。
資源エネルギー庁「火力発電に係る昨今の状況資料」

他方、石狩ではLNG火力発電群(1号機と北ガス発電所)が
稼働し始め、北海道管内での風力、太陽光発電の導入は
まだまだ進むことになる。
加えて小売事業者に非化石電源比率44%以上を義務付ける
パリ協定に基づくCO2規制もあり、
苫東厚真火力発電所の稼働率は落ちざるを得ず、
また老朽化による影響で苫東厚真発電所の1、2号機の
維持コストが上昇していくことは確実だ。
これらを考えると徐々に同発電所の採算性は
落ちていくことになるだろう。

ここで考えられる現実的なストーリーの一つが
「泊原発の稼働が進まないまま再エネの導入が進み、
苫東厚真発電所の稼働率が徐々に落ち、
また、老朽化して維持コストが上がり、
他方新電力との競争の中で値段も上げられず、
北電の経営が悪化していく。
その結果、北電が経営体制を縮小して、
泊原発および苫東厚真1,2号機を廃止し、
石狩湾新港のLNG発電所群の運営に専念する」
というものである。

この場合でもおそらく平時の電力供給は
充たせることになるだろうが、
今度は北海道の西部の狭い地域に発電所が集中することになり、
なおかつ、供給予備力が大幅に落ちることになる。
こうなると北海道は常時綱渡りの電力需給の調整を
迫られることになり、災害に極めて脆弱になってしまうだろう。
そしてこれは現実に起きる可能性が高いストーリーでもある。

私は、短期的には泊原発の稼働は北電の経営問題に帰結する、
との立場であるが、泊原発の停止が長引き北電の
経営を圧迫した時に、供給責任を持たない発電事業者が
どのような経営判断をするのか、
またその時に、北海道の電力供給体制に何が起きるのか、
ということについては、北海道民はこれを機に
よくよく考えてみる必要があるように思う。
そしてその上で、泊原発とどう付き合うのか、
北海道民は選択するべき時期が
そろそろ来ているのではないかと思う。


アゴラチャンネル 2018/09/07 に公開
アゴラチャンネルにて池田信夫さんのVlog、
「大停電はなぜ起こったか」を公開しました。
第619回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合
(平成30年08月31日) 2:48~開始 
NRAJapan2018/08/31 にライブ配信
平成30年08月31日開催、第619回原子力発電所の
新規制基準適合性に係る審査会合を公開いたします。
■開催概要 開催概要、議題、配布資料等は
以下のリンクからご覧ください。 
----- 原子力規制委員会ホームページ 
※以下について、予めご了承ください。 
・諸事情により時間の変更等の可能性があります。
このため予定が遅延・延長する場合がございます。
・インターネット回線状況等により、
生放送が中断する場合がございます。 
・ホームページのリンク切れが起こる可能性がございます。

泊原発「直ちに再稼働せず」
2018年09月11日 07時43分 読売新聞
ニフティニュース
 菅官房長官は10日の記者会見で、
北海道電力泊原子力発電所(北海道泊村)の再稼働について、
「原子力規制委員会で新規制基準に基づく
安全審査中なので、直ちに再稼働することはあり得ない」
と否定した。

 北海道地震を受け、電力需給が
逼迫ひっぱくする恐れが出ているが、
政府は火力発電所の再稼働や本州からの電力融通に加え、
節電を呼びかけることで対応する方針だ。

アゴラチャンネル 池田信夫
北海道の地震による大停電は復旧に向かっているが、
今も約70万世帯が停電したままで、
事故を起こした苫東厚真火力発電所はまだ運転できない。
古い火力発電所を動かしているが、
ピーク時の需要はまかないきれないため、
政府は計画停電を検討している。
北海道の電力は足りてないのだ。
北海道の電力供給がぎりぎりで危険な状態にあることは、
以前から多くの専門家が指摘してきた。

今回の大停電の直接の原因は、震源の真上にあった
苫東厚真発電所が地震で停止したことだ。
図のように苫東は北海道の電力網のハブのような位置にあり、
3基で出力165万kWと北海道の最大消費電力380万kWの
4割を発電している。これがすべて地震で停止したため、
事故が同じ送電網の他の発電所に連鎖的に波及したのだ。

大停電が起こるときは徐々に起こるのではなく、
一つの送電網のすべての発電所が一挙にダウンする。
電力供給は「同時同量」で、つねに需要と供給が
一致していないといけない。
電力需要が供給を上回って発電所に過大な負荷がかかると、
電力の周波数が下がり、電気設備や電子機器が壊れるので、
安全装置が働いて発電所が送電網から切り離される。

今回は苫東が停止して、同じ送電線につながる他の発電所に
大きな超過需要が発生し、負荷がかかった。
これを他の発電所で吸収できれば送電は続けられるが、
地震の発生当時、苫東は全電力の55%を発電していたので、
送電網全体で供給が不足して発電所が送電網から遮断され、
連鎖的に大停電が起こったのだ。

つまり今回の事故の最大の原因は電力供給が需要を大幅に下回り、
苫東の停止による負荷を他の発電所が吸収できなかったことにある。
一時的には本州との連系線も動いたようだが、
これは最大でも60万kWで、苫東の脱落をカバーできない。

これをマスコミは
「北海道電力が発電所を集中配置したためだ」と批判しているが、
図でもわかるように泊原発(207万kW)は
苫東から100km近く離れた場所に分散配置されており、
今回は震度2だった。
通常なら原発は(地震の起こった)深夜の3時には
フル稼働しているので、苫東が落ちても
残りの約100万kWの負荷は、
他の火力と北本連系線で吸収できたはずだ。
ところがその泊が動かせない。安全審査はほぼ終わったが、
「敷地内の断層が12~3万年以降に動いたかどうか」
をめぐって紛糾しているからだ。
その基準は曖昧で法的根拠もないが、
北電は設備の増設をためらってきた。
人口の減少する北海道で発電所を増やすと、
泊が動いたら設備が大幅に余ってしまうからだ。

安全性の問題というなら、12万年前の断層より、
今年の冬にまた大停電が起こるリスクのほうがはるかに大きい。
上にも書いたように大停電の原因は発電所に
過大な負荷がかかったことだから、
地震だけでなく
送電線の断線などの技術的な事故でも起こりうる。

根本的な問題は、北海道の電力インフラが
綱渡り状態にあることだ。
今まで経産省も北海道庁も
責任を北電に押しつけて逃げてきたが、
真冬に大停電が起こったら多くの凍死者が出るだろう。
そのときは行政の責任が問われる。
北海道民の命を守るために、泊の再稼働を急ぐべきだ。

北海道地震、大停電の責任は誰か
最大震度7を観測した北海道地震では、
道内全域295万戸が停電する異常事態に陥った。
火力発電所のトラブルが直接の原因とはいえ、
地震の影響が少なかった泊原発がもし再稼働していれば、
「ブラックアウト」は防げた可能性が高い。
とすれば、やはり大停電の責任の一端に
あの人の顔が浮かんでくる。

澤田哲生(東京工業大学先導原子力研究所助教)
 9月6日深夜3時8分、北海道を襲った最大震度7の地震は、
道内全域をブラックアウト(停電)に陥れた。
私たちは広域停電の恐怖をまざまざと見せつけられたのである。
295万戸が停電し、発生から丸1日たっても
約131万戸分しか電源は回復しなかった。
完全復旧には1週間以上かかる見通しだ。

 道内全域の長時間にわたるブラックアウトの原因は
意外なものだった。
それは、震源地に近い北海道電力苫東(とまとう)
厚真火力発電所(厚真町、165万キロワット)が
大きなダメージを受け、
一時停止せざるを得なくなったからである。
この火力だけで道内の電力の約半分を担っていた。
苫東厚真の脱落の結果、電力網全体で需給バランスが
一気に不安定化した。
そして道内の他の火力発電所が次々に停止し、
道内全域停電という事態に陥った。

 電力安定供給を至上使命としてきた電気事業者にとっては、
まさにほぞをかむ事態である。
この事態を招いた原因として、強大な権限を背景に
科学的判断を避け続けた原子力規制行政がある。

 泊原子力発電所(泊村)の3基の原子炉の総出力は
207万キロワット。苫東厚真火力の出力を補って余りある。
しかし、泊原発は3・11後にいったんフル稼働運転を
したものの、2012年5月5日に定期点検に入り、
今日に至るまで停止したままだ。
そう、日本は「原発ゼロ」になったのである。
今、泊原発の原子炉内の燃料棒は全て引き抜かれ、
使用済み燃料プールにおいて冷却されている。
今回の地震で泊村の最大震度は2であった。
そもそも、原子炉は強固な岩盤に直付けされている上に、
一般の建造物に比べてはるかに厳しい耐震強度が、
昔から課せられてきた。
つまり、この震度2程度の揺れでは、何ら影響を受けずに
運転を続けていたはずである。
そうすれば、今次の「全道大停電」は回避できた可能性が高い。
ただし、「もし泊原発が再稼働していたならば」という
仮説ではあるが。
 では、なぜ3・11から7年以上もたっているのに、
いまだに原発が再稼働していないのか。
そこには東日本大震災当時の首相、菅直人氏の深謀がある。
2011年5月、菅氏は首相の立場を最大限に利用し、
首都圏に最も近い静岡県の中部電力浜岡原発を、
その非望のもとに停止させた。
権力を持ってすれば、理にかなわない原発停止要請も
事業者に強いることができることを天下に示したのである。

 続いて菅氏は、原発が「トントントンと再稼働しない」
ための奇手を次々に打っていくことになる。
最も強力な手段が2012年9月に発足した
原子力規制委員会である。
 規制委は「ザル法」と言われる原子力委員会設置法により、
強大な権限を持つ「3条委員会」として発足した。
そして、その長である原子力規制委員長は絶大なる権力を
一身に集めている。
そのことを菅氏は2013年4月30日付の
北海道新聞に臆面もなく吐露している。

 原発ゼロに向けた民主党の工程表は、
自民党政権に代わり白紙に戻されました。
「トントントンと元に戻るかといえば、戻りません。
10基も20基も再稼働するなんてあり得ない。
そう簡単に戻らない仕組みを民主党は残した。
その象徴が原子力安全・保安院をつぶして
原子力規制委員会をつくったことです
(中略)独立した規制委の設置は自民党も賛成しました。
いまさら元に戻すことはできない」

 このように巧妙に仕組まれた「脱原発装置」である
原子力規制委の委員長に就いた田中俊一氏は、
政権を去った菅氏の「意志」を見事に受け継いだ。
菅氏の北海道新聞への吐露に先立つこと1カ月余り、
2013年3月19日に俗称「田中私案」なるものを
委員会に示したのである。
 その文書のタイトルは「新規制施行に向けた基本的な方針」。
この文書は暴論極まりない。
つまり、文書を作成した責任者の明記がないばかりか、
一体この文書が最終的にどのように取り扱われたのか、
杳(よう)として知れないのである。
 とどのつまり、何ら法的根拠に基づかない私案にもかかわらず、
それが大手を振ってまかり通る状況ができたのである。
しかも、この私案にはまさに
「奸計(かんけい)」が巡らされていた。
その最たるものが、国内すべての原子力発電所を
いったん全て停止し、運転再開の前提条件となる
安全審査を異様に厳しい規制基準の下で
ゼロからやり直すというものだった。
 つまり、菅氏が放った「浜岡原発停止要請」の
見事なまでの水平展開を成し遂げたのである。
そのことを見届けた上で、上記の北海道新聞紙上での
「勝利宣言」と相成ったということになる。
「愚相」と揶揄され続けた中での完勝劇であった。
 ところで、泊原発の3基の原子炉は加圧水型軽水炉
(PWR)である。
3・11で重大アクシデントを起こした
福島第1原発はいずれも沸騰水型軽水炉(BWR)だった。
2011年5月、会見で浜岡原発の運転停止を
要請したことを発表する菅直人首相(大西正純撮影)

 両者は、その仕組みにいささかの違いがある。
現在、国内で安全審査を通過して稼働している原子炉は9基ある。
内訳は九州電力4基、四国電力1基、関西電力4基。
いずれもPWRである。
 では、他の電力各社のPWRが再稼働にこぎつけている中で、
なぜ北海道電力の泊原発は再稼働していないのであろうか。
その最大の理由は審査の基準とすべき地震動が
なかなか策定されないことにある。
2015年12月には、それまでの550ガルから
620ガルに引き上げることでいったん決着したかに見えた。
しかし、事はそうたやすくはなかった。
 基準地震動の策定の際に、これまで必ず問題にされてきたのが
「活断層の有無」である。
北海道電力の泊原発は他の電力各社のPWRと
歩調を合わせるかのように新規制基準に合わせるべく
追加的な安全対策を進めてきた。
ところが、2017年4月になって、
規制委員会から泊原発のある積丹半島西岸の海底に
「活断層の存在を否定できない」という判断が下された。

 このことによって、泊原発の再稼働は全く先が見通せなくなり、
窮地に追い込まれた。なぜか。
「活断層の存在を否定できない」という規制委は、
北海道電力に「活断層がないことを証明してみよ」と
迫っているのである。
これはいわゆる「悪魔の証明」であり、立証不可能だ。
積丹半島西岸の海底をくまなくボーリングし、
活断層がないことを証明するなど現実的ではない。

 つまり、非合理極まりない非科学的なことを
規制権限を盾に事業者に強いているのである。
事業者はその対応に苦慮し、
多大な労力と時間を費やすことを強いられているのが現実だ。

 もっと言えば、規制委は自ら科学的判断を
避けているとも言えるが、これは今に始まったことではない。
規制委発足間もない2012年12月、
委員長代理の島崎邦彦氏が、
日本原電敦賀原発2号機の敷地内の破砕帯について
「活断層の可能性が高い」と指摘した。

 しかしその後、内外の専門家が科学的に
慎重な検討を重ねた上で、この破砕帯は
「断層ではない」と報告されている。
この活断層の有無をもって、事業者を手玉にとる
「島崎ドグマ(偏見)」は、
氏が委員会を去った後も
亡霊のように生き続けているのである。

 ちなみに、震度7に相当する目安の地震動は
400ガル以上とされている。
よって、仮に620ガルを基準地震動とすれば、
泊原発は震度7にも十分耐え得る強度を持つ。
もっとも、今回の地震では震源地近くで
1505ガルが観測されている。
2007年の中越沖地震の際、東京電力柏崎刈羽原発では
当時の基準地震動の数倍程度の地震動に対して
原子炉は安全に停止した。
泊原発では、100〜300ガル程度の
地震動を検知すれば自動停止する仕組みになっている。
北海道電力泊原発

 なお、泊原発1〜3号機で実際に検知された地震加速度は
いずれも10ガル以下であった。
つまり、もし今回の地震発生時に泊原発が稼働していれば、
全道大停電は防げた公算が大きいのである。

 規制委発足から間もなく6年。
原子力規制委は一体、いつになれば科学的、
技術的リテラシーに欠ける集団から脱皮できるのであろうか。
さもなくば、全道大停電のような悲劇が
またいつ国民を襲うかもしれない。
言い換えれば、原子力規制自体が「社会リスクを生む」という、
国民への背信行為をもうこれ以上許してはならない。

原発ってどこにある?今、動いてる?
2018年09月01日 | 原発ってなに?
《 311被災者支援と国際協力 》
こどもたちがすこやかに育ちますように。
golondrina643@yahoo.co.jp
2018年9月1日現在7基、
九州電力玄海原発3・4号機と川内原発1号機、
関西電力高浜原発3・4号機と
大飯原発3・4号機が稼働しています。

原発は大量の冷却水が必要なため、海岸沿いに建てられています。
北海道に3基、東北14基、関東甲信越9基、東海5基、
北陸15基、中国2、四国3、九州に6、計57基です。

もんじゅ・常陽も含めると、全国に59基あり、
2013年の時点では、廃止・解体中が8基、
地震により停止したもの14基、政府の要請により
停止しているものが3基、故障中が4基、
定期検査に入ったままのものが28基、
一時稼働していた福井県にある、
関西電力の大飯原発3・4号機も
2013年9月2日に3号機・15日には
4号機が定期検査のため停止しました。

以上の59基以外に、建設中のものが、青森に2基、
島根に1基あり、青森にある東京電力の東通原発1号機は、
工事を凍結していますが、同じく青森の大間原発は
原子炉建屋は完成しており、2012年10月に
工事を再開しています。島根原発3号機は、
ほぼ完成していて、2012年3月に稼動する予定でした。
また、茨城県にある高速実験炉・常陽は
2007年に事故により停止していましたが、
現在再稼働申請中です。
他にも計画中のものが8基あり、
まだ建設の撤回はなされていません。


59基の原発のうち、廃炉準備中及び廃炉が決まったものが
もんじゅを含め23基。常陽を除けば残りは35基となっていて、
そのうち、14原発25基と建設中の大間原発が安全審査を申請。
合格書にあたる「審査書」に適合したのが、
川内原発2基・高浜原発4基・美浜原発1基・伊方原発1基
・玄海原発2基・大飯原発2基・柏崎刈羽原発2基の計14基で、
大間原発と11基は審査中もしくは審査待ちです。
残る10基と建設中の島根原発3号機・東京電力東通原発は
まだ安全審査を申請しておらず、廃炉も決まっていません。

2015年8月12日には、川内原発2号機が再稼働。
2013年に大飯原発の2基が停止して以来、
約2年間原発稼働ゼロでしたが、
1年11カ月ぶりに原発が稼働しました。
つづいて同年10月15日に川内原発1号機が再稼働。
(川内原発1号機は2016年10月6日~12月7日の間、
定期検査のため停止。2号機は
2016年12月16日~2017年2月22日の間、
定期検査のため停止しました。)

2016年1月29日にはMOX燃料を使用する
高浜原発3号機が再稼働、2月26日には同じく
MOX燃料を使用する高浜4号機が再稼働しましたが、
同29日にトラブルにより緊急停止しました。
さらに3月になると、関西電力高浜原発3、4号機
(福井県高浜町)を巡り、滋賀県内の住民29人が
運転の差し止めを求めた仮処分申請で、
大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、
住民側の申し立てを認める決定を出しました。
地裁の仮処分決定を受け、関電はフル稼働中の3号機の
停止作業に入り、10日午前10時に作業開始。
午後7時59分に核分裂反応がなくなり停止しました。
通常の定期検査に入る時と同じ手順で行われました。
これにより国内で稼働する原発は
川内原発の2基のみとなりました。

その後2016年8月12日にプルサーマル発電の
伊方3号機が再稼働。
2017年5月17日には高浜原発4号機、
6月6日には同じく高浜原発の3号機が再稼働
(2基ともプルサーマル)し、合わせて5基が再稼働、
2017年10月3日に伊方3号機、
2018年4月23日に川内原発2号機が定期検査で停止。
一方2018年3月14日に
大飯原発3号機・3月23日に玄海原発3号機
・5月9日に大飯原発4号機・6月16日に
玄海原発4号機が再稼働(合わせて4基)したため、
日本で稼働している原発は7基となっています。
(川内1号機は2018年1月29日~5月29日の間、
高浜4号機は5月18日から8月30日まで定期検査で停止)

※その後伊方原発は訴訟により、
2018年9月まで運転差し止め、
川内2号機は2018年9月に再稼働予定。

北海道電力株式会社 

北海道電力株式会社 泊発電所(3号炉)審査状況
 | 原子力規制委員会 1

2018年9月7日金曜日
【平成30年北海道胆振東部地震 道内初の震度7】
北海道電力。首相官邸、平成30年北海道胆振東部地震について。

GEPR原子力規制委員会と法治主義
By Gepr, agora-web.jp 2017年03月23日 20:00
安念潤司
中央大学法科大学院教授 弁護士

原子力規制委員会(以下「規制委」という)は、
原子力規制委員会設置法に基づき2012年9月11日に発足した。
規制委の正規メンバーである委員長・委員、規制委の
事務局である原子力規制庁(以下「規制庁」という)の
職員にとってこの3年間は、洪水のように押し寄せる
業務の処理に悪戦苦闘する毎日であったに違いない。

原子炉はもとより、ウラン鉱石の精錬から放射性廃棄物の処理まで、
核エネルギーに関するほとんど一切合財の規制を
独立行政委員会方式で行うという、
日本では前人未踏の仕事に取り組んできたのである。
その労苦に対しては、素直に敬意を表すべきであろう。

しかし残念ながら、規制委・規制庁の実績に対して
及第点をつける向きは少ない。
試行錯誤の連続であったに違いない点を
差し引くとしても、である。

再稼動問題の法的な問題点
ジャーナリストの石井孝明氏が月刊誌Wedge2015年9月号に
「次の原発事故を招くガラパゴス規制委」(ウェブ版)という
興味深い論文を掲載していて規制委・規制庁の病弊を
適切にえぐり出しているので、一読をお薦めしたい。
そこでは、例えば、10万枚以上の申請書類など、
規制庁が電力会社に対して途方もないペーパーワークを
要求している現場が描かれている。
また、技術的・工学的な観点からの批判は、
それぞれの分野の専門家からなされるであろう。
そこで私は、法律家として若干の指摘をしたい。

規制委も行政機関である以上、その最大の使命は、
憲法が規定するように、
「法律を誠実に執行」することである(73条1号)。
この規定の含意の一つが、「法治主義」と呼ばれる原則であり、
それによれば、行政機関は、法律の根拠がなければ、
国民に対してその権利を制限し
義務を課する行為をなすことができない。

看過し難いのは、これまでの規制委の足取りを見ると、
この大原則に十分忠実であったか疑わしいことである。
その例として、二つを挙げよう。
ここから先は、法令の細かい読みが要求される問題なので、
退屈極まりなかろうがお付き合い願いたい。

一つは、マスメディアなどがいう原発の
「再稼働の申請」なるものである。
原子炉の設置や、一度設置した原子炉の変更
(機器の新増設がその典型)は、当然ながら、
電力会社が勝手にできるわけではなく、
「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」
に基づいて、その許可を規制委から得る必要がある
(設置について43条の3の5、変更について43条の3の8)。
この法律は、名前が長すぎるので、
一般には「原子炉等規制法」と略されるが、
業界的には極端に短縮して「炉規法」とも呼ばれる。

さて、「再稼働の申請」とは、法律的には、炉規法に基づく
1・原子炉の変更の許可(同法43条の3の8)
2・変更の工事の計画の認可(同法43条の3の9)、
3・保安規定の変更の認可(同法43条の3の24)、
の三つの許認可の申請を総称したものである。

福島第一原発の事故を受けて2013年7月8日から
新規制基準なるものが施行された。
新規制基準とは一種の俗称で、
原子炉の設置・変更の許可を得るために求められる
技術的な要件を定めた
「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、
構造及び設備の基準に関する規則」
(「設置許可基準規則」などと略称される。注1)を指す。

電力各社は、同日以降も原発を運転し続けようとすれば、
この設置許可基準規則の諸要求を満足しなければ
ならなくなったのである。
そのためには、各種の機器の新増設等が必要となるが、
それは原子炉の「変更」に当たるため
①の許可を、また、新増設工事を実施するためには
②の認可を受けなればならない。
さらに、保守・管理等の体制を組み直さなければならないので
③の認可も受けなければならない。
1~3の許認可を一括して
受けなければならなくなった所以である。

詳しい説明(注2)は省略せざるを得ないが、
炉規法は、これらの許認可に関する審査を、
原子炉の運転を継続しながら行う仕組みをとっている。
確かに、例えば、制御棒駆動装置の取替えのように、
原子炉の運転を停止しなければできない工事は
当然ながら過去にもいくらも例があり、
そうした場合には一時的な運転停止がなされたが、
それは、技術的・工学的な要請に基づくものであり、
法律上の義務であったわけではない。

しかるに規制委は、はっきり明言したわけではないが、
運転停止中の原子炉は、①~③の許認可を得て
はじめて運転を再開できるかのような見解を示唆したため、
2015年8月14日に九州電力川内原発1号機が再稼動するまで、
1年11か月にわたってすべての原発が、
何ら法律の根拠がないまま(つまり、電力会社としては、
運転を停止していなければならない法律上の義務がないまま)
運転を停止するという異常事態を生じた。
電力各社に対して法律に根拠のない義務を
課したことになるのであるから、
規制委は、法律を誠実に執行することが使命の行政機関として、
大きな失態を冒したといわざるを得ない。

活断層をめぐる混乱、法的根拠への疑問
いま一つは、いわゆる活断層問題である。
活断層上に原発の重要施設を設置してはないことは
自明であるかのように言われるが、ことはそれほど簡単ではない。
炉規法自体にそうした規定はなく、
設置許可基準規則3条3項に「耐震需要施設は、
変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない」
と規定されているに止まる。
ただ規制委の内規で、「変位が生ずるおそれがない地盤」とは、
将来活動する可能性のある断層等の路頭がないことを確認した
地盤を意味し、「将来活動する可能性のある断層等」とは、
「後期更新世以降(約12~13万年以前以降)の活動が
否定できない断層等」を指すと記載されているにすぎない。

確かに、設置許可基準規則は正規の法令(注3)であるから、
電力各社は、耐震重要施設(因みに、この言葉の意味も、
曖昧な定義しかなされていない)を
「変位が生ずるおそれがない地盤」に設けなければならない
義務を負うが、それはそれだけのことであって、
「将来活動する可能性のある断層等の路頭がないことを
確認した地盤」に設けなければならない義務を
当然に負うわけではない。
また、そこでいう「変位が生ずるおそれがない地盤」を
内規のように決定論的に定義づけることの妥当性については、
筆者の知る限り十分な説明はなされていない。

しかも、2012年以降、旧保安院は、いわゆる
「耐震バックチェック」の一環として、
原発敷地内の破砕帯について調査するよう電力各社に指示し、
規制委はこれを引き継いで、調査報告書を
「有識者会合」なるもので評価するという作業を続けている。
この結果、敦賀(日本原電)、志賀(北陸電力)、
東通(東北電力)の3原発について、
表現のニュアンスに違いはあれ、活断層の存在を
否定できないという評価がなされたことは周知の通りである。

しかし、この種の指示、調査および調査報告書の提出、
有識者会合、そこでの評価、のいずれについても
何ら法律の根拠がない。規制委は、電力各社に対して、
法律の根拠のない行為を、
しかも莫大なコストを負担させて行わせたことになる。
その上、これらの評価が、法律上いかなる意味をもつのかも
はっきりしない。

かりに規制委自身が、これら原発の耐震重要施設が
「変位が生ずるおそれがない地盤」に設けられていないと
判断するのであれば、当該原発は設置許可基準規則の定める
基準に適合していないことになるのであるから、
同法43条の3の23第1項に基づいて、その使用の停止等、
「保安のために必要な措置」を命ずるのが筋であるが、
そうした筋論はどこからも聞こえない。

「法治主義」の原理、誠実に受け止めるべき
行政機関が「法律を誠実に執行」するとは、
法律を執行する上で良かれと思ったことは何でもしてよいし、
またすべきだ、ということではない。
繰り返しになるが、行政機関は、法律の根拠がなければ、
国民に対してその権利を制限し義務を課すことは
許されないのである。
規制委には、この法治主義の原理への執着が
甚だ薄いように見受けられる。

しかし、これを規制委だけの責に帰するのは
明らかにアンフェアであろう。
行政機関に対して、理屈よりも「黄門様の御印籠」を
振りかざすことを求めてやまないマスメディアの体質は
さておくとしても、私自身も身を置く法律学者なる
集団の無能・無責任も糾弾されて然るべきであろう。

法律上どこまでが行政機関に許される行為で、
どこを超えると許されないかは、法令の綿密な解読という
作業なくしては明らかにし得ないのであり、
そこにこそ学者の本領があるはずだからである。
自戒をこめて、そう痛感する。

(注1)原発の設置・変更の許可の要件を定める
炉規法43条の3の6第1項は、その4号において
次のように規定している。
「発電用原子炉施設の位置、構造及び設備が核燃料物質
若しくは核燃料物質によって汚染された物又は
発電用原子炉による災害の防止上支障がないものとして
原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること」
設置許可基準規則は、同号の委任に基づいて
規制委が定めた規則(規制委規則平成25年第5号)である。
(注2)よほど暇で奇特な向きは、僭越ながら、
拙稿「原発はなぜ停まっているのか」
(中央ロー・ジャーナル10巻4号、11巻1号、2号)を
御参照願えれば幸いである。
(注3)ここで「正規の法令」とは、法律および法律の委任に
基づいて行政機関が制定した政令・省令の類をいう。
炉規法はもとより、その委任を受けて制定された
設置許可基準規則も正規の法令である。
正規の法令だけが、国民を拘束し、最終的には、
裁判所が具体の事件を裁く際の判断基準ともなる。
行政機関の内規の類は、当該行政機関内部の
執務上の準則ではあるが、国民を拘束する効力をもたず、
したがって、裁判所の判断基準ともならない。
2015年9月8日付の記事の再掲です。

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